鈴木伸一選

2015年7月30日上毛新聞掲載


夕焼けやわたしも猫も足を止め
前橋育英高2年 金子  曜

【総評】今週は前橋桂萱小の児童の俳句が多く入選していますが、これは私が同校で授業を行ったときに作ったものです。もちろん、授業を行ったから優先的に選んだなどというようなことはなく、あくまでも作品が優れていることによる入選であるのは言うまでもありません。
 しからば、そうした作品を授業の限られた時間内(同校では、各クラス1時間ずつでした)で子どもたちに少しでも多く書かせるには、どうしたらよいでしょうか。むろん、いろいろな方法が考えられますが、今回、私が試みたやり方の一端を紹介し、先生方のご参考に供したいと思います。
 それは、あらかじめ用意した「夏の空」「さくらんぼ」「雨がえる」という季語を書いた紙と、「ボール」「学校」「友だち」という季語以外の言葉を書いた紙3枚ずつを裏返しに掲示し、それをそれぞれ子どもに任意に選ばせ、選んだ言葉同士を使って俳句を作る、私が「くっつけ俳句」と呼ぶ方法です。今回は、たまたま1年生、5年生とも「夏の空」と「学校」、「雨がえる」と「ボール」、「さくらんぼ」と「友だち」という組み合わせを選びましたが、当然、そのときによって9通りの組み合わせができます。ここには偶然性によるゲーム的要素もあり、子どもたちの関心を引くには効果的です。ただし、どの組み合わせになっても子どもが俳句的イメージを頭に描きやすいよう、前もって言葉を慎重に選んでおく方がいいでしょう。また、枚数も3〜4枚ずつ程度が適当と思われます。
 この方法は、題材を限定することで、子どもたちがあれこれ迷わずに短時間で俳句を書けるという利点がある反面、題材が限られることで、類想句が多くなるという点が懸念されましたが、作品を見る限り、その心配はあまりないようです。
 もとより、いつもこの方法というわけにはいかないでしょうが、ときに、こうした遊びの要素も取り入れながら、子どもたちが継続的に俳句づくりを行ってゆける工夫をしていただければと思います。