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健康何でも相談室
回答者は群馬大学医学部附属病院の専門医です。



Q: 普段からストレスをためやすい性格で、レストランの奥の席に座ったり、狭い部屋などに入ると息苦しく感じます。また、美容室の洗髪時や歯科治療中に顔にタオルをかけられると息苦しくて我慢できず立ち上がりたくなったりします。「パニック障害」という病名をよく耳にしますが、この症状もそのひとつでしょうか?解決法はありますか? (女性・34歳・前橋市)

illustA:パニック発作や広場恐怖は治療で改善する症状です。
 お尋ねの症状は、「体調が悪くなってもその場を逃れることができないと思うと、不安が募りさまざまな苦しい症状が出てくる」とまとめることができます。このような場所や状況を避けようとする症状を「広場恐怖」、不安が強まって息苦しさ・動悸・震え・胸痛などが短時間に顕著になった状態を「パニック発作」と呼びます。パニック発作はパニック障害の代表的な症状で、広場恐怖はこれにしばしば合併する症状です。パニック発作の際に、「このまま死んでしまうのでは」と救急車で病院にかけこむほどの恐怖を覚える方もいますが、命にかかわる心臓や肺の病気ではありませんので、ご安心ください。

 パニック障害は現代人に多い病気で、精神科の治療により改善します。症状の背景には持続的なストレスを認めることが多いので、その軽減を図ることをお勧めします。精力的に頑張って無理をするタイプの方に多いようです。パニック障害には、薬物治療が有効です。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる薬でパニック発作を予防し、必要があれば抗不安薬で不安を和らげます。精神科の薬というと副作用をご心配の方も多いのですが、「アルコールより害が少ない」との説明でご安心いただけます。

 パニック障害の症状が続くと、広場恐怖のために日常生活が制限されたり、悩みすぎてうつ状態に発展してしまう場合があります。そうならないためにも、早めの治療をお勧めします。精神科・神経科・心療内科が専門ですが、内科の先生でもよくご存じのかたが増えてきています。 (精神科・福田 正人)

Q: サッカーをしている息子が半月板損傷と診断され、通院しています。半月板損傷とはどんな症状・状態のことをいうのでしょうか。特にスポーツでの半月板損傷について、手術を含めた治療法、術後のリハビリのしかたを教えてください。 (男性・45歳・高崎市)

A:半月板は膝関節の内・外側に1つずつある三日月の形をした軟骨の板であり、膝関節にかかる荷重を分散させるクッションとして働きます。半月板損傷はスポーツ傷害としてよくみられ、症状は痛みやひっかかり感、ひどくなると関節内にはさまり膝が伸びなくなったり、歩けなくなることもあります。診断にはMRI検査が有効で、半月板損傷の90%以上が診断可能と言われています。また、半月板損傷に靭帯損傷を合併することも多く、特に前十字靭帯損傷を合併している場合には治療方針が異なりますので正確な診断が重要となります。

 治療方法は、まず筋力強化訓練などのリハビリテーションを行いますが、症状が改善しない場合は手術が必要となることがあります。手術は関節鏡を使用して行うことが多く、手術方法には大きく分けて切除術と温存術があります。半月板はもともと血流が乏しく治癒能力が低いため切除術が選択される傾向にありますが、修復可能と判断した場合は半月板機能を温存するために縫合術などの温存術を行います。以前当科でスポーツ選手に対する半月板切除術後の臨床成績を調査しましたが、スポーツ再開には2カ月以上、完全復帰には4カ月以上を必要としていました。しかし、切除術後は半月板機能の低下により軟骨損傷が進行し、痛みが出たり、膝に水がたまることがありますので、術後はリハビリプログラムや装具の使用など、主治医の先生と方針をよく相談して治療することが大切です。 (整形外科・畑山 和久)

Q: 爪の中に白い斑点や黒いすじのようなものが定期的に出てきます。体調が悪いのか気になっています。爪を見て体調がわかるといいますが、実際に病気を発見したりできるのでしょうか?  (女性・32歳・前橋市)

A:まず爪に変化が生じるには以下の4つの状態が考えられます。
1.皮膚の病気に関係するもの 2.生まれつきの爪の異常 3.爪(爪の下)に腫瘍があること 4.全身疾患に伴うもの

(内臓の病気の症状として生じるもの)  皮膚の病気に関係して爪に変化が生じる病気としてはアトピー性皮膚炎、手湿疹、円形脱毛症、乾癬、扁平苔癬などさまざまなものがあります。

また、爪の下に生じる腫瘍には悪性黒色腫、有棘細胞癌、ボーエン病、粘液嚢腫、グロムス腫瘍などさまざまなものがあり、腫瘍の発生する場所、大きさなどによって爪に生じる変化も多様です。

 爪に異常を来す全身疾患として内分泌異常、代謝異常、心臓・肺疾患、消化管、腎臓、血液疾患などがあります。この中で比較的良く知られたものはアジソン病、ヘモクロマトーシスで見られる爪の色素沈着や心疾患、肺疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎に見られるばち状指、貧血で見られるspoon nailがあり、爪の状態から全身の病気を発見できることもあります。

 さて、ご質問にある爪の中の白い斑点ですが、これは上記のいずれにもあてはまらない良く見られるものです。この白い斑点(白斑)は小児、若い男女に比較的多く見られ、幸運の星(fortune spots)と呼ばれることもあるものです。小さい点状の白斑が爪母(爪の根元)近くに出現し、爪が伸びるに従い先端に移動し自然に消えてしまいます。どの指の爪にも生じますが、通常足の爪には見られません。

 次に黒いすじのようなものですが、出たり消えたりしているものであれば生理的現象の1つと考えられ問題はないと考えられます。もし黒い幅が6mm以上ある、色調が黒い、爪の根元あるいは爪の先の皮膚も黒くなっている場合には悪性黒色腫の可能性もあるので必ず専門医の診察を受けるようにしてください。 (皮膚科・天野 博雄)

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