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1)、タンポポがきらいなもの。 5月2日に、日本テレビ(NTV)の中継車が、群馬県北部の、この新治村の山里に来て、ニュースキャスターの井田由美さんとの対談形式で、埴沙萠の植物の世界の一部を放映しましたが、それを見た人から、次のようなお便りがきました。 「TVのなかで、埴沙萠さんは、畑の草取りをしている奥さんに、カラスノエンドウは取ってもいいけど、オオイヌノフグリは取らないでと言っていましたが、なぜですか」 よくもまあ、そんなことまで聞いていて下さったと驚きました。もちろん、さっそく返信を書き送りました。 オオイヌノフグリは、茎が地面を這ってのびるだけなので、タンポポの上に覆いかぶさって、タンポポを枯らすことはないのですが、カラスノエンドウは、 巻きひげでまわりの草につかまって、つる茎をぐんぐんのばして、タンポポに覆いかぶさって、枯らしてしまいます。 |
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西洋タンポポの花 | 夏の草むら(左写と同じ場所) |
4月のはじめ、畑の土手で撮影しました。 カラスノエンドウがのびてきています。アレチノギクも葉をひろげてきました。 |
4月にタンポポの花が咲いていた土手の、同じところです。この草むらにタンポポが埋まっています。次の年の春、タンポポの花は咲きませんでした。 |
そんなわけで、タンポポが好きなわたしは、カラスノエンドウを抜いているのですが、タンポポを枯らすのは、カラスノエンドウだけではありません。 ヒメジオン、ヨモギ、など背丈の高い草が生い茂ると、タンポポは溶けて枯れてしまいます。 タンポポは、まわりの草に覆いかぶさられて、日があたらなくなったり、風とおりが悪くなって蒸れたりすると枯れてしまいます。そのような草を刈ってくれる「ヒト」がいないと、タンポポは暮らしてゆけないと思います。 |
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2)、タンポポのクローン 草を刈るとき、タンポポの葉をいっしょに刈ってしまっても、タンポポは、へいきです。 タンポポの、芽や花をつくる生長点は、根の首のところにありますが、たいてい地面すれすれか、地面より下にあるので、その生長点まで刈られることは、めったにありません。 もし、草刈機などで根の首にある生長点を、切り取られても、タンポポは、へいきです。 生長点の無くなった根の切り口から、芽を出して葉をひろげて、もとどうりの姿にもどることができます。 また、耕耘機で畑をたがやすとき、タンポポのゴボウのような太い根を掘りおこされたり切りきざまれても、それでもタンポポは、へいきです。 タンポポの根は、長さ2センチくらいまでなら、小さく切りきざんでも、切られたそれぞれの根から、芽や、ひげ根を出して、やがて、1本のタンポポになることができます。そう、タンポポのクローンができるわけです。やはり、タンポポはヒトがすきだろうなと思います。 |
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根の首のところに茎があって、その先端にある生長点から新しい葉やツボミを出すのですが、茎が短くて、どこからが茎か根かわかりません。 | |
タンポポの1本の根を切りきざんで、植えてみました。一番左の根は長さ1センチに切ってみました。 写真では見にくいと思いますが、黒丸の印をつけた方が、生えていたときの上の方(葉や花がついていた方)です。 逆さまに植えたり、横向きに植えたりしてみています。 |
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切りきざんだ根を植えてから、1ヶ月くらいたって撮影したものです。みんな芽が出てきました。 逆さまに植えたものも、横向きに植えたものも、黒丸印をつけた、上側から芽が出ています。 |
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▽ タンポポはヒトが好き−1 |