鈴木伸一選

2012年10月4日上毛新聞掲載


うちのねこ一日ねてる秋の昼
前橋大胡小6年 有馬りょうが
【評】猫の様子を、よく観察しています。と言っても、猫はただ寝ているだけ。でも、それがむしろ秋の昼らしい感じ。
秋風がやさしく部屋を通ってく
前橋山王小6年 藤宮 幹寿
【評】風が、静かにやさしく通り抜けてゆきます。いかにも秋らしい雰囲気が素直に表現されており、好感が持てます。
初めてのメガネをかけて見えた秋
前橋桃川小6年 斉藤 優維
【評】初めて眼鏡をかけたときって、確かに世界が違って見えます。そこから、またいろんな俳句ができそうですね。
風が吹き山が手をふりふり返す
片品武尊根小6年 星野 隼希(じゅんき)
【評】風が吹くと山の木々が揺れ、手を振っているように見えます。それに応えて手を振り返すというのがいいですね。
自転車で友と風きるうろこぐも
渋川小野上中1年 斎藤 渓太
【評】風を切って、友だちと一緒にさっそうと自転車を走らせます。空には鱗(うろこ)雲が浮かび、辺りはすっかり秋の装いです。
ぞうきんでよごれと残暑をふきとった
渋川赤城南中2年 大畠 浩介
【評】学期始めの校内清掃でしょうか。汚れと一緒に残暑も拭き取って、さわやかな秋の気分で2学期のスタートです。
受信中君の名前がひかってる
渋川赤城北中3年 須田 優奈
【評】気になる相手から、携帯電話にメールが入りました。点滅する名前を見ている間のときめきが、よく出ています。
受験生不安のつみきつみ上げる
東吾妻太田中3年 茂木 美玲
【評】受験生の心の中は、本当にこの句の通りでしょう。ただ、不安なのは自分一人ではないと考えることも大事です。
紅い灯が手招きしてる秋時雨
昭和中3年 林  悠平
【評】秋時雨(しぐれ)の中に赤い灯が潤んで見え、どことなくさびしい気分を誘います。何の灯かは、読み手が想像しましょう。
バッタがねつかまえてみろと飛び回る
前橋下川淵小5年 飯塚 友美
サッカーで弟の顔かがやいている
前橋下川淵小5年 大沢 春樹
秋の空やさしい風が飛んでくる
前橋大胡小5年 長谷川璃穂
渡り鳥目ざす先には夕日かな
高崎金古小6年 代田龍之介
休み明けテスト終了夏の空
赤城養護小児医療センター分校中1年 若田部純矢
田んぼ道少し走れば赤トンボ
東吾妻太田中1年 宮崎 月那(るな)
赤とんぼ私と一緒に帰ろうよ
下仁田中1年 清水明日香
厳島煌(きら)めく朝日潮満ちて
前橋五中2年 福田 智佳
そうめんをつるっとひと吸い夏が来た
赤城養護小児医療センター分校中2年 小池 沙月
自転車であぜ道抜けて秋探し
渋川赤城南中2年 金子  曜
風と共に流れる雲に秋感じ
渋川赤城南中2年 中尾まどか
面皰(にきび)顔若さの証し梨をむく
吉岡中2年 星野日花里
思い出と一緒にはさむしおりかな
東吾妻太田中2年 阿部なつ美
夕暮れの茜に染まる林檎かな
渋川赤城北中3年 狩野 藍花
栗拾い祖母と一緒に秋感じ
渋川赤城北中3年 狩野 音々
入院中考える事は運動会
昭和中3年 横坂 豪大(たけひろ)
初もののぶどうの紫映えている
甘楽一中3年 内藤 芳香(はなか)