がんを知る
血液のがん 白血病&悪性リンパ腫
群馬大学大学院医学系研究科 生体統御内科学
助教授 塚本憲史
血液は全身を流れ、さまざまな機能を持っています。血液のがん(悪性腫瘍)には白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などがあります。平均寿命が延びたことで世界的に血液がんの頻度が年々高まっており、欧米では悪性リンパ腫ががん死亡原因のトップ5に入っています。
体表に近いリンパ節がはれるような場合を除き、ある程度進行しないと症状が出づらいのが血液がんの特徴で、健康診断などで偶然発見されるケースも少なくありません。しかし、血液細胞は酸素運搬、血を止めること(止血)、感染防御といった生命の維持に直結する重要な役割を担うため、発見が遅れると不幸な転帰をとることになります。ここでは血液がんでもよく知られている白血病と悪性リンパ腫に絞って、病気のなりたち、診断方法、治療法について説明していきます。
血液は造血幹細胞からつくられる
血液は赤血球、血小板、白血球などの血球成分と、これを除いたタンパク質やミネラルなどを含む血漿成分に分けられます。(図1)
白血球は「顆粒球」と「リンパ球」に大別され、どちらも体に侵入した細菌、ウイルスなどを駆逐する働きをもつ血球です。血小板は出血を止める働き、赤血球は肺で取り入れた酸素を全身に運搬する働きをする血球です。いずれの血球も寿命は比較的短く、数日から数カ月で新しい血球と入れ替わります。
血液細胞は骨の中心部にある「骨髄」と呼ばれる組織でつくられています。骨髄には「造血幹細胞」という血液の親玉の細胞があり、それが分化、増殖することでいろいろな血球がつくられます。
リンパ組織は体の防御に大切
一方、リンパ組織は全身に広がる血管のような細い管であるリンパ管と、リンパ球が多く存在するリンパ節、消化管のリンパ装置などで成り立っています(図2)。白血球のうちリンパ球はその機能の面から大きく3つ(B細胞、T細胞、NK細胞)に分かれ、これらはこのリンパ組織および血液中を循環しています。外から病原体が侵入すると、リンパ球は分化増殖してそれを排除しようとします。かぜをひくと扁桃腺がはれて痛くなりますが、これは扁桃腺の細胞が増えて病原体をやっつけようとしているからです。このようにリンパ組織は外敵から体を守る、「免疫」の役割を担っています。
白血病、悪性リンパ腫の種類
血液がんのうち、白血病は末梢血液中や骨髄でがん細胞が増えるのに対し、悪性リンパ腫は「しこり」をつくる特徴があります。白血病にも進行が速いかどうかで「急性白血病」と「慢性白血病」、がん化した細胞の種類によってそれぞれ「骨髄性」と「リンパ性」とに分けられます。つまり白血病は、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、の4つに分類されます。
一方、悪性リンパ腫も出現する腫瘍細胞の種類によって「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」とに分けられます。後者はがん化した細胞の種類により、さらにB細胞性、NK/T細胞性とに分けられます。(表1)
血液がんの原因 何らかの原因で遺伝情報に狂いが生じると、がん化すると考えられています。広島、長崎の原爆やチェルノブイリ原発事故で血液がんが増えたのは、放射線障害とがんとの関連を示すものといえます。一方、最近ではウイルスとの関連が注目されており、HTLV?Iウイルスと成人T細胞性白血病、EBウイルスと一部の悪性リンパ腫などはその代表といえます。しかし多くの場合は原因不明で、生まれてから受けたさまざまな影響が複雑に関係して発症すると考えられています。
