鈴木伸一選

2013年6月13日上毛新聞掲載


6月だ空を見るとぜんぶ雲
前橋大利根小5年 田村 天音(あまね)
【評】梅雨どきの空を、ずばりととらえています。「ぜんぶ雲」という表現に、俳句で特に大切な「発見」があります。
春の山緑がふえてふくらむよ
前橋駒形小5年 赤沢 杏奈
【評】木々に若葉が茂り出して、山全体がふっくらと膨らんだように見えます。その様子を、しっかりと観察しました。
ねぎぼうずいたずらっ子にみえてきた
前橋下川淵小5年 白石なつみ
【評】ねぎ坊主は、たしかに子どもの頭のように見えます。「いたずらっ子」というユーモラスなとらえ方がいいですね。
夏ダイコンシャキッときをつけならんでる
沼田升形小5年 宮沢 一生
【評】先日の親子俳句教室では、前橋の商店街を歩きました。お店に並んだ夏大根の新鮮さを、うまく表現しています。
初夏の風笑っているよじぞうさま
前橋下川淵小6年 橋爪 彩加
【評】俳句教室で散策した大蓮寺には、お地蔵様が並んでいました。初夏の風にほほ笑むお顔の、何と優しそうなこと。
友達と一緒に買ったラムネ飲む
吉岡中1年 高橋 夏未
【評】友だちと一緒に買ったからこそ、ラムネが一層おいしく感じられるのです。さわやかな俳句で、好感が持てます。
父の日に無口な父が口開く
渋川中2年 福島 啓太
【評】普段は寡黙なお父さんが、父の日に感謝の言葉を口にしたのでしょうか。それだけで、心が温かくなってきます。
南風とホルンの音が流れていく
高崎中尾中3年 本多 杏歌
【評】「南風(なんぷう)」は夏になって南から吹く、比較的穏やかな季節風。ホルンの牧歌的な音色が、よく合っている感じです。
はれた日はみんなが外であそび出す
前橋大利根小5年 鈴木七菜子
弟の宿題見てやりなつかしい
前橋駒形小5年 岩野 由依
水あびて光かがやく夏の空
前橋桂萱小6年 堀越 美緒
金の麦針の頭で風を刺す
前橋山王小6年 南雲 優介
花散って私に手をふる桜の木
前橋下川淵小6年 石川 実莉
夏みかんあつめた日ざしあまい味
前橋細井小6年 板橋かおり
高徳院つばめが周りで歌ってる
高崎国府小6年 井田 茉依
春風は一年生のつきそいだ
高崎多胡小6年 柿田 幹来
自転車に乗って春をひとまわり
高崎箕輪小6年 那須総一郎
校庭で夏の太陽あびている
水上小6年 佐京りりか
新緑でいっそう輝く牛の群れ
下仁田小6年 近藤 南月
梅雨の時期川が大きくうたってる
南牧小6年 市川 貴大
スイカ食べ少し早めの夏きたる
渋川赤城北中1年 津久井詩穂
春の風ゆらゆらゆれるカッターは
安中松井田東中1年 萩原 佐保
雨あとの時を豊かにかたつむり
渋川中2年 奥泉 風佳
カタツムリ孤独を背負ってどこへ行く
渋川中2年 片桐 俊紀
授業中ノートに春を書き込んで
渋川赤城北中2年 石田 太勢
ラムネ飲み体内時計狂い出す
吉岡中2年 岡本 海音
雲が退き光が差しこむ半夏生(はんげしょう)
玉村南中2年 上原妃愛乃
金亀虫日光たくわえ発電中
高崎中尾中3年 室橋 孝法
春過ぎて受験生になる夏がくる
渋川小野上中3年 吉沢 未佳