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こころ・生活・食
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「成人病」が「生活習慣病」に改名
糖尿病が中心的な存在
年間10万人が糖尿病で死亡
ブドウ糖が血液中にあふれる病気
インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモン
タイプにより異なる治療法
妊娠中の女性も注意を
2型糖尿病は不健康な習慣の是正が重要
日本人は欧米人よりインスリン分泌が弱い
初期は多くの患者が無症状
診断は血糖値の測定から
過剰な糖分に血管が侵される
合併症は細い血管の障害から
糖により腎臓の糸球体に障害
手足の先が両側同じようにしびれる
免疫機能の低下による感染症も注意
食事と運動習慣の是正が大切
腹七分の食事をゆっくり、よく噛んで
男性は一日九千歩が目標
1型糖尿病はインスリン注射が必須
教育入院で実践できる知識を学ぼう
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生活習慣病とは?

ブドウ糖の流れ 糖尿病
群馬大学医学部附属病院内分泌
糖尿病内科講師  清水弘行

「成人病」が「生活習慣病」に改名
 生活習慣病とは毎日の不健康な生活習慣の積み重ねにより引き起こされるいろいろな病気です。日本人の3分の2近くがこの生活習慣病が原因で亡くなっていることが厚生労働省の統計から明らかとなっておりますので、日常の不健康な生活習慣の是正が、健康的な生活を送るために重要な鍵となります。

主な生活習慣病  厚生労働省による「健康日本21」という健康づくり運動の取り組みも平成十二年から始まっています。

 生活習慣病には表1に示したように皆さんの聞き覚えのあるいろいろな病気が含まれています。多くは以前、成人病と呼ばれていたものです。そしてこのような生活習慣病に関わる主な要素は表2に示しました五つです。

糖尿病が中心的な存在
 今回は、いろいろな生活習慣病の中でも最も中心的な存在とされている糖尿病について解説させていただきたいと思います。この機会に皆さんも糖尿病への理解を深めていただき、糖尿病の予防に努めていただきたいと思います。

 糖尿病は正しい知識があれば、決して怖い病気ではありませんが、放置されますと体中にいろいろな障害をきたし、命取りにもなりうる病気です。いわば、皆さんの力で良くも悪くもなる病気なのです。

主な生活習慣に関わる要素  まず糖尿病がこれほど注目されるようになりましたのは、生活習慣の欧米化に伴う糖尿病人口の著しい増加にあります。平成九年の糖尿病実態調査では「糖尿病が強く疑われる人」が六百九十万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」が六百八十万人でした。合わせると全国で千三百七十万人の方が糖尿病や将来糖尿病になる可能性があるということです。四十歳以上の方では、十人中一人の割合でそのような可能性があります。

 さらに昨年の統計では、それぞれ七百四十万人、千六百二十万人と増加し、四十歳以上の方では六人に一人の割合に増加しております。厚生労働省の「健康日本21」における二〇一〇年の推計値では、「糖尿病が強く疑われる人」が千八十万人までに増加することが予測されておりますので、これを一千万人にまでに抑制することを目標に、様々な活動が進められています。

年間10万人が糖尿病で死亡
 さらに問題となりますのが、実際糖尿病として医療機関で診療を受けている人が二百十二万人しかいないとされていることです。ですから残りの人たちは糖尿病を放置しており、このような患者さんが非常に多く、知らない間に糖尿病の合併症が進行してしまうことが心配されます。

 平成十二年度の人口動態統計では、年間十万人くらいの方が糖尿病が原因で亡くなられております。怖い糖尿病の合併症についても人工透析を新たに始める人が年間一万人以上もおりますし、糖尿病に原因した視力障害の発生も年間約三千人もおります。将来皆さんがそうならないためにも予防と早期からの治療が大切です。

ブドウ糖が血液中にあふれる病気
 糖尿病とはどんな病気なのでしょうか?