ヒトには遺伝情報を受け継ぐものとして父親由来、母親由来のそれぞれ23本ずつ、合わせて46本の染色体があります(図3)。がん細胞における遺伝情報の狂いの有無を調べる方法として、染色体検査、遺伝子検査があります。血液がんの細胞は比較的手に入れることが容易なため、これらの検査は他の領域のがんに比べて早くから行われてきました。
その結果、がんのタイプに特有な染色体異常、遺伝子異常が判明し、診断および治療に応用されています。後述する慢性骨髄性白血病におけるフィラデルフィア染色体、BCR?ABL遺伝子異常の発見、治療薬グリベックの開発などはその代表です。
 白血病
造血幹細胞、あるいはそれが少し成長しただけの未熟な細胞ががん化した病気で、腫瘍細胞が無制限に増殖し体内に蓄積します。未成熟な細胞が増殖し進行が速いのが「急性白血病」、成熟した細胞が増殖し緩慢な経過をたどるのが「慢性白血病」です。
診断には血液検査が必須
診断は血液検査で白血球、血小板、赤血球数を検査し、異常細胞の有無をチェックします。最終的には骨髄の検査が必要になります。骨髄の検査は腸骨(いわゆる腰骨)または胸骨(前胸部中心の骨)に針を刺して骨の中心部から骨髄液を採取し、白血病細胞の有無を顕微鏡で調べます。同時に染色体異常、遺伝子異常の有無を調べます。
白血病のタイプにより所見、治療法も異なりますので、疾患別に概説していきます。
1 急性白血病
がん化した細胞の種類により「骨髄性」と「リンパ性」とに分けられますが、病態、臨床所見については両者間であまり差がありません。
■臨床所見
急性白血病では未熟な白血病細胞が骨髄を占領し、正常な血液細胞がつくられなくなります(図4)。このため所見としては、?正常な血液細胞をつくれないための症状?白血病細胞が増え体内にたまったための症状?に分かれます。
1 正常な血液細胞をつくれないための症状
末梢血液中の正常な白血球、血小板、赤血球が減少します。その結果、これら血球が担っていた機能(図1)が低下することになります。すなわち、
・ 正常白血球減少=感染防御力低下による感染症や発熱
・ 血小板減少=止血能低下による皮下、歯肉、脳などへの出血(図5)
・ 赤血球減少=酸素運搬機能低下による動悸、息切れなどがみられます。
2 白血病細胞が増え体内にたまったための症状 一方、白血病細胞が体内にたまると、その部位がはれるという症状が現れます。肝臓、脾臓、歯肉のはれはその代表です。
■診断
血液検査、骨髄検査を行い、未熟な白血病細胞があるかどうかを顕微鏡で調べます。さらに骨髄性白血病かリンパ性白血病かを区別するための検査をします。これは治療で用いる抗がん剤の種類、投与スケジュールが異なるためです。
■治療
(1)化学療法
白血病細胞は発見された時点ですでに全身に広がっているため、固形がんのように手術で切除することができません。しかし幸いなことに抗がん剤がよく効く腫瘍であるため、化学療法が第1選択となります。急性白血病は診断された時点で体内に約1兆(1012)個の腫瘍細胞があるといわれています。白血病を治すためにはそれを完全にやっつけてゼロにする必要があります。一般に抗腫瘍効果を高めるため、複数の抗がん剤を同時に使用する「多剤併用療法」を行います。ただ抗がん剤治療は正常造血細胞も犠牲になり、白血球数が極度に低下して感染症にかかりやすくなるため、無菌室(またはそれに準ずる場所)で治療を行う必要があります。
 化学療法による治療は大きく分けて、1 寛解導入療法 2 寛解後療法--の2段階からなります。(図6)
1 寛解導入療法
見かけ上、白血病細胞が消え正常造血が回復する「完全寛解」を目的とした治療です。急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病とでは、使用する抗がん剤の種類、投与スケジュールが異なります。特殊なものとして、急性前骨髄球性白血病は活性型ビタミンAであるレチノイン酸という内服薬が非常に有効です。寛解導入療法により約70?90%の患者さんが完全寛解の状態になります。
