鈴木伸一選

2013年3月21日上毛新聞掲載


一歩ずつ春の歌声小さな芽
前橋永明小5年 関  桃花
【評】木の芽が少しずつふくらんでゆくのに合わせ、春という季節の歌声も、だんだん大きくなってくるかのようです。
春風がひょっこり顔を出している
前橋粕川小5年 新海 里菜
【評】春風を人間のように表現したのがおもしろい。ちょっと難しい言葉ですが、擬人法と言い、これが効いています。
転んだり泣いたりしたな通学路
前橋大胡小6年 福田 知香
【評】通学路には、小学校6年間の思い出がたくさん詰まっています。それを大切に胸にしまい、卒業の日を迎えます。
ささやかに母への一言春の日に
東吾妻太田中1年 松井 孝太
【評】ごく短い言葉であっても、気持ちがこもっていれば、お母さんにきっと伝わったはず。季語「春の日」も印象的。
春の風行きたい方向すすんでく
下仁田中1年 諏訪 聖奈
【評】行きたい方へ進んでゆくのは春風でもあり、作者でもあるでしょう。何にせよ、自分の信じた道を行くのが一番。
風光る遠くの空を見ていたい
高崎中尾中3年 井部 勝旗
【評】「風光る」は春の季語。明るい陽光に、風もまばゆいばかり。遠くの空へのまなざしに青春性があふれています。
しゃぼん玉風がよいしょと持ちあげる
渋川赤城北中3年 田子 怜奈
【評】かなり大きなしゃぼん玉でしょう。それが風にゆらりと浮き上がる様子を、ちょっとユーモラスに表現しました。
かれ木見てちょっぴりさみしい帰り道
前橋東小5年 新井 杏果
たこ上げでころんだきずはまだ残る
前橋東小5年 平尾 友香
大けやきことりといっしょに春をまつ
前橋大胡小5年 大竹 叶花
山ねむるそんな季節がほっとする
高崎車郷小5年 岡田 和泉
あくびして目になみだある春の空
伊勢崎赤堀小5年 杉原 毅勇(たけお)
木の下で写真をとってる新入生
水上小5年 伊尾木沙都
うめの花さらさら届く春の風
前橋山王小6年 今泉  茜
冴返る上半身のせまさかな
前橋山王小6年 栗原 正明
春来てもゲームは雪が降っている
高崎中尾中1年 伊藤 俊章
からっ風光とともに街へ行く
前橋五中2年 福田 智佳
海岸に春を咲かせる桜貝
渋川赤城北中2年 石田 彩音
春近し歩く速さも遅くなる
渋川小野上中2年 平形 里奈
筆箱の中身も変えて新学期
東吾妻太田中2年 寺嶋 純伶
雪どけの水が流れる神流川
上野中2年 黒沢 楓香
風光る受験会場へいざ参る
高崎中尾中3年 大野 愁斗
明日への充電をするふとんかな
渋川赤城北中3年 狩野 志大
げた箱のくつがなくなる卒業式
神流中里中3年 田島 玲奈