 体の栄養として三大栄養素である炭水化物、蛋白質、脂肪が重要ですが、その中の炭水化物が消化、吸収されてできるブドウ糖が血液の流れに乗って体の細胞に運ばれて栄養となります。

 ブドウ糖は蛋白の働きにより細胞の中に運ばれて行きます。この輸送蛋白の働きが悪くなり、ブドウ糖がエネルギーを必要としている筋肉や脂肪の細胞の中に十分運ばれなくなり、血液の中にあふれてしまうのが、糖尿病です。

 糖の流れを図1に示しましたが、食物として摂取された栄養は腸の中でブドウ糖やアミノ酸に分解されて吸収されます。小腸において吸収されたブドウ糖が細胞の中に取り込まれるためには、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが重要な働きをしています。

インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモン
 インスリンは体の中で唯一、ブドウ糖を細胞の中に取り込ませて血糖値を下げるホルモンです。血糖値があまり高くない状態では血糖値の上昇とともにインスリンの分泌は増加します。糖尿病ではこのインスリンの作用が足りなくなり、血液の中にブドウ糖があふれてしまうわけです。

 その原因の一つは膵臓でインスリンが十分に作られなくなること(インスリンの分泌低下)、もう一つは筋肉や脂肪の細胞においてインスリンが作用しにくくなること(インスリンの感受性の低下)です。

 運動不足の状態が長く続きますと筋肉にインスリンが作用しにくくなりますし、肥満の状態では体の脂肪細胞の数が多くなったり、脂肪細胞自体が大きくなったりしてインスリンがたくさん必要になる状況になります。このような状況では、膵臓からはインスリンがたくさん分泌されるのですが、食べ過ぎや運動不足の状態が長くが続きますと、インスリン分泌が追いつかずに足りなくなってしまいます。

新しい糖尿病型分類 タイプにより異なる治療法
 糖尿病には、その原因から表3に示しましたようにいろいろなタイプがあります。糖尿病は一つの病気ではなく、その原因からいくつかのタイプがあり、その治療法も異なります。

 1型糖尿病は、インスリンを産生する膵臓のランゲルハンス氏島が炎症で破壊され、インスリンが作られなくなってしまい、体の中からインスリンがなくなってしまう状態です。多くは子供さんや若い方に発症いたします。このようなタイプの糖尿病は、病気の発症に生活習慣はあまり関係がないと考えられます。

代謝症候群  これに対して2型の糖尿病は、成人に認められる糖尿病の大部分を占めますが、最近では運動不足による肥満や、甘い食べ物や飲み物のとり過ぎにより、このような状態をしめす中学生や高校生も増えてきております。その原因は、前に述べましたようなインスリンの分泌、特に栄養が体の中に入ってすぐにインスリン分泌がなされなくてはならないのですが、この早い時期のインスリン分泌が少ないことと肥満や運動不足によるインスリンの感受性低下があります。

 ですから、早食いや運動不足は糖尿病を発症しやすくするとともに、すでに糖尿病になっている方の血糖コントロールにも悪影響を与えるわけです。また、やせているにもかかわらず糖尿病になられる方は、このインスリン分泌が遺伝的に少ないタイプなのかもしれません。

 糖尿病はこの二つのタイプが主ですが、この他に「その他の原因による糖尿病」と呼ばれるタイプがあります。糖尿病発症に関連する遺伝子の異常がはっきりしているタイプや肝臓、膵臓やホルモンの病気、薬による糖尿病などがそれにあたります。

妊娠中の女性も注意を
 妊娠糖尿病(妊娠に関連して明らかとなった糖尿病)は、奇形や巨大児という胎児への糖尿病の悪影響を防ぐために、より厳密な血糖管理が必要となるため、特別に考えられております。これは、すでに糖尿病と診断されている女性の妊娠に関しても同様に妊娠される前からの厳格な血糖管理が必要ということです。

 それでは、どのような人が糖尿病になりやすいのでしょうか?

 1型の糖尿病は明らかになりやすいタイプというものはありません。しかしながら、2型糖尿病では、過食(食べ過ぎ)、肥満、運動不足、ストレス、加齢などがその発症や増悪因子として重要です。まさに生活習慣が影響すると言えましょう。

2型糖尿病は不健康な習慣の是正が重要
 2型糖尿病は表4に示しましたような「代謝症候群」との関連も深く、インスリン感受性の低下は高脂血症(血中コレストロールや中性脂肪濃度の上昇)や高血圧とも密接な関連がありますので、生活習慣病を予防する総合的な観点からも不健康な生活習慣の是正が重要となるわけです。

 妊娠糖尿病の危険因子としては、糖尿病の家族歴、肥満、過去に巨大児を出産したことがあることや三十五歳以上の高齢出産などがありますので、妊娠を考えている女性はこのような点に注意が必要です。

 では糖尿病は遺伝するのでしょうか?

