鈴木伸一選

2015年8月27日上毛新聞掲載


ゆったりと明るい未来へ平泳ぎ
前橋西高3年 角田 彩那
【評】平泳ぎって、確かにゆったりとした感じ。こんなふうに慌てず騒がず、未来へ向かって行けたらいいと思います。
待ちすぎてアイスコーヒー溶けちゃった
前橋西高3年 田中 菜央
朝顔は君より早く起きている
前橋西高3年 鳥山 大輝

 【総評】夏休みが終わると、その思い出を俳句にしてみようと考える人も多くなることでしょう。その際、参考になりそうな面白い提案が書かれている本がありましたので、少し紹介してみます。
 それは、「夏休みのことを“夏休み”という言葉を使わないで俳句にする」(『どの子もできる10分間俳句』小山正見・学事出版)という趣旨の提案です。これは何でもないことのように思えますが、実はたいへん重要なポイントを押さえています。どういうことかと言うと、みなさんが「夏休み」のことを俳句にするとき、まず575の最初の5文字に、「夏休み」と置く場合が多いのではないでしょうか。もちろん、これでもいいけれど、ただ、この形だと、続く7文字・5文字の部分で、どうしても「夏休みにどこへ行った。何をした」という“説明的”な書き方になってしまいがちなのです。説明が入ると、やはり俳句が何となく平凡な感じになってしまいます。
 ともかく、たった17文字しかない俳句では、あれこれと説明することはできるだけ避け、大事な点だけをずばりと書くのが一番いいのです。なので、あえて「夏休み」という言葉を使わず夏休みのことを書くのは、説明を省く上で、たいへん良い方法なのです。それに、何より「夏休み」と言わずに夏休みの様子を伝えるためには、いろいろと言葉を探して選び、表現を工夫することが必要になりますから、これがみなさんにとって、すごくためになるのです。
 なお、この方法は「運動会」などにも応用できるので、試してみてください。