鈴木伸一選

2014年8月21日上毛新聞掲載


夏の風ドッチボールに急ぎ足
伊勢崎赤堀南小5年 石川 一輝
【評】少しでも早くドッジボールがしたくて、急ぎ足になってしまうのです。学校生活が生き生きと描かれています。
お父さん汗かきはたふり夏の朝
伊勢崎赤堀南小5年 神沢明日香
【評】朝の交通当番で、お父さんが汗を流しながら旗振りをしています。お父さんに感謝して、元気に登校しましょう。
雲の峰走っていってもおいつけず
伊勢崎あずま小5年 菊池 真結
【評】大きく盛り上がった入道雲。むろん、追いつけないことは分かっていますが、それでも走ってみたくなるのです。
夏の風あみどのすきまをはしってく
高崎城山小6年 池田 聖子
【評】網戸にすると、風がよく通って涼しいですね。「はしってく」という表現で、その感じをうまくとらえています。
色々な勾玉きれい夏の風
伊勢崎赤堀小6年 須藤 咲帆
【評】まが玉は古代の装身具。さまざまな色があって、たいへんきれいです。「夏の風」との取り合わせもいいですね。
ひまわりが金色の光解き放つ
伊勢崎赤堀東小6年 滝沢 彩音
【評】「解き放つ」という思いきった表現が、夏の日差しを浴びて咲き誇るヒマワリに、たいへんよく合っています。
カーテンが大きく吸い込む夏の風
渋川古巻小6年 中沢 壮吾
【評】強めの夏の風にあおられて、カーテンがはためきます。カーテンが生きて呼吸をしているかのように見えます。
海の日に海には行かずプール行く
中之条小6年 篠原 伶奈
【評】群馬県には海がないので、とりあえず、手近なプールで我慢するというわけです。ユーモラスな「海の日」の句。
風ふいて風鈴のなる遠き空
高崎中尾中2年 新井 海斗
【評】風鈴の音にじっと耳を澄ますと、目は自然と遠くを漂うような感じになります。「遠き空」が巧みな表現です。
天の川カムパネルラの声がする
伊勢崎境北中2年 遠藤 美雪
【評】カムパネルラは、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に登場する子。悲しくも美しい物語を、うまく俳句にしました。
炎天下坂道の上に影二つ
伊勢崎宮郷中3年 飯森  葵
【評】これは、作者たちの影とも、坂の上のだれかの影を、作者が見ているとも読めます。そこが俳句の面白さです。
草の道観察中ですかたつむり
前橋桂萱小5年 丸山 和華
友達と自由研究夏休み
伊勢崎赤堀小5年 福田 れな
七夕のかざりを見せてと月が出た
伊勢崎赤堀東小5年 高柳 聖奈
じいちゃんちあみどにクワガタとまってた
伊勢崎赤堀東小5年 三浦 唯菜
車の下のらねこ一ぴきえん天か
伊勢崎赤堀南小5年 梅田菜々子
足元にきれいな貝がら夏の海
伊勢崎赤堀南小5年 小林 萌華
雷で一年生が泣いている
伊勢崎赤堀南小5年 鈴木 知裕
海入りむこうに見えるは佐渡島
伊勢崎あずま小5年 狩野 泰加
雨がふり入道雲はいそがしい
伊勢崎境采女小5年 加藤 璃瑠
貝の中波の音がつまってる
藤岡美土里小5年 北野 晴信
大けやきみんなと一緒の夏休み
前橋大胡小6年 蟻川 莉央
夏休み太陽一番光っている
前橋細井小6年 栗田 桃佳
星すずしクジャクが羽をひろげてる
伊勢崎赤堀小6年 石川 礼菜
目の前に赤城が大きく見える窓
渋川古巻小6年 斎藤 可菜
水ばしょうたくさんさいてえんそくだ
富岡額部小6年 越川 心彩
ひまわりが空に向かっていい笑顔
中之条小6年 中島 莉子
戦争よなくなれ七夕に願う
前橋南橘中2年 斉藤 優維
夏座敷静かに過ぎる晴れた空
高崎中尾中2年 熊谷凌太郎
風鈴の音が鳴るたび目をつぶる
高崎中尾中2年 阪本 香緒
夏の日の思い出描こう何度でも
伊勢崎宮郷中3年 佐々木萌香
日の光プールの底まで映しだす
伊勢崎宮郷中3年 谷  綾乃