鈴木伸一選

2013年5月2日上毛新聞掲載


花びらが川で一列一年生
前橋大胡東小5年 田部井恵介
【評】桜の花びらが一列になって、川を流れてゆきます。そこに、並んで歩く1年生の姿を思い浮かべたのが楽しい。
バス停のいつもの景色も春になった
群馬大附属小5年 小林 征楽
【評】学校の行き帰りに使うバス停。見なれた景色ですが、よく観察すれば、春には春ならではの表情が発見できます。
教科書が一冊ふえた春の朝
渋川古巻小5年 斎藤 可菜
【評】高学年は、使う教科書も増えてきます。そんな小さな事柄にも俳句の種を見つけることができるのがすばらしい。
太陽で風が光る通学路
前橋大胡小6年 阿久沢凜央
【評】春の季語に「風光る」がありますが、その通りの句。こういう気持ちでいれば、毎日楽しく学校に通えますね。
春になりげた箱ずらりと光ってる
前橋大胡小6年 内田 理音
【評】きれいにそうじされたげた箱が、子どもたちを待っています。新学期のすがすがしい気分が、よく感じられます。
夜桜がきれいに見えたかんらんしゃ
伊勢崎赤堀東小6年 中山 光流
【評】ライトアップされた夜桜が、観覧車から美しく見えたのでしょう。幻想的な光景が、私の目にも浮かんできます。
春の川ところどころで音ちがう
南牧小6年 小須田舜明
【評】流れの速い所と、ゆっくりの所とでは、川音も違います。よく耳を澄まして、その違いをしっかりとらえました。
新しい自転車まぶしい通学路
前橋七中1年 中林 滉貴
【評】中学生になり、自転車通学の開始です。新品の自転車で風を切って走れば、春の日ざしがまぶしく降り注ぎます。
新しいペンで書くのは自分の名
渋川赤城北中2年 狩野 貴文
【評】教科書など、自分の持ち物に名前を書きます。新しいペンというところに、新学期ならではの気分が出ています。
桜咲き私の心舞い上がる
渋川金島中2年 小林 一美
【評】満開の桜を見ていたら、心がふわりと舞い上がるように感じられたのです。桜の精に誘われたのかもしれません。
弟が走って回す風車
吉岡中2年 相沢 匡紀
【評】「風車(かざぐるま)」は春の季語となっています。幼い弟さんが風車を手に懸命に走る姿が目に浮かび、気持ちが和みます。
新品の教科書のぞく春の風
渋川赤城北中3年 吉川  梢
【評】新しい教科書というのは、何だか中身が気になります。春風の中、興味津々でのぞき込む作者が目に浮かびます。
春の日に「そんなに焦るな」山が言う
東吾妻太田中3年 剣持 真琳
【評】受験に限らず、つい焦ってしまうことは少なくないですね。泰然自若とした山を見て、心を落ち着かせましょう。
とうこうはん新一年生二人いる
前橋永明小5年 大塚  來
ふあんそうちびちび歩く一年生
前橋永明小5年 鳥居 花菜
公園のトンネルぬけてつくしんぼ
前橋大胡小5年 蟻川 莉央
はじめてだ弟いっしょの休み時間
前橋大胡小5年 大原 美絃
大けやき春のチャイムで目が覚めた
前橋大胡小5年 小林 大輝
桜の花今年ははやく服変えた
前橋駒形小5年 赤沢 杏奈
五年生とうとう後ろのふくはん長
前橋駒形小5年 岩野 由依
夜のあらしまるで地球がおこってる
伊勢崎赤堀東小5年 大滝 由茉
お花見にねこもいっしょに参加する
渋川古巻小5年 中沢 壮吾
雨のあと春風ほっぺをなでていく
前橋大胡小6年 黛  杏香
春の風ぼくのほおをさすってく
前橋大胡東小6年 大和田直人
満開のぼたんがぼくにわらってる
前橋荒砥中1年 小笠原崇峻
花冷えやタンスの奥に手を伸ばす
前橋七中1年 栗原 正明
山みれば青葉一面目の薬
下仁田中1年 佐藤章紀人(あきと) 
花びらが私のもとに届く春
渋川中2年 石黒みゆき
満開の桜は花火のようだった
渋川中2年 吉田 大騎
葉桜に鳥のさえずり聞こえてくる
渋川金島中2年 星野 弥月
春の色花壇の中にあふれてる
渋川赤城北中2年 望月 美里
春風に明るい声をのせてゆく
渋川赤城南中2年 木暮 怜那
川の流れきこえてくるよ雨あがり
下仁田中2年 長岡 柚希
春の池輝く空に包まれて
前橋五中3年 福田 智佳
部活中桜とボールを追いかける
渋川赤城北中3年 丸山 凌河
白木蓮散りても香り残しけり
吉岡中3年 栗田 瑠花