鈴木伸一選

2012年11月1日上毛新聞掲載


昼の月がびょうが一つはずれてる
伊勢崎赤堀小5年 荒木 瑠夏
【評】「昼の月」は白っぽくて、何となく気が抜けたような感じ。一つ取れた画びょうとの意外な取り合わせが面白い。
秋の日のとなりのクラスしずかだな
伊勢崎赤堀小5年 糸井桜華子(さくらこ)
【評】やけに静かな隣のクラス。何の授業をしているのか、ちょっぴり気になります。おだやかな秋の、ある日のこと。
カーテンが風でふくらむ運動会
伊勢崎赤堀小5年 千吉良芽依利
【評】「風でふくらむカーテン」に、運動会の楽しさが暗示されています。運動会を独自の視点でとらえた見事な俳句。
秋の風ねこをそっとなでている
前橋大胡小6年 大竹 朱美
【評】「そっとなでている」というのが、いかにも秋の風らしい。気持ちよさそうな猫の顔が、目に浮かぶようです。
稲刈られすこしさみしい窓の外
東吾妻太田中1年 曽我 朱音
【評】稲刈りの済んだ田が、窓の外に見えます。さっぱりとした感じがする一方、どことなくさびしい印象も受けます。
山の色変わると秋が来るそうです
下仁田中1年 新井慎太郎
【評】「来るそうです」という、ちょっととぼけたような報告口調が面白い。季節感の表現に工夫の跡が見られます。
虫の音(ね)にテレビの音量二つ下げ
渋川赤城南中2年 本吉 央幸
【評】テレビより虫の音の方を優先したところがいいですね。こういうちょっとしたところから、俳句は生まれます。
コスモスが練習試合を観戦中
渋川赤城北中2年 高村 悠菜
【評】練習試合なので、絶対に勝とうといった緊迫感はない感じ。コスモスの優しい印象が、そう思わせるのでしょう。
長袖の感覚慣れぬ秋の朝
渋川赤城北中3年 石田 玄太
【評】10月1日からの衣替えで、長そでの制服になったものの、まだいま一つ慣れない感じ。なるほど、と思います。
秋風と一緒にボールを追いかける
前橋大胡東小5年 摺淵  凜
バトンまつわたしの心臓フライング
群馬大附属小5年 品川 瑞華
ハンガーがかたよっている流れ星
伊勢崎赤堀小5年 大沢 永実
秋の雨9月が終わるカレンダー
伊勢崎赤堀小5年 加部 帆南
夏の朝病院がよいあと二回
伊勢崎赤堀小5年 小暮  綾
鰯雲時計のはりがすすんでる
伊勢崎赤堀小5年 小島 伊織
いわし雲夕日がかさなりきれいだね
中之条小5年 中林 力也
教室のせん風機がねひまそうだ
片品武尊根小5年 佐々木紗良
フライ捕る空見上げたら鱗雲
渋川赤城北中1年 狩野 寿理
星月夜空の光に手が届く
渋川赤城北中1年 角田 人基
紅葉狩り色を楽しみつつ奥へ
吉岡中1年 馬場 優子
パレットと一緒に山もそまってく
下仁田中1年 土谷 美咲
秋の空真っすぐのびる飛行機雲
下仁田中1年 横田 真子
雨降るよ今日も当たった母の予報
渋川赤城北中2年 石田 翔也
いわし雲空を見上げてサーブ打つ
渋川赤城南中2年 津久井聡美
朝起きて足がつめたい神無月
東吾妻太田中2年 高橋 瑠花
雲のないきれいな空に赤とんぼ
上野中2年 今井 夏帆
祖母と行く山道歩き秋感じ
渋川赤城北中3年 石坂 綾蘭
冬近しシチューのCM多くなる
東吾妻太田中3年 中沢  雅