鈴木伸一選

2012年7月26日上毛新聞掲載


田植えして足がガクガク帰り道
前橋大胡東小5年 前原孝太郎
【評】田植えの体験学習をしたのです。泥に足を取られて力を使い、帰りには膝(ひざ)ががくがくしたという、実感のある句。
大けやき風の日ずっとしゃべってる
前橋大胡小6年 関口 雄斗
【評】大胡小のケヤキは本当に大きいですから、強い風が吹いている間、ざわざわと音を立て続けているのでしょう。
砂糖への大名行列蟻の列
前橋山王小6年 清水 龍人
【評】こぼれた砂糖へと続くアリの列を、江戸時代の大名行列と表現。歴史の勉強が、思わぬところで役立ちましたね。
おだやかに水面光るプール後
伊勢崎赤堀東小6年 大比良紗奈
【評】プールの時間が終わって皆が水から上がると、水面もやがて穏やかになってゆきます。それをよく観察しました。
マッチする重み感じる墓参り
渋川中1年 大村なつみ
【評】故人をしのびつつ、線香に火をつけるためマッチを擦ります。「重み」の一語に、万感の思いがこもっています。
縁側で夏空見上げ祖母の顔
高崎中尾中3年 石関寿々香
【評】おばあさんが健在なら、祖母と孫との安らぎのひととき。亡くなっているとしたら、夏空を見上げての追慕の句。
一日の荷物をおろす夕涼み
高崎中尾中3年 稲庭 美優
【評】人はだれしも、何らかの荷物を背負って生きています。せめて夕涼みぐらいは、荷物を降ろして清々(せいせい)したいもの。
新緑の影の下には風が吹く
高崎中尾中3年 関谷 昌樹
【評】新緑のころは、木々の影までもがすがすがしく感じられます。実際に、そこを心地よい風が吹き抜けてゆきます。
ハンカチの大きさ変えて猛暑待つ
渋川赤城北中3年 岡田 真優
【評】大判のハンカチに変えて、これからの猛暑の日々に備えようというわけでしょう。生活実感の豊かな作品です。
雨の香を感じる梅雨のアスファルト
上野中3年 黒沢 一史
【評】道路のアスファルトに、ほのかな雨のにおいを感じ取った作者。これから降りだすのか、あるいは降り始めか。
みみずがね道を歩いてつかれてた
前橋大胡小5年 中野 敦貴
田んぼにね水がひかれて夏のにおい
前橋山王小5年 須藤  凌
目の前が暑くてボヤボヤゆがんでみえる
前橋山王小6年 新井 ねね
サンダルや外反母趾に風が吹く
前橋山王小6年 栗原 正明
まどあけてはいるそよ風せみの声
前橋白川小6年 平沢 京介
きりの中静かな時を感じてる
渋川中1年 井口 沙耶
街路樹の若葉の香り立ち込めて
下仁田中1年 荻野 真妃
上ばきが重く感じる雨の朝
渋川赤城北中2年 石田ほのか
テスト中窓の外は自由な景色
渋川赤城南中2年 星野 愛理
給食の牛乳冷たい文月よ
東吾妻太田中2年 篠原 莉乃
あざやかな緑の色に風が吹く
東吾妻太田中2年 水出 怜歩
夏の空日傘からのぞく母の顔
高崎中尾中3年 小野里春菜
白球にくらいついてく夏の空
高崎中尾中3年 片岡 祐也
風鈴の音ゆっくりゆっくり目を開ける
高崎中尾中3年 角田  潤
ヒマワリが空へ空へと届くかな
上野中3年 堀川陽菜子