沙 萠 写 房 ・ 炉 辺 談
韓国の堂木を訪ねて−3
堂木(タンモク)というのは、街角とか広場などに生えていて、
みんなの心の拠り所として、信仰されている木のことです。
日本の神木の原形かもしれません。
【 朝鮮人蔘(チョウセンニンジン)の話し 】
(1)朝鮮人蔘・撮影の発端
 1988年に韓国でオリンピックが開かれました。日本では、TV局も、出版社も韓国に目を向けよう、理解しようの動きが盛んにはじまりました。そう、今回のサッカーのときと同じように、でした。
 そんなわけで、この、堂木を訪ねて-1の、はじめに書きましたが、ソウルオリンピックが開催される2年前に、日本の或る出版社から「韓国特集に、朝鮮人蔘のページを組みたいから、撮影に行ってくれないか」と頼まれて、そのときは、大分県の国東半島に住んでいましたので、福岡空港からソウルに向かいました。5月でした。
 福岡空港を飛びたって、玄界灘の空を上昇するわけですが、水平飛行にならないうちに、もう、釜山(プサン)空港に着陸です。こんなに近いのに、なぜ、パスポートやヴィザが要るんだろうと思ったものでした。
 釜山を飛びたったら、すぐソウルの金浦(キンポ)空港です。堂木を訪ねて-1で紹介しました啓蒙社の人が迎えに来てくれていました。
朝鮮人蔘畑 ・ 江華島 4/16
「堂木を訪ねて−1」と同じ畑です。人蔘を植えた畝の南側に光線除けの屋根をかけています。
(2)カメラやフィルムが煮える!
 その日は、韓国式旅館に泊まりました。ま、くつろいでメクチュ(麦酒)を飲んで、落ちつきました。何で麦酒がメクチュなのか、ここから、埴沙萠の韓国語の勉強がはじまりまた。
 漢和大辞典を持っている人は「麦」の文字を見てください。麦がメクであることが理解できると同時に、麦はメではなくて、メ.であることも解るかも知れせん。麦酒、ビールのメクチュのクは、kuでなくてkなんです。
 そんなことを、わいわい怒鳴るように話して熱中しているとき、ふと気がついたら、座っている床が暖かなのでした。燃料は重油だそうですが、オンドル式に各部屋の床をあたためているのでした。
 カメラバッグを置いてある床も、ぽかぽかでした。あわてました。フィルムも煮えてしまいそうな温度です。と言って、どこに置いたらいいのか。
 結局は部屋に入るところにある、下駄箱の上に置きました。でも、シャツなどの下着は、風呂に入ったときに洗って、床に広げておくと、次の朝には乾いているので、これは、便利でした。
 次回は、できるだけ早く更新しましょう。この、堂木を訪ねて-1の、朝鮮人蔘畑の雪景色、そして、堂木を訪ねて-2の、チンダルレの花の岡を撮影した、江華島へ行きます。
朝鮮人蔘果実景 7/22
5月に花を撮影した江華島のおなじ農家で撮影しました。朝鮮人蔘の
栽培農家は、根に行く養分を、花や実にとられないように、花芽が
出たら摘んでしまいます。この農家は、種子を採集するために、
とくべつに、花を咲かせて実をみのらせています。

【バックナンバー】

 No.1 沙萠写房の炉端からの便り
 No.2 タケノコの節の数
 No.3 タコの話−タコのけんか
 No.4 タコの話−タコつぼの変化
 No.5 キノコの話
 No.6 痩せ馬の話し
 No.7 韓国の堂木を訪ねて-1
 No.8 韓国の堂木を訪ねて-2


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