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最新医療 痔情

切らずに治す痔 内痔核編
医療法人大誠会
内田病院理事長 内田好司
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 1回目は痛い痔(部分)、痛くない痔(部分)は発生の違いによるという話をしました。今シリーズ第2回は痔核のうち、ある程度進行した内痔核の"切らない治し方"について説明します。ここで"ある程度"というのは排便・運動・仕事中などに脱出してしまう程度で、生活習慣の改善や薬物の内服・外用などでは治療が出来にくいと考えられるものを対象とします。最近では 1.ゴム輪結紮法 2.硬化療法--レーザーによる治療などがありますが、今回は1.2.について述べます。

痔核結さつ器  1.ゴム輪結紮法は50年ぐらい前にアメリカで始められ、日本には35年ぐらい前に紹介されました。図1のようなドラムとゴム外しのレバーを主体とした簡単な装置でドラムの先端に特製の小さい輪ゴムを掛けます。ドラムの中に内痔核(痛みのない部分)を引き込んで輪ゴムを外すと輪ゴムの力で内痔核へ行く血流が断たれ内痔核が壊死脱落するという方法です。(図2)括約筋の緊張が強い人(術後に腫れる)や内痔核の小さい人(ドラムに引き込めない)はこの方法は向いておらず、むしろ高齢者や循環器疾患などの病気で手術が出来ない人などが対象になる場合が多いと言えます。さらにこの療法の利点は麻酔も不要、入院も不要です。

内痔核に対する4段階注射法  2.硬化療法とは、内痔核の中に薬液を注入して痔核組織を固めて縮小させ併せて止血も図る治療法ですが、注入する硬化薬には30年くらい前からアーモンドから絞った油に、ある種の薬を溶かした薬剤が用いられてきました。しかし、2年くらい前から硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸液(商品名:ジオン ィ)という薬液を注入する方法(この療法をALTAという)が脚光を浴びるようになりました。この療法(ALTA)は出血を伴う脱出性の内痔核には、出血もすぐに止まり痔核も帰宅するころまでには縮小するという素晴らしい効果がありますが、治療適応の方を間違えたり、薬液の量が多すぎたり、注射部位が不適切であると潰瘍や炎症を合併したり、疼痛が強かったりして患者さんに苦痛を与えることになります。このため現在「内痔核治療研究会」による手技講習を受けた肛門科医だけが行える治療法となっています。(図3は注射手術モデル図)新しい治療法には専門医にもそれなりの対応が求められているということだと思います。

シリーズ掲載内容
第1回 痛い痔、痛くない痔、その訳は
第2回 切らずに治す痔 その?内痔核編
第3回 切らずに治す痔 その?痔瘻編
第4回 切らずに治す痔 その?裂肛・外痔核編
第5回 切らねばならない痔
第6回 肛門疾患は生活習慣病です
第7回 高齢化社会の到来と便失禁
第8回 肛門科こそ
セカンドオピニオンを!
第9回 専門医が悩む直腸・肛門痛
    (掲載内容は変更される場合があります)

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