鈴木伸一選

2014年2月20日上毛新聞掲載


カルタ取りあしがしびれて前のめり
前橋上川淵小5年 田村日向子
【評】「前のめり」という表現にたいへん実感があるので、その場の様子が、よく分かります。俳句には、これが大事。
冬のえきキップをかって春のえきへ
前橋山王小5年 笠原  煕(ひかる)
【評】冬から春へと季節が移り変わってゆくのを、駅で切符を買い替えるというたとえで描きました。楽しい発想です。
寒そうな顔して体育冬の風
伊勢崎赤堀小5年 工藤ひかり
【評】冷たい風の中での体育は、なかなか大変です。学校生活を通して、冬の季節感がしっかりとらえられています。
足音で目覚める教室冬の朝
渋川古巻小5年 中沢 壮吾
【評】冬の朝。登校してくる子どもたちの元気な足音が聞こえるにつれ、眠っていた教室も目覚め、一日が始まります。
かぜをひき母のおかゆはあったかい
前橋細井小6年 井野 修平
【評】病気のときは、お母さんの愛情をあらためて感じますね。素直な書き方から、お母さんへの感謝が伝わります。
空高く鳥が飛び立つ冬の朝
伊勢崎赤堀東小6年 上野日葉理
【評】よく晴れた、すがすがしい冬の朝でしょう。空高く飛び立った鳥は、夢や希望の象徴であるのかもしれません。
雪の中自分が小さくなったよう
東吾妻太田中1年 茂木捺々穂
【評】雪の中にいると、確かに感覚が普段とは異なった働き方をします。自分という存在も、違って見えてくるのです。
休みの日ココアでくもる眼鏡かな
下仁田中1年 佐藤 太星
【評】休日ならではの、ゆったりした心持ちが、とてもよく伝わってきます。眼鏡の曇りも、さほど苦にならない感じ。
鳥の声見上げればもう春の歌
渋川赤城南中3年 女屋 祐奈
【評】鳴く鳥の声にふと上を見れば、すがすがしい空が広がり、鳥たちはもう春を告げる歌を歌っているかのようです。
咳一つ午前零時の受験生
渋川小野上中3年 中沢 大樹(ひろき)
【評】夜遅くまで受験勉強に励む作者。辺りの静寂を破るかのように一つ、せきをしたのです。それが、とても印象的。
冬の朝時が止まった廊下かな
東吾妻太田中3年 松井 孝太
【評】作者は朝早く登校したのでしょう。まだ生徒の姿はほとんどなく、寒い廊下は、時間が凍りついたかのようです。
畑から見た冬げしきあさま山
前橋大胡小5年 北爪笑美菜
生まれた日小雪ちらちらふっていた
前橋上川淵小5年 谷川 小雪
ブランコを風といっしょに二人乗り
前橋山王小5年 松下 友樹
時計のはり少しずれてる冬の暮
伊勢崎赤堀小5年 原  菜月
登校班足踏みしながら待っている
渋川古巻小5年 斎藤 可菜
ゆきの田に犬の足跡円描く
前橋山王小6年 南雲 優介
登校班顔が赤い一年生
前橋細井小6年 粕川愛巳里
妹が人形だいてねむる冬
高崎馬庭小6年 吉田 彩香
ぼくのこと無数の星が見つめてる
伊勢崎赤堀東小6年 関谷 拓海
しもばしら自分の足を遊ばせる
伊勢崎境采女小6年 松島 歩夢
雪山を遠くながめてのんびりと
伊勢崎宮郷二小6年 小倉那佳子
この冬に初めて百点取りました
千代田東小6年 小島 佑人
寝過ごして春の近さを感じとる
前橋南橘中1年 斉藤 優維
部活中日なたを探す寒さかな
東吾妻太田中1年 高野  雄
からっ風下仁田町を駆け抜ける
下仁田中1年 森下  竣
マフラーに顔をうずめてバスを待つ
渋川赤城南中2年 須田 真琴
青空に背伸びしている雪山よ
東吾妻太田中2年 宮崎 皓樹
受験会場時計に視線が集まって
前橋五中3年 福田 智佳
春の色明日が過ぎれば手が届く
渋川赤城南中3年 斉田 実来
乾燥肌チクチク刺さる冬の風
東吾妻太田中3年 荒木 真帆