鈴木伸一選

2013年5月16日上毛新聞掲載


早起きの夢を見ていて大ちこく
前橋桂萱小5年 狩野 元気
【評】思わず笑ってしまうユーモラスな句ですが、当人にしてみたら大慌てで、とてもそれどころではありませんね。
あたたかい日ざしの中でまた笑おう
前橋総社小5年 六本木ひなた
【評】「また笑おう」という呼びかけは、だれに向けてのものでしょうか。とてもやさしい印象の句で好感が持てます。
菜の花の黄色の畑犬走る
伊勢崎赤堀東小5年 斎藤 知沙
【評】菜の花畑の一面の黄色の中を走ってゆく、一匹の犬。白犬だとしたら、その印象もよりあざやかになりますね。
青空にブランコ大きく動きだす
渋川古巻小5年 斎藤 可菜
【評】もちろん、だれかがブランコを大きくこいでいるのですが、人間の姿を省略し、ブランコだけを描いたのが巧み。
大けやきだんだん日かげが広くなる
前橋大胡小6年 町田 彩乃
【評】冬の間は葉が落ちていた大ケヤキですが、若葉が茂るころになると、地面に映る影も大きく広がってゆきます。
帰り道弟のせなかがひかってみえる
前橋粕川小6年 石島 小梅
【評】前を歩く弟さんの背中のランドセルが、お日様を浴びて光って見えるのかもしれません。とても印象的な情景。
春の空ブランコこいでひろがるな
前橋下川淵小6年 沼賀 結衣
【評】ブランコをこげばこぐほど、空も広がってゆくようだというのです。春らしい伸びやかな気分がよく出ています。
みどりの日両手広げて深呼吸
東吾妻太田中1年 白石 景子
【評】名称からして、いかにもすがすがしい印象の「みどりの日」。私も、思いきり深呼吸をしてみたくなりました。
新緑が僕を大きく包み込む
東吾妻太田中2年 湯浅  陸
【評】何とさわやかな情景でしょう。俳句を通じて味わった自然との一体感が、素直に表現されているところがいい。
春の風空を優しく包んでる
下仁田中2年 佐藤 源弥
【評】「春の風」という季語には、やはり優しく穏やかなイメージが似合いますね。作者の人柄が表れた俳句でしょう。
桜舞う新入部員と初練習
上野中3年 佐藤 海理
【評】最上級生としての責任感。新入部員との最初の練習に臨む高揚した気分。それらが、とてもよく伝わってきます。
雨やんで赤城山がひかってる
前橋大胡小5年 大河原康生
帰り道せなかがだんだん暑くなる
前橋粕川小5年 猪熊夕衣名
木のえだが太陽めがけて手をのばす
片品武尊根小5年 星野 鈴佳
観覧車乗って見おろす春の町
前橋下川淵小6年 岡部 遥己
ランドセル自信にみちた春の朝
前橋細井小6年 阿久沢里奈
藤の花春の音色が鳴っている
高崎多胡小6年 神保 陽菜
こいのぼり風という名の波に乗る
館林三小6年 伊永 勇人
春の風いつもとちがう晴れた空
片品南小6年 宮田 知幸
若葉冷え大またで行く床の上
前橋七中1年 栗原 正明
鳥が飛ぶ五月の風に乗りながら
東吾妻太田中1年 白石 英暉
歩くたび緑広がる通学路
渋川中2年 石黒みゆき
夕暮れに泳ぎつかれた鯉幟
東吾妻太田中2年 宮崎 皓樹
さわさわと緑が歌う妙義山
下仁田中2年 神戸 泰一(たいち)
初登校坂の上から桜見る
高崎高南中3年 池田 美波
積み上げた本の分だけ春逃げる
渋川赤城北中3年 石田ほのか
風に揺れ窓べに浮かぶ藤の花
渋川赤城北中3年 堤   悠
青空に白いえのぐを吹き流し
渋川赤城南中3年 女屋 祐奈