鈴木伸一選

2014年5月1日上毛新聞掲載


妹がサクラの下で笑ってる
伊勢崎赤堀東小5年 田中 陽成
【評】満開とは書いてありませんが、やはり満開の桜がいいですね。その下で笑う妹さんの、何とかわいらしいこと。
新しい教室今日から六年生
前橋細井小6年 堤  彩音
【評】教室も変わり、きょうからいよいよ6年生のスタート。小学校最後の1年間を、すばらしいものにしてください。
春の風手伝ってくれたさかあがり
高崎多胡小6年 神保 隼人
【評】なかなかできなかった逆上がりが、やっとできました。暖かな春風が、手伝ってくれたように感じられたのです。
花吹雪春のかけらがふってくる
高崎新町中2年 石井 莞太
【評】桜の花びらの一枚一枚が、春という季節のかけらだというのです。季節感を、目に見える形でとらえたのがいい。
葱坊主影にぬくもり感じけり
吉岡中3年 田村 優気
【評】葱坊主は、見るからにユーモラスで心の和む姿をしています。地面に映った影にも、同じ印象を受けるのです。
桜の木ささやくように花散らす
甘楽二中3年 清水 花恋(かれん)
【評】「ささやくように」は、散り始めの、はらはらと舞う花びらの様子でしょう。作者の繊細な感性がうかがえます。
自転車で桜の中をゆっくり走る
前橋荒牧小5年 白山 快斗
何年生と聞かれてとまどう春休み
前橋下川淵小5年 中林 愛佳
カレンダー猫の写真だ風光る
伊勢崎赤堀小5年 千本木萌香
雨あがりつばめ巣作り始めたよ
藤岡二小5年 細谷 悠衣
たくさんの班にかわいい一年生
前橋永明小6年 斉藤  萌
山の中光り輝く山桜
高崎多胡小6年 江原 大輝
たんぽぽに応援されてる通学路
高崎馬庭小6年 佐藤 真於
たくさんの子どもと花がわらってる
榛東北小6年 一倉 武尊
引っ越しだ気分も風も春になる
前橋南橘中1年 斉藤 優維
春の夢は星新一の物語
伊勢崎境北中1年 遠藤 美雪
桜の木集合写真の真中に
渋川中1年 川内 颯誠
部活中コートの隅に土筆生え
渋川小野上中2年 小野 玲奈
汗光る桜の下で部活する
東吾妻岩島中2年 高橋  岳
シャボン玉息いっぱいに吹いてみた
吉岡中2年 長沼 魁大
桜散り緑溢れる雄川堰
甘楽二中2年 関口 優香
桃色の空気の中で山笑う
東吾妻太田中3年 町田 南香
部活中桜の花舞うグラウンド
甘楽二中3年 宗意 英樹
【総評】新年度が始まって3週間あまり経過し、新たにジュニア俳壇へ投稿を始めようとお考えの学校もあると思います。そうした学校が増え、ジュニア俳句のすそ野が広がってゆくのは、たいへん望ましいことです。なぜなら、俳句には想像以上に大きな教育的効果が期待できるからです。児童・生徒への俳句指導を通して表れてくるこの効果を、私は戦国大名、毛利元就の有名な話「三本の矢」になぞらえて、「俳句指導三本の矢」と名付けました。
 一の矢「いつでもできる」
 授業の始めや終わりの5〜10分もあれば指導が可能
 二の矢「どの子もできる」
 成績、発達に関係なく、だれでも書ける 三の矢「自信を持たせる」
 作った俳句を評価されることで、子どもに自己肯定感が生まれる
 ここでは、その詳細を述べるだけのゆとりはありませんが、右の3項目を見るだけでも、おおよそのイメージはつかんでいただけるでしょう。
 今後、折に触れ、この3点について述べてゆきたいと考えています。
(学校・学年は投稿時のものです)