鈴木伸一選

2013年5月30日上毛新聞掲載


一年生スキップしている帰り道
前橋永明小5年 三森 愛夏
【評】見るからに楽しそうな1年生の様子を、上級生らしい優しいまなざしでとらえた俳句。読者の心もなごみます。
原っぱの上を走って風に乗る
前橋桂萱小5年 清水クリステル
【評】「風に乗る」とありますが、自分が風そのものになって飛んでいるかのようでもあります。さわやかさが魅力的。
登校班一年生が元気だな
前橋下川淵小5年 富沢 颯也
【評】新しく登校班に仲間入りした1年生が、班のだれよりも元気だというのです。ユーモラスな書き方がおもしろい。
さくらさくまつりのように春がきて
前橋月田小5年 松村 大樹
【評】春という季節は、自然と心が浮き立ちます。そんな感覚を、「まつり」と言ったのでしょう。巧みな表現です。
パソコンでダブルクリック春終わる
伊勢崎赤堀小5年 安部 心寧
【評】マウスをダブルクリックしたら春が終わる。あり得ないことを、あるかもしれないと思わせるのが俳句の力です。
母の日や少しこげめの卵やき
渋川古巻小5年 斎藤 可菜
【評】お母さんに代わって、卵焼きを作ったのです。少し焦げてしまったけれど、それも「母の日」のいい思い出。
新緑のシャワー流れる柳の木
前橋細井小6年 生方 颯真
【評】細くてしなやかなヤナギ。しかも、初夏の青々とした枝ですから、まさにさわやかなシャワーのような印象です。
げん関にどろぐつおどるこどもの日
前橋細井小6年 斉藤 彩乃
【評】くつに付いた泥が、子どもたちの元気さを物語っています。「おどる」という表現に、作者の発見があります。
アメンボが飛ぶように泳ぐ水たまり
伊勢崎赤堀東小6年 松木田莉奈
【評】アメンボが泳ぐ様子をよく観察したので、「飛ぶよう」という発見ができたのです。俳句には、この発見が大事。
窓をあけ亡き祖父思う春の風
東吾妻太田中3年 矢代  颯
【評】故人をしのぶのに、「春の風」という季語の優しい気分がよく合っています。祖父の温顔が目に浮かぶようです。
五年生ゆったりゆれるさくらの木
前橋大利根小5年 近藤 朱美
風強くランドセルの中すなだらけ
前橋桂萱小5年 女屋桃々花
暑いから少し早めの水遊び
前橋桂萱小5年 杉本  悠
弟とお散歩行くよ春風も
前橋月田小5年 松島 あみ
太陽の元気をもらうわか葉たち
前橋元総社北小5年 白石 空夢
ジャム作り家中いちごのいいにおい
高崎城山小5年 佐藤 隼紀(としき)
国語辞典あつくて重い春の山
伊勢崎赤堀小5年 新井  栞
散る桜一年生が帰ってく
伊勢崎赤堀小5年 山岡 優花
チューリップ大きな口で風をのむ
渋川古巻小5年 中沢 壮吾
陽がしずみ今日も一日ありがとう
埼玉本庄南小5年 黒岩 知怜(ちさと)
新しい風に緑がささやいた
前橋永明小6年 青木はるか
のどいたいがらがら声がみみにひびく
前橋大胡小6年 塩田 絢美
夏近し布団をかけたりはがしたり
前橋山王小6年 南雲 優介
のぼりぼうてっぺんほんのりあったかい
前橋下川淵小6年 松本 瑞生
まどあけて新緑深く風かおる
前橋細井小6年 板橋かおり
風かおる心の底のたからもの
前橋細井小6年 吉田 芹菜
夏近しバスケの試合がまちどおしい
伊勢崎赤堀東小6年 羽鳥 一馬
ペチュニアも川のせせらぎこもり歌
南牧小6年 青木 椋央
食べきれぬパン鳥にやり夏近し
前橋七中1年 栗原 正明
山の緑藤のむらさきよく映える
下仁田中1年 佐藤 太星
夏つばめ夏に向かって飛び立った
渋川中2年 丸岡信太朗
月明かりあくびと共に春が去る
前橋五中3年 福田 智佳
新緑の葉からこぼれた夏の空
渋川赤城北中3年 望月 美紅