寛解後療法
完全寛解になると正常造血は回復し、見かけ上、白血病細胞は消失したように見えますが、体内にはまだ1億(108)個以上の白血病細胞が残っていると考えられています。この残った白血病細胞根絶を目的として、抗がん剤による寛解後療法を行います。治療法、スケジュールは白血病のタイプにもよりますが、半年から2年行います。
(2)造血幹細胞移植(いわゆる骨髄移植)
白血病に侵された骨髄を、他の人(ドナー)の健康な骨髄に置き換える治療法です。大量の化学療法、放射線療法などで体内にあるすべての白血病細胞と正常な血液細胞を壊します(「前処置」といいます)。骨髄を空にした状態で白血球の型(HLA)がほぼ一致したドナーの造血幹細胞を患者に戻し、破壊された骨髄と入れ替えます。
このように造血幹細胞移植は強い化学療法、放射線療法を行うことで再発率は減少しますが、治療自体の副作用が格段に強くなるため、年齢、全身状態などその適応には制限があり、すべての人に行える治療ではありません。最近では「前処置」を軽くして、移植可能な症例を増やす試みも行われています。
2 慢性骨髄性白血病
血液細胞は骨髄中で未熟な細胞から分化して成熟した細胞となり骨髄から末梢血へ出ますが、その数は一定の範囲内に調節されています。急性骨髄性白血病は未熟な白血病細胞が増殖するのに対し、慢性骨髄性白血病は分化し機能を持った細胞が無制限に増える疾患です(図4)。増えた細胞は正常細胞同様の機能を持ちますので急性白血病のような自覚症状は出づらく、白血球数が末梢血1 立方当たり10数万(正常は4000?9000)になっても自覚症状がない場合もあります。
 ■病期
・ 慢性期=白血球数は増加していますが、未熟な白血球の割合は少なく、この時期は数カ月から数年続きます。しかし、根治的な治療をしないと後述する「急性転化」をおこし、不幸な転帰となります。
・ 移行期=骨髄や末梢血中の未熟な細胞比率が増加し、治療が効きづらくなります。
・ 急性転化期=骨髄や末梢血中で未熟な細胞が増え、急性白血病と同じような状態になります。しかし、抗がん剤はあまり効きません。
■原因、診断
ヒトの染色体は46本あり、1組の性染色体と22組の常染色体からなり、常染色体は1番から22番まで番号が付けられています(図3)。染色体には遺伝情報がぎっしり詰まっており、これに異常があると遺伝情報にも狂いが生じ病気の発症につながります。
慢性骨髄性白血病では9番染色体と22番染色体の一部が相互に入れ替わった「フィラデルフィア染色体」とよばれる染色体異常がほぼ全例でみられます。この結果、9番染色体上のABL遺伝子と22番染色体上のBCR遺伝子とがくっついたBCR?ABL融合遺伝子が形成され、血液細胞の増殖に大きく関与します。(図3、図7)
診断では白血球数の異常増加と、このフィラデルフィア染色体およびBCR?ABL融合遺伝子の証明が重要となります。
 ■治療
慢性骨髄性白血病は急性転化をきたすと治すことは難しくなるため、慢性期に治癒を目指すことが必要です。以前、白血球数のコントロールや脾臓を小さくする目的でハイドレアという経口抗がん剤を用いました。しかし、これは治癒を目指したものではないため、数年すると急性転化を起こし不幸な転帰をたどっていました。1990年ごろインターフェロン療法が注目を浴びましたが、これで治癒に至った症例は少なく、造血幹細胞移植が唯一の方法とされていました。
しかし、グリベックという治療薬が使えるようになり状況は一転しました。この薬は慢性骨髄性白血病の原因とされるBCR?ABL融合遺伝子由来のタンパク質を、特異的に阻害することにより抗腫瘍効果を発揮します(図7)。すなわち、白血病細胞のみに効いて正常細胞にはほとんど影響しない画期的な内服薬です。当科でも新規患者はほぼ全例使用しており、フィラデルフィア染色体が消失した症例も少なくありません。ただ、長期的に使用した場合の効果、安全性については未知の部分もあり、慎重な経過観察が必要です。
