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シリーズ1 最新医療 痔情 痛い痔、痛くない痔、その訳は 医療法人大誠会 内田病院理事長 内田好司
先日、中年の男性がフラフラするような感じで診察にみえました。 "赤んべー"をさせてみると瞼結膜が真っ白です。「小便のようにジャーッと血が出ます。痛くないので心配して来ました」と言います。 痛くても、痛まなくても「ジャーッ」というほど出血すれば、大抵の人は驚いてすっ飛んで受診するのが普通です(またそうしてもらわないと大変です)。 しかしこの男性の言う、痛くないのが心配でというのも一理あります。 発生学的に説明すると、受精して生命の元が出来ると、どんどん細胞が分裂して人間の体が形づくられますが、この時に肛門の部分は上の方から腸の成分が下がって来、下の方から皮膚の成分が中に入りこんで来ます(図1)。 腸の成分は自律神経に支配され、痛みを感ずる神経がないのに対し、皮膚の落ち込んできた部分は痛みを感ずる神経がたくさんあります。 一方、肛門近辺の癌はほとんどが腸管の粘膜部分にでき、下方の皮膚成分にできることはほとんどありません。そのことを知っていて痛くないのを心配して来たというのです。(進行癌は痛む) 肛門の基本構造を図2に示しました。 橙色の部分が腸管が下がってできたところで痛みがなく、茶色の部分は皮膚成分が中に落ち込んで出来た部分で痛みの神経がたくさんあり、ここに病変が生ずると痛いのです。 肛門の病変で一番多いのが男女共に痔核ですが、内痔核は上述した腸の成分に生じ、外痔核は皮膚の成分にできます。 内痔核と外痔核を合わせて"痔核"といいます(イボ痔は俗称です)。 橙色の「図2-a」のところにできるのが"内痔核"で痛みがなく、茶色の「図2-b」のところにできるのが外痔核でこちらは痛い。一番痛いと言われるのが「図2-c」にできる"裂肛"で若い女性に多い痔です。 "痔瘻"は「図2-d」のほうにできると痛く、「図2-e」のほうに向かうのは、あまり痛みません。
シリーズ掲載内容
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