鈴木伸一選

2014年11月27日上毛新聞掲載


枯れ葉散る乾いた空の下走る
高崎商業高2年 中島 百恵
【評】長距離走大会の様子でしょうか。初冬の乾いた空気感がよく伝わるとともに、足音も印象鮮明に聞こえてきます。
秋晴れで集中できない授業中
高崎商業高2年 大畠芙柚香
行列で落葉走りて音走る
高崎商業高2年 清水安理沙

【総評】上毛ジュニア俳壇では、季語のない無季俳句も、優れた内容であれば入選しますが、一方で、季語がないことによって作品が説明的なものになってしまっているケースも、しばしば見られます。
 具体例を挙げると、「体育館響く歌声合唱祭」(中1男子)という作品がありますが、この場合、「体育館」という場所を示す言葉がなくとも、句を味わう上では、さほど影響はありません。合唱祭が行われている場所は、読み手が自由に想像すればよいし、また学校行事ということを考えれば、場所は体育館であろうと想像するのが、むしろ自然でもあるでしょう。つまり、「体育館」は説明的な言葉ということになります。特に、学校行事などをテーマにした場合、作者がその詳細な様子を読み手に伝えたいと思うあまり、つい説明的な言葉を多用しがちです。そして、その結果、作品に季語が入る余地がなくなってしまうわけですが、ぜひとも、ここで「説明を省く」ことの大切さを感じ取ってほしいと思います。
 例えば、上五の部分に「さわやか」という秋の季語を入れ、「さわやかに響く歌声合唱祭」とするだけで、ぐんと俳句らしい印象が増すでしょう。むろん、これは一例ですので、みなさんもいろいろな季語を入れて、その効果を確かめてみてください。