 一部の糖尿病ではインスリンの分泌やインスリンが血糖値を下げる作用の発現に関与する一つの遺伝子が遺伝的に異常を示すことにより、糖尿病になることが判明しております。しかしながら、現在判明しているものは日本人の糖尿病全体の数パーセントに過ぎませんので、大部分の糖尿病の遺伝的背景は不明です。

日本人は欧米人よりインスリン分泌が弱い
 おそらく、いくつかの遺伝が複雑に絡み合った多因子遺伝に最近の生活の欧米化といった環境因子の変化が関与しているものと考えられます。特に最近の研究では日本人の膵臓からのインスリン分泌は欧米の人に比べて弱いという成績もありますので、最近の食生活の欧米化に膵臓が耐え切れない日本人も多いのかもしれません。ですから、食事内容や運動不足などの環境因子の是正が重要となるわけです。

 糖尿病ではどのような症状が現れるのでしょうか?

 糖尿病に典型的な症状は、疲れやすさ、だるさ、口渇(口が渇く)、多飲(水をよく飲む)、多尿(尿の量が多くなり、夜間も排尿のために目が覚める)、体重減少です。さらに糖尿病が進行すると合併症による症状として視力が低下(物が見にくくなる)、足がむくむ、しびれる、立ちくらみや傷が治りにくく、化膿しやすいといった症状も現れてきます。

初期は多くの患者が無症状
 糖尿病の典型的な症状が出現するのは、血糖値が上昇した状態が続いた場合だけです。多くの糖尿病の患者さんは、初期にはこのような症状を示しません。職場や地域の健康診断を定期的に受けられて糖尿病やその兆候がないかどうかを診断していただくことが大切となります。

 是非、健康診断は毎年受けてください。健康診断で糖尿病の疑いがあると指摘された方は「症状がない」といって放置せず、必ず近くの医療機関を受診し、指示に従ってください。健診で糖尿病「予備軍」と指摘を受けられた方も同じです。

 一度、血糖値が良くなっても、生活習慣が前のように乱れてくると悪化することはよくあります。糖尿病は良くなってもその体質は続きますので定期的な医療機関への通院をお勧めいたします。

診断は血糖値の測定から
 糖尿病の診断はどうのようになされるのでしょうか?

 糖尿病の診断には血糖値の測定が重要となります。血糖値の測定は、普段の状態で測った場合、朝に何も食べない状態(空腹)で測った場合、ブドウ糖負荷試験検査用のブドウ糖を飲んで二時間後に測定した場合の結果で診断します。

 空腹では126mg/dl(ミリグラム毎デシリットル)、普段やブドウ糖を飲んだ後では200mg/dl 以上が異常となります。どれかの検査で異常が出ましたら、別の日にもう一度、他の方法で検査し、また異常な値が出ましたら、糖尿病と診断します。

 ただ、口渇、多飲や多尿のような典型的な糖尿病の症状があったり、糖尿病に典型的な眼の異常が認められたり、血糖コントロールの指標であるグリコ・ヘモグロビン A1c 値(採血した時点よりさかのぼって一〜二カ月前までの血糖コントロール状況を反映します)が明らかな糖尿病と考えられる6・5%以上を示した場合には一回の検査だけでも診断できます。

 一般的に血糖値が160〜170mg/dlを越えると尿中に糖が出るようになり、尿糖として検査で分かるようになります。しかし、尿糖検査だけでは糖尿病を正確に診断したり、血糖コントロール状況を把握したりすることはできません。尿をとるタイミングにより血糖値も変動しますので、一回尿糖が陰性だったからといって「糖尿病ではない」とは言い切れませんので、是非かかりつけの医師に血糖値の測定をしていただいてください。

糖尿病と関係深い血管の病気と感染症 過剰な糖分に血管が侵される
 糖尿病はどうして怖いのでしょうか?