3 慢性リンパ性白血病
血液中で成熟リンパ球に似た白血病細胞が著しく増加します。白血病細胞はリンパ節、骨髄、脾臓などで非常にゆっくりと増殖、蓄積し、10年以上経過しても症状がほとんど出ない場合も少なくありません。白血病細胞は機能を持たず、病気が進むと骨髄が徐々に白血病細胞に占領されてしまうため正常造血が次第に低下します。(図4)
■症状
自覚症状を伴わず、健康診断などで血液検査をして偶然見つかるケースがほとんどです。白血球数が1 立方当たり10万を超えても無症状で経過することもしばしばです。しかし病気が進むとリンパ節、脾臓、肝臓がはれたりします。また、骨髄が白血病細胞で占められ正常な血球がつくられなくなると、細菌、真菌(カビ)、ウイルス感染症にかかりやすくなったり、出血症状が出たりします。
■診断
血液検査で末梢血液中の白血球、とくに成熟リンパ球が増加した場合この疾患を疑います。しかし、ウイルス感染症などに反応してリンパ球が増加する場合もありますので、リンパ球の顔つきをモノクロナール抗体とよばれるタンパク質で識別し、腫瘍性増殖か否かの区別を行います。さらに骨髄検査、病気の進み具合をみるためのCTスキャンや腹部超音波検査も適宜行います。
■治療
病気の進行の程度に合わせて治療方針を決定します。これは抗がん剤が急性白血病ほど効かず、治癒が難しいためです。
身体の症状や異常が全く認められない場合には、治療を行わず経過観察します。この場合、白血病の状態を把握するために、定期的な診察と検査を受ける必要があります。リンパ節のはれ、貧血、血小板減少を伴うようになると、プレドニン、フルダラビンなどによる化学療法を行います。
悪性リンパ腫
悪性リンパ腫は免疫担当細胞であるリンパ球のがん化で、リンパ節などのリンパ組織がはれるのが特徴です。一般にリンパ節がはれるのは感染症に基づくものが圧倒的に多く、かぜをひいたときに扁桃腺をはらすのはその代表例です。また、膠原病、消化器がんや肺がんなどの転移などでもリンパ節がはれることがあります。
■診断
リンパ節がはれた原因を確定するためには、リンパ節を外科的に取って検査すること(生検)が必要となります。リンパ節以外の場所、たとえば胃、腸、鼻などにも悪性リンパ腫が発症することがありますが、診断の確定にはやはりその部分の生検が必要です。生検をした場合、?腫瘍かどうか?腫瘍なら悪性リンパ腫かそれ以外のがんか?悪性リンパ腫ならどのタイプか?の診断をしなくてはなりませんが、これは必ずしも容易ではありません。
悪性リンパ腫は約30種類に組織型が分かれます。どの組織型に属するかにより治療方針が大きく異なるため、その鑑別は非常に重要です。そのため従来の顕微鏡による組織形態の他に、免疫染色、腫瘍細胞の顔つきをモノクロナール抗体で区別するフローサイトメトリ法、染色体検査、場合によっては遺伝子検査まで行います。群大医学部附属病院では毎月リンパ節生検を行った全症例を、病理、内科、放射線科などの医師が集まり検討しています。
また、病気の進み具合の診断も大切で、骨髄検査、CTスキャン、MRI、ガリウムシンチ、最近ではFDG?PETを行って判断しています(図8)。通常、?期から?期に分類し、?、?期は限局し、数字が大きくなるほど進行していると判断します。
組織型は約30種類に分かれますが、治療法選択の見地から、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられます。後者はさらに「低悪性度リンパ腫」と「中・高悪性度リンパ腫」に分けられ、治療方針を決定しています(表1)。ここでもそれに従って概説します。
■治療
