鈴木伸一選

2013年6月27日上毛新聞掲載


夏の日にはにわを見ながら歩いてく
高崎国府小5年 柏倉 健人
【評】高崎の八幡塚古墳辺りの情景かと思います。校外学習の一こまのようですが、埴輪(はにわ)が印象的だったのでしょう。
南風友達一人できました
伊勢崎赤堀小5年 渡辺 結南
【評】「南風」は夏の季語。穏やかな季節風ですが、この風の印象と友だちができたうれしさとが、よく合っています。
ストーブのあった所にせんぷう機
渋川古巻小5年 斎藤 可菜
【評】ストーブと扇風機が、居場所を交代しました。季節の移り変わりを素直に、しかもユーモラスにとらえています。
かさの上つゆの知らせだ雨の音
前橋大胡小6年 黛  杏香
【評】かさを打つ雨音に、梅雨のおとずれを知った黛さん。俳句を書いていると、季節の変化に敏感になってゆきます。
衣替えタンスの中に風が吹く
伊勢崎赤堀東小6年 阿久津爽香
【評】タンスの引き出しを開けて、衣替えをします。タンスの中を、初夏のすがすがしい風が吹き抜けてゆくようです。
小説を母につられて読んでみる
伊勢崎赤堀東小6年 岡部  翔
【評】読書家のお母さんを見ていて、岡部君も小説を読んでみたくなったのです。お母さんも喜んでいることでしょう。
梅雨が来て傘の花舞う交差点
渋川金島中2年 小林 一美
【評】傘を花にたとえるのはよくある表現法ですが、この句は「交差点」が効果的。行き交う花が目に浮かんできます。
噴水のしぶきが光る風の街
渋川赤城北中2年 狩野 綾音
【評】一読、涼やかな風が吹いてくる気がする俳句です。明るく伸びやかな書き方に青春性があふれ、好感が持てます。
桜桃忌小さき罪を数えつつ
渋川赤城北中3年 石田ほのか
【評】太宰治の忌日「桜桃忌」は6月19日(または13日)。「小さき罪」が、人間の偽善を告発した作家にふさわしい。
プール開き今年も夏がよんでいる
前橋永明小5年 三森 愛夏
五月晴れトロンボーンのテストした
前橋広瀬小5年 岸  天翔
なつのひにならんでいるよはにわたち
高崎国府小5年 井部 隼人
漢字辞典漢字がたくさん夏の山
伊勢崎赤堀小5年 千本木萌香
青嵐今日はじゃんけん強かった
伊勢崎赤堀小5年 林  愛菜
6月に生まれた私は雨がすき
前橋大胡小6年 千吉良辰美
暑い中力をこめる太い筆
前橋大胡小6年 星野  遥
一年生風におされて歩いてる
前橋細井小6年 佐藤 萌子
衣替え身軽になって登校だ
伊勢崎赤堀東小6年 赤石 帆香
歩くたび緑に変わる通学路
伊勢崎赤堀東小6年 中島 瑞樹
なつの日の外の世界はえんてんか
伊勢崎境島小6年 松本  剛
まなつびは公園のくさひかってる
伊勢崎宮郷二小6年 大谷 亜美
走り梅雨会話少なき通学路
前橋七中1年 栗原 正明
人間も急速冷凍したい夏
前橋南橘中1年 斉藤 優維
ころもがえ新しき風ふいてくる
渋川赤城北中1年 羽田 健吾
父の日を忘れてしまったお父さん
下仁田中1年 佐藤 太星
新緑の山に流れる鳥の声
渋川金島中2年 矢野 達也
登下校明るくなった山の色
上野中2年 高瀬 麻華
蟻たちは風をくぐってどこへゆく
渋川赤城北中3年 石田 翔也
水たまりのぞいてみると夏の色
渋川赤城北中3年 茂木 義弘
大会を応援している夏の風
渋川赤城南中3年 斉田 せな
炎天下弱音を吐いてる私かな
東吾妻太田中3年 高橋 瑠花