健康通信倶楽部
健康通信倶楽部
.
.
こころ・生活・食
« Back
.
.
large small

講座紹介

臓器病態救急学 [救急部]
群馬大学大学院医学系研究科
Dr. Iino教授 飯野佑一

 当講座は群馬大学の中でも新しい講座で、平成9年1月に飯野佑一教授を初代教授(医学部附属病院救急部長併任)に迎え、救急医学講座として設置されました。以後、当大学病院も救急医療および救急教育を本格化させてきました。平成15年4月から臓器病態救急学講座となりました。受け入れている救急患者数および重症患者数は年々増加しており、これらに対応するため平成19年3月には医学部附属病院救急部は中央診療棟(写真1)に移転しました。

 平成18年度の年間救急患者数は9587人、救急車搬入患者数2075人、救急入院数1716人であり、本年度は昨年を大きく上回るペースで救急患者の受け入れを行っています。

中央診療救急外来  当大学病院は全診療科が365日、24時間機能し得る群馬県唯一の病院であり、社会的責任も大きいと考えています。救急外来では大学病院各診療科および各部署の協力を得て、一般の救急疾患はもちろん重症な多発外傷(交通外傷)、熱傷患者や心肺停止患者等を積極的に受け入れています。また救急外来に緊急対応用手術室が設置されていること、補助循環装置(IABP、PCPS)や透析装置などが常備されていることにより、より安全かつ最新の救急医療を行うことが可能になりました。

 さらに救急医療体制の充実のため、群馬県および前橋市の救急医療体制協議会に積極的に参加しており、救急救命士教育にも貢献しています。また救命率向上のため遠隔地からの重症患者のヘリコプター搬送も積極的に行っており、年間約10数台のヘリコプター搬送があります。平成19年より群馬県と協議し、ドクターヘリ的運用を開始しました。

 医学教育では災害医療や救急医療(心肺蘇生法、初期外傷診療法など)の教育に力を入れており、院内および院外の救命講習や一般市民対象の災害医療講演会も行っています。特に災害医療に関しては平成16年10月の新潟県中越地震や平成19年7月の新潟県中越沖地震(後述)での群馬大学医療チーム派遣の経験を基にした実践的な教育を行うとともに、首都圏大規模災害を想定した患者受け入れ体制の確立に向けた災害医療体制の確立を目指しています。

 また災害医療や救急医療を効率的かつ有効に行うために、平成18年5月にNPO法人群馬救急医療推進協会(飯野佑一理事長)を設立し、多くの人々の参加が可能なシステムづくりを行っています。

新潟中越地震における現場活動1
新潟中越沖地震における現場活動1
新潟県中越沖地震の群馬大学医療チーム派遣の報告

 7月16日(月)10時13分ごろ、新潟県上中越沖深さ約17を震源とするマグニチュード6・8の地震が発生しました。直ちに行木太郎医師を隊長とする5人の群馬大学DMAT(注1)(ほか、高橋有我医師、城田智之看護師、野上敏英看護師、尾上吉男事務員)が出動し、被災現場で災害医療活動を行いました。

新潟中越沖地震における現場活動1
新潟中越地震における現場活動1
 群馬大学DMATは、通常よりさまざまな訓練を行っていますが、今回が群馬県におけるDMAT派遣として初めてでした。情報が錯綜し、まったく手探りの状態の中での活動でしたが、関越道経由で新潟県に入り、16時1分刈羽郡総合病院に到着しました。全国から参集したDMAT24隊中5番目の到着でしたが、群馬県および大学病院のDMATとしては最も早い現地到着でした。災害医療は可能な限り迅速な出動と被災地における救急活動が重要とされています。マスメディアや現地病院を介した正確な情報収集および分析による迅速な飯野救急部長の派遣指示および石川病院長の派遣の決断が今回の実質的な現場活動(写真2、3)を行うことを可能にしました。また重症患者が刈羽郡総合病院の収容力を超えた10人以上の報告を受け、群馬大学医学部附属病院としても重症患者のヘリコプター搬入が可能であることを全国の病院では最も早くDMAT情報掲示板に表示しました。これらは当大学の災害対応システム(迅速な医療チーム派遣および傷病者の受け入れ)が実際に機能し得たと考えています。翌朝には近隣病院の稼働が正常化したことにより役割は終了し、飯野救急部長の指示により群馬大学病院に帰院し、被災地での活動について石川病院長、森川副病院長に報告しました。     (文責:副部長 荻野隆史)

(注1)DMAT:Disaster Medical Assistance Teamの略で、大地震および航空機・列車事故といった災害の急性期(48時間以内)に被災地に駆けつけ、可及的早期に救出・救助部門と合同し、救急治療を行うための専門的トレーニングを受けた災害派遣医療チーム


健康通信倶楽部トップページへ戻る



△TOP



Copyright © Jomo Shimbun, Inc. All rights reserved.