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医療キーワードを読む 研修医サクラに聞け! 禁煙治療
禁煙治療が公的医療保険の適用になる?と聞いた研修医サクラの父、モリオ。寒くなったせいか最近せき込むことが多く、この際、40年来の喫煙生活にピリオドを打とうと決意した。
モリオ どんな人が対象になるんだい?。 サクラ 長年の喫煙者で、たばこをやめたいという意思のある人よ。治療や薬が保険適用になるにはいくつか条件があって、1. 1日の喫煙本数×禁煙年数=200以上(ブリンクマン指数)2. ニコチン依存度問診表(図参照)で該当が5項目以上3. 本人が直ちに禁煙したいと考えている?などが必要よ。 モリオ 私の場合、1日に大体1箱20本、それが40年で、掛け算すると800。2. も3. も当てはまるから間違いなく対象になるな。どんな治療をするんだろう。 サクラ 標準的な治療は12週間。1週目(初回)から数えて2、4、8、12週目の計5回診察を受けるの。医師や看護師とのカウンセリングで喫煙状況に応じた指導や助言を受けたり、禁煙治療薬の効果と使い方を学んだりするの。 モリオ 薬というと面倒だなあ。 サクラ 保険適用になるのは「ニコチンパッチ」と呼ばれる張り薬で、1日1枚、おなかや背中、腕などに張り付けるだけなの。大から中、小へと小さくしていき、なくても平気になれば禁煙治療は成功ね。 モリオ パッチを張るとどうして禁煙できるんだろう。 サクラ ニコチン依存症は、体内のニコチンが減るとイライラや頭痛などの症状が出て、たばこを吸いたくなる。パッチはニコチンを皮膚からゆっくり吸収させることでこうした症状を抑え、喫煙の習慣をやめさせる方法なの。 モリオ 治療にかかる費用はいくらだい。
サクラ 3割自己負担で5回の診察が約3000円、パッチ代として7000円ほどよ。 サクラ 残念ながらガムは適用外なの。ガムだけで禁煙する方法もあるけど、1日に40、50本も吸うチェーンスモーカーには、パッチを補う方法としてガムを併用することもあるわ。いずれにしてもたばこの代わりにニコチンを体に吸収させることになるので、正しい用法を守らないと、かえって体内のニコチン濃度を上げてしまう危険性もあるの。 モリオ 喫煙歴40年だろ。いまさらやめても仕方ないんじゃないか。 サクラ 医師としては「いつやめても遅くない」と強調したいわね。非喫煙者に比べ喫煙者の喉頭(こうとう)がんは32倍、肺がんは4.5倍にもなる。食道がん、咽頭(いんとう)がんのリスクも高まるし、肺気腫(はいきしゅ)、心筋梗塞(こうそく)、狭心症、胃潰瘍(かいよう)などにもなりやすい。たばこに関係する病気で亡くなる人は、交通事故死の10倍という統計もあるのよ。ところが10年喫煙しなければ、こうした病気になるリスクは非喫煙者と変わらなくなるの。 モリオ 禁煙を成功させるこつがあったら、教えてほしい。 サクラ まず何より本人の意思が大切だけど、たばこ依存という病的な状態だから誰かのサポートが必要なことがあるわ。禁煙治療を行っている群大医学部附属病院の総合診療部では医師の前で「禁煙宣誓書」に署名してもらってるの。治療を始める時期も重要。仕事が忙しかったりストレスのかかる時期や、宴会やつきあいの多い年末年始、年度末などは避けた方がいいわ。 モリオ 成功率はどれくらいかなあ。 サクラ 群大の場合、12週間の治療期間中8割の人が禁煙の導入はできている。 モリオ つまり残り2割は以前ほどではないにしろ、治療中につい吸ってしまったというわけだな。 サクラ 禁煙治療を始めようと思っている人は、過去にも3、4回禁煙に挑戦している人が多いわ。治療に来る人には「挫折しても1回であきらめないで」とアドバイスしているし、実際7?10年かかって禁煙に成功する人が多いといわれているわ。 モリオ なるほど。医師や看護師を禁煙治療のパートナーと考えればいいわけだ。 サクラ 一人で思い立ってやるよりも、カウンセリングといった心理面での援助も受けられるから、成功への心強い味方といえるわね。
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