鈴木伸一選

2012年11月15日上毛新聞掲載


夕暮れの水たまりはね秋の色
前橋大胡小5年 長谷川璃穂
【評】沈みゆく夕日に、いっとき水たまりがきらきらと輝きます。はかなくも美しい「秋の色」がとらえられています。
稲かられかかしが一人夕日見る
前橋桂萱小5年 坂下 杏樹
【評】稲刈りが済んだ後の田んぼに、ぽつんと立ったかかし。役目が終わってしまい、何となくさびしそうな様子です。
公園で遊んだあとのむしの声
前橋元総社北小5年 青柳 温紀(はるき)
【評】秋は日暮れが早いので、遊んで帰るころには、もう薄暗くなっています。虫の声が、何だかさびしく聞こえます。
秋の夕ふでばこかえていいきぶん
伊勢崎赤堀小5年 桐生 来夢(らむ)
【評】どこかさびしい秋の夕暮れですが、新しい筆箱に替えて気分一新。秋の夕暮れの俳句としては、ちょっと珍しい。
黒板に小さく日付秋の風
伊勢崎赤堀小5年 倉沢  碧(あおい)
【評】黒板の隅に小さく書かれた、今日の日付。ただそれだけなのに、秋の季節感がよく伝わってくるから不思議です。
校庭の友だちひかる秋色に
下仁田小5年 近藤 南月
【評】校庭にいる友だちが、日差しを浴びて光って見えます。「秋色」という言葉が、とても印象的に使われています。
木々達が静かにねむる秋の夜
東吾妻太田中1年 佐藤 南泉(みなみ)
【評】静寂に包まれた秋の夜の雰囲気を、素直にとらえているのがいい。木々たちとともに、人も静かに眠りにつきます。
蟋蟀が紡いだ言葉を書き留める
渋川赤城南中2年 金子  曜
【評】コオロギの声も、あまり聞こえなくなった晩秋。せめて自分の記憶の中にとどめておこうということでしょうか。
木枯らしや目の先そこで待ち伏せ中
渋川赤城北中3年 近藤 海乃
【評】冬が、すぐそこまで来ています。木枯らしが、今か今かと手ぐすねひいて待ち構えているという表現がユニーク。
色をぬりかざったようなこう葉だ
前橋元総社北小5年 新井 翠(みどり)
ハトたちが水をのんでた秋日和
伊勢崎赤堀小5年 荒木 瑠夏
かまきりはどこを見ている秋の空
伊勢崎赤堀小5年 田沼 昇唯(しょうい)
妙義山みんなで登る秋の風
下仁田小5年 永井 沙織
ぼくと母日暮れが早いと言っている
高崎馬庭小6年 松本 卓斗
秋の空となりを見れば友の顔
渋川中1年 纐纈このみ
窓ガラス冷たさ感じくもってる
東吾妻太田中1年 荻原 莉聖
秋晴れでスカイツリーがよくみえる
渋川小野上中2年 外丸 沙綺
秋空と合わせ鏡の水たまり
渋川赤城北中2年 石田ほのか
忘れ物取りに戻った秋の風
渋川赤城北中2年 望月 美紅
放課後の温もり残る教室よ
渋川赤城北中3年 石田 玄太
病み上がり外に出てみて秋の風
中之条六合中3年 冨沢 萌香