鈴木伸一選

2013年1月17日上毛新聞掲載


冬の空風の旅人走ってる
前橋大胡小5年 堀内 涼乃
【評】「風の旅人」という表現に詩情があります。人間以外のものを人間のように表す擬人法(ぎじんほう)が、うまく使われています。
あかくなりポインセチアもよろこんで
前橋若宮小5年 高橋 秀吉
【評】ポインセチアが真っ赤に色づいて、喜んでいるように見えます。もちろん、それを見ている人間も喜んでいます。
山眠るカーテンそろそろしめなくちゃ
伊勢崎赤堀小5年 大沢 永実
【評】「山眠る」は、冬の季語。眠ったように静かな山が見える窓に夕闇が迫り、そろそろカーテンを閉める時刻です。
冬の空遊ぶ時間がもうおわる
伊勢崎赤堀小5年 高月 圭悟
【評】冬の夕方はすぐに暗くなり、遊ぶ時間もたちまち終わりです。日常生活を通して季節感をとらえたのがよかった。
帰り道私と落ち葉のかげうつる
伊勢崎赤堀東小5年 松木田莉奈
【評】一人の帰り道。影が映るというのだから、日が差して明るいのでしょうが、やはりどこかさびしい雰囲気ですね。
大そうじ家も心も光ってる
渋川中郷小5年 田中 咲良(さくら)
【評】似た作品はありますが、この句はこの句で、大そうじの後のすがすがしい気分がよく出ており、好感が持てます。
こたつからはなれないのはねこもいっしょ
前橋大胡小6年 大竹 朱美
【評】「ねこもいっしょ」というのがユーモラスでいい。こたつを出ない言い訳なのですが、思わず笑ってしまいます。
冬晴れや緑茶の袋かたむきし
前橋山王小6年 栗原 正明
【評】「冬晴れ」と「傾いた緑茶の袋」は無関係。それを取り合わせて詩情を生む二物衝撃の方法が、とても巧みです。
風花舞う空が大きく遠くなる
高崎中尾中3年 岩田 優奈
【評】舞い飛ぶ風花をじっと見つめていると、あらためて空の大きさと遠さが感じられたのです。その心の動きが詩的。
マフラーを締め直し待つ交差点
高崎中尾中3年 尾池進太郎
【評】信号を待っている間にマフラーを締め直す。そんなちょっとしたしぐさから、あらためて寒さが伝わってきます。
おとしものサンタさんのひげだった
前橋永明小5年 女屋 りる
こたつはねめいろのようにぬけだせない
前橋永明小5年 小島 萌斗
こたつにはみかん一つとお父さん
前橋大胡東小5年 寺師 愛莉(あかり)
寒くてね時間が長く感じます
前橋大胡東小5年 前原孝太郎
風の精落ち葉でみんな遊んでる
前橋滝窪小5年 斉藤 春暉
二時間目終わる時間だ冬げしき
伊勢崎赤堀小5年 小保方香花(このか)
目標の字が曲がりぎみ霜柱
伊勢崎赤堀小5年 倉沢 碧(あおい)
先生の字が大きいな冬の暮
伊勢崎赤堀小5年 佐藤 迅(はやて)
雪だるまさよなら言わずに消えちゃった
伊勢崎境采女小5年 高田 寛馬
山の雪月が出ていて光ってた
渋川中郷小5年 松沢 宗玄(むねはる)
雪がふりにおいしてくる雪のにおい
みなかみ古馬牧小5年 高柳 冴妃
風がふきみんなでくっつく冬の道
前橋大胡小6年 山口 友江
おじいちゃんとジャンケンしているおおみそか
高崎里見小6年 小林 海人
かまくらのこの秋の道きれいです
高崎車郷小6年 関口 千秋
ストーブの前でほっこり冬の朝
太田藪塚本町小6年 勅使川原樹
しもがふり外の水道つかえない
渋川中郷小6年 後藤 竜弥
早朝の机にはりつく寒さかな
東吾妻太田中1年 湯浅  陸
グランドを走れば霜の音がする
渋川小野上中2年 鈴木ひかり
虎落笛(もがりぶえ)乾いた空を通る声
高崎中尾中3年 石井 翔也
冬深む冷たい道着に腕とおす
高崎中尾中3年 吉岡 彩佳