 糖尿病は血管の病気とも言われます。すなわち全身に血液を送る血管が過剰な糖分により侵されてしまうわけです。

 全身には太い血管と細い血管がありますが、図2に示しましたように糖尿病では両方の血管が侵されてしまいます。太い血管が侵されますと動脈硬化が進行し、脳の血管の動脈硬化が進行すると脳梗塞、心臓の血管の動脈硬化が進行すると心筋梗塞と、いずれも死亡原因の多くをしめる重大な病気です。

 また、足の血管の動脈硬化が進行すると閉塞性動脈硬化症といい、足の痛みを生じたり、さらに進行すると靴擦れや水虫などの小さな傷でも化膿しやすくなったりして、後述いたします糖尿病性神経障害とあいまって壊疽(えそ=足などが腐ってしまうこと)の原因ともなりますので、足を切断する原因になりかねません。

合併症は細い血管の障害から
 細い血管が障害を受けると、皆さんがよく御存知の糖尿病の合併症が出てくるわけです。全身で細い血管があるのが、眼の網膜、腎臓と神経です。ですから糖尿病では網膜症、腎症、神経障害が問題となります。

 糖尿病性網膜症とは眼の奥にあり、光を感じる網膜という部分の血管の流れが悪くなることにより、酸素や栄養が十分に供給されなくなり、むくみや出血が生じます。これがひどくなりますと視力障害が出現します。糖尿病性網膜症は日本人成人の失明原因の第一位です。

隔年透析導入患者の原疾患推移 糖により腎臓の糸球体に障害
 次に腎症とは、腎臓の中で尿を作る糸球体という部分の細かい血管がたくさんの糖により障害を受け、血液中の蛋白質が尿中に漏れて出てしまう状態になります。腎症は尿への蛋白の出現(蛋白尿)により診断されます。進行いたしますと血液中の老廃物も排出することができなくなってしまい、そのような状態になると人工透析をしなくてはならなくなります。

 現在、日本において人工透析を受けるようになる患者さんの原因の第一位が糖尿病です。(図3)

手足の先が両側同じようにしびれる
 最後に、糖尿病性神経障害ですが、神経には手や足を動かす運動神経や感覚をつかさどる知覚神経とともに、自律神経があります。

 知覚神経が障害を受けると、足や手の先が両側で同じようにしびれ、違和感や冷たさを感じるようになります。これが末梢性神経障害です。一般的には足の先から両側ほぼ同じように症状が出現してきます。足が痙攣するこむら返りもこの症状の一つであることが多いようです。右手だけしびれるといったような症状は、この症状ではないことが多いですから、あまり過剰に心配されることはありません。

 自律神経が障害されますと立ちくらみ、発汗異常、便秘、排尿困難(尿が出にくくなる)やインポテンツ(勃起しにくくなる)などを生じるようになります。このような糖尿病による細い血管の合併症は、血糖コントロールが不良な状態が長く続くと出現いたします。

免疫機能の低下による感染症も注意
 血管の合併症以外に糖尿病では、免疫機能が低下することにより図2に示しましたような様々な感染症にかかりやすくなります。肺結核も稀ではありませんが、他に尿路(腎臓から膀胱までの尿が出てくる経路)や皮膚の感染症も多く認められ、水虫などの足の皮膚感染症は壊疽の原因ともなりますので注意が必要です。

食事と運動習慣の是正が大切
 糖尿病の治療はどのようにするのでしょうか?

