鈴木伸一選

2013年4月4日上毛新聞掲載


春の波紙切れひとつ浮かびけり
前橋東高1年 栗原 有加
地の雪の白と西日の茜色
沼田高2年 山崎 亮一
【総評】春休み期間中なので、先生方に向けた話を少ししたいと思います。
 「生き生きしていない観念によるような教育は、無用であるだけではありません。なによりも有害なのです」
 イギリス生まれの哲学者、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド(1861−1947年)の『教育の目的』(29年)にある言葉です。「生き生きしていない観念」とは、「ただ単に頭に詰め込まれるだけの観念」のことだと指摘されています。
 この言葉は、ジュニア俳句の教育的効果について考える一つのヒントになるのではないかと思われます。すなわち、俳句は「ただ単に頭に詰め込まれた観念」(「知識」と言い換えることもできると思います)だけでは成立せず、五感を解放し、五感を通じて対象物を認知することではじめて形となるものだからです。
 簡単に言うと、たとえば子どもたちが単に「落ち葉」という言葉を知っているだけでは駄目で、実際に葉が落ちるさまを見て、それを手に取り、その形状や重さ、色、匂い等々を具体的に体験し、知識に肉付けをしてゆく作業が大切であるということです。当たり前ですが、「知識」と「体験」をバランスよく習得してゆくことが、俳句に限らず、子どもたちには特に重要であろうと思います。
(学校・学年は投稿時のものです)