タ コ の 話 し No.1

【 タコのけんか 】

 沙萠写房の囲炉裏は、びっくりグッズいっぱいの玄関を入ったところの土間にあります。だから夏も、ひんやりしています。8月でも、焚き火をして肉や魚を焼いて酒をわかして、話しがはずみます。
 そんなとき、わたしは「大きなタコと小さなタコがけんかすると、どちらが勝と思う?」とたずねることがあるのですが、まあ、海のことにくわしい人でも「わからない」ので、わたしは、嬉しくなってしまいます。
 山口県の瀬戸内海の島に住んでいたころ・・・40年くらい前のことです。その島のことは、いつかくわしく書くこともあると思いますが、散歩のときに波打ちぎわにかくれているタコを見つけは、とっていました。
 泳いでいるときにとることもありました。1円玉や、たくわんを餌にして、釣ることもありました。
 そうして、タコがたくさんとれたときは、舟の生けすや、箱で作った生けすに入れて、海につけておくのですが、ある日、5、6匹入れてあったタコのうち、いちばん大きいのが死んでいました。
 漁師の話しでは、大ダコと小ダコがもみ合っているうちに、小ダコの足が大ダコの口のなかに入って、大ダコが窒息して死んだのだということでした。
 口といっても、ものを食べる口ではなく、マンガで描くとき二つの目と、もうひとつ円をかく、あの部分です。水管というのだと思いますが、そこを塞がれると、タコは。呼吸が出来なくなって、死んでしまいます。
 タコという動物は、足を全部切り取られても、死ぬことはありません。マンガで鉢巻きをするアタマの部分は、胴体ですが、そこを切って傷をつけてもヘイキです。
タコのイボ
 タコの8本の足のある中心部に、鋭い歯をもった口がありますが、ケンカのとき、その鋭い歯で、相手のどこに噛みついても、相手が死ぬということは、まあ100パーセント無いと思います。でも、水管を塞がれると、死んでしまいます。
 大きいタコと、小さなタコが合計16本の足で取り組んで、もみあっているうちに、運よくか、まちがってか、相手の水管のなかに足が入って、相手を窒息させるのは、小ダコの足の方です。大ダコの足は太いので、小ダコの水管に入りません。というわけで、タコがケンカすると、小さい方が勝というこになります。


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