鈴木伸一選

2013年12月26日上毛新聞掲載


冬の朝鉄ぼうにぎりさか上がり
前橋山王小5年 細矢 亜依
【評】冬の朝なので、鉄棒はとても冷たかったことでしょう。でも、それをものともせず、元気よく逆上がりをします。
アイソンが冬の夜空にちっちゃった
前橋宮城小5年 佐藤  楓
【評】みなが期待していたアイソン彗星(すいせい)ですが、太陽の熱でこわれてしまったと考えられています。本当に残念ですね。
おばあちゃん詩集読む場所陽があたる
渋川古巻小5年 斎藤 可菜
【評】文学好きのおばあちゃんは、いつも同じ場所で本を読んでいるのです。そこは日当たりのよい、暖かな場所です。
通学路あかぎおろしが飛びまわる
前橋大胡小6年 長谷川璃穂
【評】冷たい赤城おろしが勢いよく吹いている様子を、「飛びまわる」と表現しました。学校への行き帰りも大変です。
妹のすわったところあったかい
前橋下川淵小6年 石川 実莉
【評】さっきまで妹さんが座っていた所に、そっと手を触れてみた石川さん。それだけで、姉妹の心がつながります。
雨やんで日の当りたる帰り花
高崎中尾中1年 小池 悠月
【評】情景のとらえ方といい言葉遣いといい、大人顔負けの俳句です。帰り花に残った雨のしずくまで見えてきます。
霜降りて空が明るく見える朝
東吾妻太田中1年 湯本 麻奈
【評】霜が降りた朝は、気温が下がった分、かえって空気がぴんと張り詰め、空の明るさも増してくるように思えます。
坂道が長く感じる師走かな
東吾妻太田中2年 茂木 羅奈
【評】心にわだかまるものがあったりすると、いつも通る坂道も、やけに長く感じられるのです。「師走」が効果的。
大箱でリンゴが届く冬がくる
渋川赤城南中3年 津久井聡美
【評】「林檎(りんご)」は晩秋の季語になっていますが、近づく冬を連想させる働きもあるようです。「大箱」が印象的ですね。
消しゴムの冷たさしみる受験生
東吾妻太田中3年 水出 怜歩
【評】気温が下がれば実際に消しゴムも冷たくなりますが、この句は、むしろ心理的な冷たさという面が強いでしょう。
大いちょう絵にしてみると全然ちがう
前橋永明小5年 芦田 香音
大きな木もうふをかけて冬じたく
前橋桂萱小5年 後藤 颯太
北風とにらめっこする登校班
前橋駒形小5年 赤沢 杏奈
知恵の輪だこたつの中で足からむ
前橋山王小5年 上村 考輝
庭にでてみあげてみれば冬の色
前橋下川淵小5年 細野みのり
ゆげ立てて熱熱シチュー冬の朝
前橋月田小5年 鎌塚 康生
左右から落ち葉がまって手のなかに
高崎片岡小5年 有馬 夏海
初雪の音なき音に耳すまし
高崎佐野小5年 中川美桜子
たん生日真っ赤ないちごのショートケーキ
高崎乗附小5年 小此木凜香
カレンダー冬の季節は速いよね
前橋朝倉小6年 寺尾 卓磨
ふり返り夕日がしずむ帰り道
前橋大胡小6年 高橋  碧
緑から赤へ変わったまどの外
赤城養護小児医療センター分校小6年 堀口 心愛
寒い秋紅葉の色があたたかい
東吾妻太田小6年 鶴谷  峻
初雪だ雪を追いかけみんな笑う
片品南小6年 宮田 知幸
クリスマス何か後悔ゆれる星
前橋南橘中1年 斉藤 優維
夜更けて夜空が一面冬になる
高崎中尾中1年 今井 涼雅
そで口から冷たい風が侵入中
伊勢崎境北中1年 遠藤 美雪
日なたにはねこといっしょにぼくがいる
東吾妻太田中1年 飯塚 貴教
よせなべの具の取り合いが家族の輪
東吾妻太田中1年 須田 賢司
しもがおり下仁田ネギはうまくなる
下仁田中1年 藤田 直樹
テスト後のカバンの軽さについ跳ねる
渋川赤城南中2年 今井美奈代
ラケットに太陽光る朝部活
東吾妻太田中2年 広瀬 風人