鈴木伸一選

2013年10月17日上毛新聞掲載


徒競走くつひも何度もチェックする
前橋山王小5年 上村 考輝
【評】「何度も」という一言に、走る前の緊張感がよく出ています。読んだ私まで、何だかドキドキしてくるようです。
友達がぼけっとしてる秋の暮
伊勢崎赤堀小5年 伊藤 琢麿
【評】「ぼけっとしてる」といっても、そこに悪気はなく、むしろ親しみが感じられます。ユーモアがある点もいい。
校庭をはだしで歩く秋の空
伊勢崎赤堀小5年 山岡 優花
【評】運動会の情景かと思います。足の裏に伝わってくる土のやわらかな感触は、たいへん気持ちのいいものですね。
自画像がニコニコわらう秋の風
伊勢崎赤堀小5年 吉田まいな
【評】吉田さんの明るい性格が、自画像にも表れているのでしょう。読者も思わず笑顔になる、とても楽しい俳句です。
読書中ふわっと入る秋の風
前橋細井小6年 西村 千咲
【評】本を読んでいたら、窓から優しい風が入ってきたのでしょう。「読書の秋」にふさわしい、心安らぐ俳句です。
秋の蝶草から草へ低くまう
水上小6年 伊尾木沙都
【評】春や夏に比べ、だんだんと力が弱まってきた秋のチョウ。「低くまう」というところに、それがよく表れています。
テスト前のんきに吹いてる秋の風
東吾妻太田中2年 大塚 稜太
【評】自分が焦っている分、周りのものがのんきに映るということもあるでしょう。そんな屈折が感じられるようです。
神無月葉っぱが一枚落ちてゆく
東吾妻太田中2年 水出 亜友
【評】神無月は、出雲以外では神様が不在になるわけで、どこか空白感が漂います。そんな中、1枚の落葉らくようが印象的。
夕暮れに帰った父の肩に籾
渋川赤城南中3年 金子  曜
【評】刈った稲を脱穀すると、もみ殻が出ます。お父さんの肩に付いたもみ殻に、一日の作業の大変さを思う作者です。
ときょう走負けるもんかとかげ走る
前橋大胡小5年 黒崎るみね
先生はじゃんけんよわい秋の雨
伊勢崎赤堀小5年 新井  栞
とうの上少しこわいな天高し
伊勢崎赤堀小5年 諸田みのり
秋の空今日の天気はあやふやだ
伊勢崎赤堀小5年 渡辺 結南
クワの木のはっぱがほんのり秋の色
伊勢崎赤堀東小5年 滝沢 彩音
満月を見てるねこの目まんまるだ
伊勢崎坂東小5年 黒沢 夢花
はちまきに流れる汗は光ってる
渋川中郷小5年 木暮 沙耶
かきの実を色こく照らす夕日かな
渋川古巻小5年 中沢 壮吾
きぬの里秋のようせい笑ってる
沼田升形小5年 宮沢 一生
運動会仲間の声が風に乗る
高崎国府小6年 宮崎 怜央
新人戦飛び交う掛け声秋の風
前橋南橘中1年 斉藤 優維
アルバムを数枚めくれば秋になる
東吾妻太田中1年 田中  僚
長袖が少し重たい衣替え
下仁田中1年 小林明日香
ラケットを太陽めがけ振り下ろす
渋川赤城北中2年 茂木  梓
寝不足の私を笑うコスモスや
渋川赤城北中3年 茂木 亜美
夕焼が部屋の中まで染めている
渋川赤城南中3年 永井 冴依
秋空の花鳥風月友にする
東吾妻太田中3年 松井 孝太