 成人に多く、生活習慣と密接な関係を有する2型糖尿病の治療の中心は、食事療法と運動療法からなる生活療法です。早期の2型糖尿病の方でしたら、この生活療法、すなわち悪い生活習慣の是正だけで十分です。

 まず食事療法についてですが、表5に示しましたように1日の必要なカロリーは、標準体重から計算されます。最近では

BMI
[{体重(kg)}÷{身長(m)}2]
 という指標が広く使われるようになりました。日本人においても22が最も病気が少ないとされています。25以上が肥満です。このBMI から標準体重を計算し、これに仕事量や体格を考慮に入れて体重当たりの必要なカロリーをかけて一日必要カロリーを算出します。これを基にして栄養指導を受けていただき、日常生活で実践していただくわけです。

腹七分の食事をゆっくり、よく噛んで
 食事療法の基本は、規則正しく決まった時間に三食、ひとり分ずつ取り分けて、栄養素のバランス良く、腹七分までゆっくりとよく噛んで食べることです。まとめ食いや夜食は避けなくてはいけません。アルコールは余分なカロリーとして計算しなくてはいけません。アルコールは血糖コントロールを乱す元になりやすいので注意しましょう。

 生活療法の一環として運動療法も大切です。運動しないと使わない筋肉はやせてしまいますので、体重が少なくても脂肪の多い体になってしまいます。いわゆる「かくれ肥満」の状態です。筋肉はブドウ糖をたくさん利用する臓器ですので、これが少なくなると摂取したブドウ糖の利用が減少して余分なブドウ糖が血液中にあふれ、血糖値が上昇してしまうわけです。

エネルギー摂取量  効果的な運動は、酸素を取り入れながら行う有酸素運動です。無酸素運動の代表は短距離走です。一方、有運動療法の代表は比較的長い時間の歩行やジョギングです。運動療法の基本は、いつでも、どこでも、一人でもできることです。

男性は一日九千歩が目標
 具体例としては、20〜30分の少し早足気味(軽く汗をかくくらいの速度で)の歩行運動を行っていただくのがよろしいかと思います。お忙しい方は朝と晩に分けて行ってもよいと思います。一週間に四日以上は運動するように心がけましょう。

 これがどうしても無理という方は、日常生活の中で、なるべく階段を使うことや外出時も少しだけ早めに歩くことなど、小さなことからコツコツと始めてください。是非、万歩計をつけていただき、一日に男性は九千歩、女性は八千三百歩を目標に運動してみてください。

1型糖尿病はインスリン注射が必須
 薬物療法には、経口剤(飲み薬)とインスリン自己注射療法があります。経口剤には、膵臓からインスリン分泌を促進する薬、肝臓や筋肉に作用してインスリンの感受性を良くする薬、腸からの糖の吸収をゆっくりする薬があります。決して糖尿病の飲み薬といってもみんな同じではありません。

 1型の糖尿病では生命を維持するためにインスリン注射を行うことが必須です。これに対して2型の糖尿病ではインスリン注射を行うことは必須ではありませんが、大きな手術や外傷、感染症の時や経口剤では十分な血糖コントロール状態が得られない場合にはインスリン注射が必要となります。

教育入院で実践できる知識を学ぼう
 初めて糖尿病と言われた方には、入院設備のある多くの診療所や病院におきまして「糖尿病教育入院」の機会を提供しております。一〜二週間くらいで、糖尿病の知識と食事療法のやり方が身に付きますので、是非、利用されることをお勧めいたします。

 正確な知識をお持ちいただくことにより、決して糖尿病が怖い病気ではないことや御自身の生活習慣の重要性を再認識いただけるのではないかと思います。

 最後に糖尿病の患者さんの会を御存知でしょうか。日本には(社)日本糖尿病協会という糖尿病患者さんの組織があります。この会は、糖尿病患者さんが健康で幸福な生活を送れるようにするため、糖尿病に関する正しい知識の普及啓発、患者さん及びその御家族への教育指導などを目的に設立された団体です。

 群馬県にも群馬県支部(1027―362―2838)があり、約二千人の患者さんが年一回の県セミナーをはじめ、活発な活動をなされております。群馬県内の糖尿病患者さんの積極的な参加をお待ちいたしております。

 最後に、冒頭にも述べましたが糖尿病は患者さん御自身が主治医です。

 自分で病気を良くすることも悪くしてしまうこともできる病気です。自己管理ができていれば、決して怖い病気ではありません。しかしながら、逆に自分で注意なされないと、だれも良くできないことも事実です。

 ですから、日々の日常生活で気づかれる不健康な生活習慣を是正し、糖尿病をはじめとする生活習慣病のない健康的な生活を送ろうではありませんか。

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