鈴木伸一選

2013年11月28日上毛新聞掲載


かきの木の上下にポツンとかき2つ
前橋二之宮小5年 篠田 丈(たける)
【評】木の上と下に、ぽつんと残ったカキの実二つ。どうして残ったのかは分かりませんが、何とも印象的な光景です。
赤い花雨つぶついた秋の日だ
伊勢崎赤堀小5年 千本木萌香
【評】赤い花といえばサルビアなどが思い浮かびますが、この句はまず、「ア」の音のくり返しによるリズムが印象的。
ワックスでろうかがすべる秋の朝
伊勢崎赤堀小5年 山岡 優花
【評】学校生活を通して、秋の季節感をとらえたところがいい。ワックスがけをした廊下の光まで見えてくるようです。
風は今かれはと一緒におどってる
前橋大胡東小6年 伊瀬谷柚希
【評】いま、まさに目の前で枯れ葉と風が踊っている様子が見えてくる、臨場感のある俳句です。上五の表現がうまい。
秋の風通りぬけてく寺の道
伊勢崎赤堀東小6年 松木田莉奈
【評】修学旅行の俳句でしょうか。多くの観光客が行き交う鎌倉の寺の参道を、さわやかな秋風が吹き抜けてゆきます。
帰り道秋のくすんだ風がふく
伊勢崎宮郷二小6年 尾崎 知奈
【評】一般的に「くすむ」は色の状態などを表す言葉ですが、ここでは秋風について言っています。ある種の詩的表現。
教室のストーブついた朝の会
東吾妻太田中2年 荻原 莉聖
【評】学校生活の一こまをさらりと描いただけのように見えますが、実はしっかりと冬の季節感がとらえられています。
紅葉のあいだに見える浅間山
長野原東中3年 新井 華雪
【評】学校行事で北軽井沢へ行ったようです。紅葉に染まった木々と、晩秋の浅間山の美しさを、正攻法で描きました。
冬が来る合図は焼きいも屋さんかな
前橋駒形小5年 赤沢 杏奈
体育の日あまり動かず秋の雨
伊勢崎赤堀小5年 安部 心寧(ここね)
すいとうがおきっぱなしだ暮の秋
伊勢崎赤堀小5年 林  愛菜
明日から三連休だ秋の風
伊勢崎赤堀小5年 渡辺 結南
持久走水が飲みたしゴール前
伊勢崎坂東小5年 落合 愛名
ひえた風どこかで雪がふったかな
前橋下川淵小6年 谷口 愛吏
暗くても白い息ははっきりと
高崎多胡小6年 神保 陽菜
さむいのに犬はさんぽにいきたがる
伊勢崎赤堀東小6年 新井 隼人
霜がつき金剛石のたからばこ
伊勢崎宮郷二小6年 清水 凜乃
秋の葉がイルミネーションみたいだな
館林三小6年 飯塚さやか
秋の日に歴史と今をつなぐ旅
榛東南小6年 北爪 日和
校庭はあしあといっぱいマラソンで
甘楽福島小6年 鈴木 凜花
期末前あせる気持ちに雪が舞う
東吾妻太田中2年 曽我 朱音
友達の後をついてく落ち葉達
長野原東中2年 冨沢 徹朗
台風の渦を消したい消しゴムよ
前橋五中3年 福田 智佳
バスの窓外を見ている顔二つ
渋川赤城南中3年 津久井聡美