鈴木伸一選

2013年9月19日上毛新聞掲載


残された絵の具が浮いた夏の空
前橋大胡小5年 加藤 睦人
【評】青空のキャンバスに、白い絵の具をぬったような雲が浮かんでいます。見るからにすがすがしい夏の風景です。
夏休み終わってネコがさびしそう
前橋下川淵小5年 中林 愛佳
【評】夏休みの間はいつでも猫の相手ができましたが、学校が始まってしまうと、そういうわけにもいきませんものね。
弟と同じすがたで寝る猫よ
伊勢崎赤堀東小5年 赤石 大和
【評】この猫は、まさに赤石君の家族の一員になりきっているんですね。ユーモラスであると同時に、心温まる俳句。
せみの声ラジオ体そうについてくる
前橋大胡小6年 須藤 咲子
【評】ラジオ体操の音楽に合わせるように、セミが鳴いています。きょうも元気に過ごせそうな気がする、夏の朝です。
朝の風あびてふわっと秋かおる
前橋細井小6年 岡村 麻衣
【評】朝の風の肌ざわりが、夏とは違うのです。そこに秋のおとずれをとらえたところに、繊細な感性がうかがえます。
墓参り風に想いをのせていく
東吾妻太田中1年 湯本 麻奈
【評】心静かに、今は亡き家族のことを思い出します。その思いは初秋の風に乗り、故人のもとに届いたことでしょう。
ゆっくりと沈黙落とす桐一葉
渋川赤城北中3年 吉川  梢
【評】「桐一葉(きりひとは)」は桐の落葉(らくよう)で、これで独立した季語となっています。「沈黙落とす」が、秋の静けさをとらえて見事。
弟はいつもあまいにおいする
前橋大胡小5年 大崎 爽花
黒い雲雨がたくさんつまってる
前橋大利根小5年 本多 愛花
夏休み犬の赤ちゃん生れたよ
前橋下川淵小5年 島田 彩葉
夏終り最後のてっぽうゆりがさく
前橋二之宮小5年 小笠原崇月(しゅうが)
いとこくるスイカとはなびよういした
伊勢崎赤堀東小5年 足尾  遼
チョコレート原形とどめぬ夏休み
前橋山王小6年 南雲 優介
外出るが夏の暑さがおしかえす
前橋月田小6年 北爪すず花
ぼくが弾くピアノの音色も夏休み
前橋二之宮小6年 榛沢 陽成
学校に笑顔が集まる新学期
前橋細井小6年 小林  暉
山登りふりかえったら雲の上
伊勢崎赤堀東小6年 中山 光流
秋近し葉を駆けぬける風の音
渋川赤城北中2年 青木 未来
犬の舌だらりとたれた暑さかな
東吾妻太田中2年 田村 瑛登
天高し鳥も届かぬ明日の空
渋川赤城北中3年 石田 彩音
麦わら帽深く被りて君に会う
渋川赤城南中3年 金子  曜
梨を食べ家中広がる秋の音
渋川小野上中3年 鈴木ひかり