鈴木伸一選

2013年7月25日上毛新聞掲載


給食のスプーンに映る夏景色
前橋粕川小5年 近江 琉雅
【評】スプーンに映った像を「夏景色」ととらえた感覚に、詩的なものを感じます。この感覚を、大切にしてください。
新緑と朝の空気と太極拳
前橋山王小5年 高橋 秋音
【評】夏の朝、公園かどこかで太極拳をしている人たち。見るからにすがすがしい光景が、素直にとらえられています。
妹の音読の声風にのる
前橋下川淵小6年 松本 瑞生
【評】季節は書かれていませんが、やはり初夏のすがすがしい風がふさわしいでしょう。「のる」という表現が効果的。
ラグビーをしていてかんじる夏の風
高崎城山小6年 新井 亮汰
【評】ラグビーは運動量の多い激しいスポーツですが、それだけに、ふと感じた風がたいそう気持ちいいのでしょうね。
読書してうっとりながめる梅雨空を
伊勢崎赤堀東小6年 須田 茶々
【評】普通は気分が沈む感じの梅雨空を、うっとり眺めるというのですから、よほど夢のある内容の本なのでしょうね。
セミだけが質問している授業中
東吾妻太田中1年 湯本 拓也
【評】先生が「質問は?」と尋ねても、だれも手を挙げません。セミの声が、代わりに質問するかのように聞こえます。
夏風が吹いてはじまる朝部活
東吾妻太田中2年 荒木 一樹
【評】朝の風ですから、夏とはいえ、まだ涼しさは感じられるでしょう。この風を合図に、部活の朝練習が始まります。
日傘さす母が押してる車いす
前橋東中3年 斎藤 裕樹
【評】お母さんが押す車いすに乗っているのは、作者の祖父か祖母でしょうか。夏の日の、静かだけれど印象的な情景。
梅雨明けの坂を抜けると青い空
渋川赤城北中3年 石田 翔也
【評】「梅雨明け」という言葉を耳にしただけで、気分も開放的になります。坂の上の青空が、そんな気分にぴったり。
三階に飛び込む風が紙散らかす
渋川赤城南中3年 星野 愛理
【評】この風は、夏の強風と受け取っていいでしょう。「夏嵐机上の白紙飛び尽す」(正岡子規)という句もあります。
台所カランと氷が響く夏
東吾妻太田中3年 松井 孝太
【評】静まり返った夏の午後という印象。飲み物に浮かべた氷がカランと鳴る音だけを描き、他は省略したのが効果的。
太陽が私の影を濃くしてく
高崎金古南小5年 青木菜々子
鉄ぼうにさわるとやけどしそうだな
高崎乗附小5年 狩野 晴南
泳ぐとき水しぶきがはしゃいでる
高崎馬庭小5年 提箸 陸斗
たなばたの夜空はねがいでいっぱいだ
伊勢崎赤堀東小5年 松島 大也
夏の日に海に向かってとびこんだ
伊勢崎北二小5年 森  咲月
カメラもちアジサイのぞくさつえい会
太田世良田小5年 正田 莉央
夏風がふいてる場所で昼ねする
前橋永明小6年 関口 愛佳
午後の風風鈴の音がなりひびく
前橋永明小6年 山本  楓
まがりかど右と左にあじさいが
前橋下川淵小6年 横地 花菜
公園にせみの声が広がるよ
高崎国府小6年 浜野 茜里
朝早くねこに起こされあと5分
高崎多胡小6年 斉藤 勇作
雲のみね夏の光がのぞいてる
高崎矢中小6年 田中 優哉
あじさいと大仏様がぬれている
太田藪塚本町小6年 後藤 実結
帰り道地面に滲む影法師
高崎中尾中1年 土谷 彩花
朝顔が前を向けよと花開く
東吾妻太田中1年 茂木捺々穂
炎天下声を張り上げボール打つ
渋川赤城北中2年 池田 貴史
夏の色きれいにぬった田んぼかな
東吾妻太田中2年 曽我 朱音
涼風が千本鳥居を吹き抜ける
高崎高南中3年 高田万里奈
教室の窓が大きく呼吸する
渋川赤城北中3年 斉藤 遥平
ひまわりが子供の笑顔を咲かせてる
渋川赤城南中3年 永井 冴依
風鈴に耳をすませる午後3時
渋川赤城南中3年 中尾まどか