鈴木伸一選

2014年6月12日上毛新聞掲載


花火見て炎色反応考える
前橋岩神小5年 西原 英貴
【評】金属が無色の炎の中で特有の色を発するのが炎色反応。こうした化学用語が俳句になるなんて、びっくりです。
つりをしたうきはしずまず日はしずむ
前橋山王小5年 丸山 天生
【評】日が沈み始めても、まだ魚は釣れません。「しずまず」と「しずむ」の対照がユーモラスで、印象に残ります。
学校に草笛ふいて歩いてく
伊勢崎赤堀東小5年 森田 惇史
【評】草笛をふきながらの登校風景。のどかで、伸び伸びとした気分が伝わります。ちなみに、「草笛」は夏の季語。
夏の朝ぐんぐんのびるインゲンが
伊勢崎赤堀南小5年 外丸 碧唯
【評】伸びやかで、勢いのある表現が気持ちいいですね。夏は生命力あふれる季節だということが、よく分かります。
ランドセル小さなせなかをつつみこむ
前橋大室小6年 大沢 李多
【評】多分、1年生の様子でしょうね。ランドセルが、その小さな背中を優しく守っているかのように見えたのです。
えん筆が小指の長さ春の風
伊勢崎赤堀小6年 原  菜月
【評】鉛筆だけでなく、ものを大切に使うというのは、たいへんいいことです。そういう姿勢が、俳句にも生きます。
もんしろ蝶楽しき風を運んでく
高崎中尾中1年 都丸 陽菜
【評】軽やかに舞うモンシロチョウを見ていると、心が自然に弾んできます。吹く風も、何だか楽しそうな感じです。
夏草にまだ沈まない夕日かな
東吾妻岩島中2年 関 亜友美
【評】前景に、茂る夏草。後景に、まだ沈まない夕日。季節感あふれる自然の景観を、正攻法で描いたところがいい。
颯爽と走り抜けてく初夏の風
東吾妻太田中3年 川岸 美輝
【評】すがすがしい初夏の風は、まさにさっそうと走り抜けてゆく印象。そこに青春性が感じられるのもいいですね。
キャベツの葉水がのっても落ちないよ
前橋天川小5年 さとうまいね
夏のよるわたしをきれいに包みこむ
前橋荒牧小5年 武井 陽香
民家園草を取ったら春の風
前橋大室小5年 山越 春輝
公園を風と一しょに走ったよ
高崎城山小5年 江端 流佳
弟が育てたいちごあまかった
伊勢崎赤堀東小5年 黒崎 郁弥
春の朝宿題直しがのこってる
伊勢崎赤堀南小5年 いいづか大介
チューリップシュートはずしてがっかりだ
前橋岩神小6年 国峯  丈
六時間テストで終わる春深し
伊勢崎赤堀小6年 安田 彩珠(あみ)
えんぴつが止まっているよ春の昼
伊勢崎赤堀小6年 渡辺 結南
リズムよく母が切ってる春キャベツ
渋川古巻小6年 斎藤 可菜
桜散り校庭少し静かだな
片品武尊根小6年 星野 結女(ゆめ)
全員でよいしょと登る夏の山
伊勢崎宮郷中1年 渡辺 雲恵(もえ)
風薫るだから大きく深呼吸
伊勢崎境北中2年 遠藤 美雪
校庭も緑に染まる五月かな
渋川赤城南中2年 下田明佳里
夕立で雨のにおいがツンと来て
渋川小野上中2年 吉沢めぐみ
黄昏に夏草の横を通る影
東吾妻岩島中2年 水出 暁登
まっ青に空を広げて夏の朝
水上中2年 鈴木るうか
菜の花が揺れて揺られる私の目
高崎中尾中3年 江戸 瑞葵