一般にがんの治療法には、1 化学療法 2 放射線療法?外科療法--があります。悪性リンパ腫は「しこり」をつくる特徴がありますが、細胞間の結びつきは非常に弱くてバラバラになりやすく、診断された時点で腫瘍細胞が血液中を循環しているものとして治療方針を決定します。そのため、化学療法のウエートが非常に高くなっています。この場合の化学療法は2?3週に1回の割合で1?数日間抗がん剤の点滴を行い、残りの日は休薬し副作用が出るか観察します。
1 ホジキンリンパ腫
腫瘍細胞がリンパ節を中心に広がります。ホジキンリンパ腫が局所に限局している臨床病期?、?期では、化学療法を3?4回行った後、局所に放射線療法を行っており、80%以上の症例で治癒が期待されます。病期が進行した?、?期では化学療法を6?8回行います。治療成績は5年生存率で50?80%と幅があります。
再発症例に対しては自己末梢血幹細胞移植(※)などのより強力な治療を行います。
2 非ホジキンリンパ腫
病理組織型の悪性度のほかに、がん化した腫瘍細胞がB細胞性かNK/T細胞性かの診断も重要です。これはB細胞性腫瘍には抗体療法併用が可能であるからです。
(1)低悪性度リンパ腫
病気の進行が遅く10年以上の経過をたどることも少なくなく、また、病気が進行していてもあまり症状を伴いません。抗がん剤治療により腫瘍は縮小しますが、完全に治すことは難しいため、症状のない場合や病気が進行する傾向を示さない場合は、何もせず経過観察する場合もあります。
最近、B細胞の表面に存在するCD20と呼ばれるタンパク質に対する抗体(リツキサン)が開発され、臨床応用されています。これは腫瘍細胞だけに効いて、正常白血球や血小板には影響しない特徴があります。そのため、抗がん剤と組み合わせることにより、副作用を増やさずに大きな治療効果が期待できるのではないかと考えられ、現在全国規模の臨床試験でその効果を検証しています。
(2)中・高悪性度リンパ腫
日本人に多いリンパ腫で、病気の進行が比較的速いのが特徴です。腫瘍細胞の顔つきからB細胞性、NK/T細胞性に分かれます。抗がん剤が良く効き、ビンクリスチン、エンドキサン、アドリアマイシンと副腎皮質ホルモンによるCHOP療法が標準療法として行われています。B細胞性リンパ腫の場合、CHOP療法に前述のリツキサンを加えた化学療法を行っており、治療成績の向上が期待されています。治療前に大きな腫瘍があった場合は、化学療法終了後にその部位に放射線療法を追加する場合もあります。
最近では治りやすいかどうかの指標が分かってきており、診断時に治療に手こずることが予想される場合には、自己末梢血幹細胞移植を併用した大量の抗がん剤の投与を行うこともあります。
おわりに
血液がんの診断、治療法の進歩は目覚ましいものがあり、完全に治った事例も少なくなく、血液がんと診断されても決して悲観する必要はありません。
血液がんの治療では化学療法のウエートが高いのが特徴です(図9)。繰り返し化学療法を行うため、日ごろから体力の維持、増進には留意する必要があります。また、化学療法を繰り返すと抗がん剤が効かなくなる「耐性」も問題となります。そのため血液がんは、抗がん剤が最も効果的な治療開始初期にしっかりと治すことが重要です。それには正しい診断と、患者さんご自身および家族が病気について良く知ることが大切です。本稿が病気の理解に少しでもお役に立てば幸いです。
※)自己末梢血幹細胞移植
抗がん剤治療後、骨髄機能が回復するときに末梢に造血幹細胞が出現しますが、G?CSFという白血球回復を促進する薬を使用するとその数はさらに増えます。この末梢血中に出現した造血幹細胞をストックしておき、通常の数倍量の抗がん剤を投与した後に造血幹細胞を戻し、正常造血を回復させる方法です。がん細胞が抗がん剤に反応しやすい血液がん、特に悪性リンパ腫では有効性が認められており、再発例、初発例でも、標準的な治療では治癒が難しい症例で積極的に行われています。
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