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介護のサポート(2)〜介護に役立つモノ〜 介護すること、されること 群馬大学医学部保健学科 教授 佐藤由美 助教 中山かおり 助教 山田淳子
介護の基本は、介護される人の自立を支援することです。自分でできることは何か、どのようにしたら今まで行っていたことが続けられ、さらにできることが広がるかを考えて手助けすることが大切です。それは、同時に介護する側にとっても過重な負担のない介護につながります。現在、日常生活を支えるさまざまな介護用品がありますが、それらを上手に活用しながら、介護をする人・される人が、お互いに安心と充足を得て毎日の生活を送りたいものです。そこで今回は、介護用品の種類と介護用品を選ぶ時・使う時のポイントをご紹介します。 介護用品の選び方を、排泄の介護を例にご説明します。図1は、排泄にかかわる介護用品の選び方のフローチャートです。排泄ケアは1日5回から10回、尿意や便意に合わせて行うもので、介護負担の一因になります。しかし、介護される人の身体状況や排泄パターンをよく知って排泄の介護を工夫することで、介護の負担が軽くなる可能性があります。 一方、人は誰でも自力で排泄したいと願い、トイレに行けること自体が本人の自尊心を保つことになり、さらなる自立につながります。排泄に失敗をしたらオムツを、ということではなく、より上位レベルを目標にし、できない部分に応じて段階的に介護用品・介護方法を決めていくことが大切です。尿モレは多くの人が経験しますが、それにより外出する気持ちが損なわれます。外見上ほとんどわからない専用の下着があるので、気軽に使用することをお勧めします。また、足腰の筋力の低下により、和式便器でしゃがんだり立ち上がったりする動作が困難になった場合には、洋式便器への改修や、和式便器にかぶせるだけで洋式便器になる簡易便器を使用することで解決します。便座からの立ち上がりが困難な場合には、トイレの周囲に手すりをつけたり、便座からの立ち上がりを助ける器具をつけたりすると楽になります。トイレまでの歩行が困難な場合には、ポータブルトイレをベッドの横などに設置すると、自力で排泄することができます。夜間は、暗さと寝起きで力が入らないことから転倒したり間に合わなかったりすることもあるので、夜間だけポータブルトイレを使用する場合もあります。寝たきりの状態であっても、尿や便が出る感覚がわかっている場合には、差し込み便器・尿器を使用することで、オムツを使わず排泄をすることができます。尿意や便意が分からない場合はオムツを考えますが、その場合も排尿時間を見計らって差し込み便器・尿器やトイレでの排泄を促すようにすると、本人はオムツが汚れる感覚を感じることなく、介護者もオムツや寝具の汚れを交換する手間も省けます。 次に、介護用具を選ぶ時・使う時のポイントについて、ご説明します。 1. 何が困っているかを整理する 加齢や病気によって、今までできていたことができなくなったり、負担や不安、危険を感じたりすることがあります。そのような状況が、日常生活のどの場面や動作で生じているのか、それは本人のどのような状態から起こっているのかなど、生活上の不都合・不具合をご本人の立場で考えてみます。 2. 専門職のアドバイスを受けながら対応策を具体的に考える 1. の不都合・不具合について、どのように解消・改善するかを考えます。その際、現状の困っていることを補うだけでなく、今ある機能を維持し拡大するような介護の方法や介護用品の使い方が重要になります。例えば、足腰が弱くなり歩行が不安定になってきた時に、安易に車椅子を使ったり、動かないようにベッド周りで事足りてしまうような環境をつくったりすると、結果としてますます足腰が弱くなります。逆に、移動時の危険がないように杖を使用したり、手すりやスロープを付けたりし、合わせて足腰の筋力維持のためにリハビリを行うことによって、歩行の不安定さが解消することがあります。このようなことは、地域包括支援センターやケアマネジャーなどの専門職のアドバイスを受けながら考えるとより効果的で具体的なアイデアが見つかります。 3. 適した用具を実際に見る・試す 介護用品は、利用者の目的や用途、嗜好、価値観などに合わせて多種多様な製品が存在します。ポータブルトイレ1つとっても、消臭機能やシャワー付き、手すり付き、家具調のものなどがあります。本人の身体状態や使う場所・環境に合ったものを選ぶことが大切です。最近は、介護用品専門店の数も増え、デパートやドラッグストア、ホームセンターでも介護用品コーナーが設置されてきていますので、実際に手に触れたり、担当者に相談したり、試供品や貸し出し品があれば使ってみたりできるといいですね。なお、表1には介護保険制度により利用できる介護用品と住宅改修を、表2には介護保険以外の介護用品の主なものを挙げました。また、最後に「介護機器・福祉用具・住宅改修の展示・情報提供・相談が受けられるところ」を挙げました。ここでは、さまざまな用具の展示があり専門スタッフが相談に応じてくれますので、まずは、気軽に訪れてみるといいと思います。 4. なじむまで使う・状況に合わせて変える 最初は道具を使った生活動作がうまくいかないこともありますが、じっくりなじむまで使ってみることが大切です。また、レンタル品であれば、違う種類の用具に替えてみることによって、適したものが見つかるかもしれません。さらに本人の心身の状況は変化しますので、その変化に合わせて介護方法や介護用品も見直していくことが大切です。
介護機器・福祉用具・住宅改修の展示・情報提供・相談が受けられるところ
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