鈴木伸一選

2013年10月3日上毛新聞掲載


夏の風俳句を2つ覚えたよ
伊勢崎赤堀小5年 渡辺 結南
【評】どんな俳句を覚えたのでしょうか。いずれにせよ、ふだんから俳句に親しんでいるというのは、とても大事です。
あきのかぜわたしのうでをはしってく
前橋大胡東小6年 伊瀬谷柚希
【評】さらりとした気持ちのいい風の感触を、うまく表現しました。他の季節の風にはない、秋ならではの感触ですね。
祖母の家落ち着きねむる秋の昼
伊勢崎赤堀東小6年 中島 瑞樹
【評】祖母の家では落ち着いて、ゆっくりと眠ることができるのです。きっと、豊かな自然に囲まれているのでしょう。
歩くたび落ち葉の数が増えている
高崎中尾中1年 石井 柚有
【評】それだけ、秋が駆け足で深まってゆくということでしょう。季節感を、自分の目を通してとらえたところがいい。
初秋に気持ち切り替え朝読書
高崎中尾中1年 木戸菜々美
【評】「初秋」は、「はつあき」と読みます。読書の秋というように、本に親しむにはもってこいの季節の到来です。
空は晴れ始業のベルが今日も鳴る
下仁田中1年 神戸 小雪
【評】晴れた空に、きょうも授業の始まりを告げるベルが鳴る。そんな当たり前のことが、なぜか幸せに思えてきます。
教科書がしめって重い雨の朝
渋川小野上中2年 斎藤 渓太
【評】実際に教科書が湿っているということもあるかもしれませんが、それ以上に、心理的な「重さ」を感じますね。
秋風を先導している蜻蛉かな
渋川赤城北中3年 望月 美紅
【評】トンボが飛んで、そのあとを秋風がすうっと吹き過ぎてゆく。確かに、トンボは秋という季節の先導役なのです。
透明な水彩絵の具で秋の空
東吾妻太田中3年 阿部なつ美
【評】透明なら見えないでしょう、というのは理屈。俳句も含めた表現芸術は、見えないものを心の目で見るのです。
通学路真っ赤な花に風が吹く
前橋大胡東小5年 田部井恵介
彼岸花ストローみたいなくきしてる
前橋駒形小5年 赤沢 杏奈
すずしくなり日なたも少し気持ちいい
前橋山王小5年 広岡 真由
秋風よぼくらこてきの一員だ
高崎馬庭小5年 江原 彰慶
ロッカーの上には水着夏終る
伊勢崎赤堀小5年 安部 心寧(ここね)
習字して手にすみがつく秋の風
伊勢崎赤堀小5年 山岡 優花
机向かいけいろうの日の手紙かく
伊勢崎赤堀東小5年 いづか希美
うしろからしずかにふいてる秋の風
渋川古巻小5年 斎藤 可菜
真っ青な気持ち休まる秋空だ
玉村小5年 石原ロバート龍
かねが鳴る一番星が見える頃
片品武尊根小5年 星野 鈴佳
秋が来るもうしまおうか夏の音
前橋細井小6年 斉藤 彩乃
夕一人私と似ている蜻蛉かな
館林三小6年 山下  夢
猫じゃらし猫より人に使いけり
前橋七中1年 栗原 正明
勉強を爽やかな朝に始めよう
高崎中尾中1年 本多絵梨歌
台風が去ったあとに小鳥鳴く
高崎中尾中2年 長井 敬宜
秋が来た五感ですべて楽しめる
高崎中尾中2年 松田 響加
すず虫が雨にまぎれて鳴いている
渋川赤城北中2年 中島 朱音
星月夜我は両手を広げたり
渋川小野上中2年 佐藤このみ
残暑続くまた眠くなる夜になり
吉岡中2年 赤尾 美和
おかえりと呟く父の背中かな
東吾妻太田中2年 川岸 美輝
ベランダのグリーンカーテン幕閉じる
渋川小野上中3年 横尾杏之介(あんのすけ)
冷やかな風の口笛秋の歌
渋川赤城南中3年 女屋 祐奈
夕月夜みんな等しく照らしてる
東吾妻太田中3年 篠原 莉乃