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群馬大学医学部附属病院

緩和ケアチームの活動

群大病院における緩和ケア診療の推進について
緩和ケア診療推進委員長
三國 雅彦
logo がん医療の進歩により初回治療で治癒する患者が随分増えており、今後の重粒子線療法などの最先端技術でいっそう増加することは間違いありません。しかし、治癒に至らないがん患者は長期の闘病を余儀なくされてしまいます。がんの罹患に伴うさまざまな苦痛を緩和し、精神的負担に対する積極的な治療を行い、残された人生の生活の質を最大限に高める支援をぜひ行いたいという機運が院内で高まり、従来の医療福祉相談部での支援活動に加えて緩和ケア診療推進委員会が平成16年7月に設置され、9月からその活動が開始されました。

室内  医師・看護師・薬剤師・臨床心理士・医療福祉士・理学療法士・作業療法士など多職種チームが病棟を巡回して、適切な緩和ケア対応策について協議し、院内での職員研修会の実施や緩和ケア通信の発行を行っています。緩和ケアチーム一同は気負わずに、粛々と役割を担っていきたいと願っております。

放射線科医師
原島 浩一
 放射線治療を中心としたがん治療を担当しています。

 私たちチームの主な活動は、当院に入院中の患者の身体面や精神面の苦痛を、主治医と相談しながら取り除いていくことです。

ミーティング風景  がんの進行に伴う痛みや呼吸困難やだるさなどへの対策が中心になりますが、抗がん剤治療に伴う苦痛の緩和も行っています。また、良性疾患での苦痛緩和も行っています。

 緩和と聞くとがん終末期の状態に必要なケアと考える方がいまだ多いのが現状です。しかし、治療のどの時期でも苦痛を取り除くことが重要と考えています。

 苦痛を我慢する必要はありませんのでいつでもご相談ください。

麻酔科蘇生科医師
小幡 英章
 麻酔科医が行う診療の一領域として、ペインクリニックがあります。得意と

する神経ブロックの技術を生かして、腰痛や筋肉痛などの痛みの治療を行ってきました。このような麻酔科医の持つ背景から、最近ではがん性疼痛にかかわる麻酔科医も増えてきました。がん性疼痛の軽減に用いるオピオイドは、手術中の鎮痛にも使用するため、麻酔 科医はもともとオピオイドに関しても十分な知識を持っています。がん性疼痛治療の基本は内服ですので、まず症状に最も適した薬剤を処方します。最終的にどうしても取り除けない痛みには、神経破壊薬を用いた神経ブロックを行うこともできます。群馬大学麻酔科では最新の医療技術を駆使して、より安全で選択的な神経ブロックの開発に取り組んでいます。

精神科医師
間島 竹彦
 緩和ケアチームでは精神的な症状緩和を担当しています。がんにかかったあと、うつ病やうつ状態を呈する有病率は、10〜40%といわれています。また、がんの経過中には、「せん妄」とよばれる、興奮や幻覚妄想といった精神症状を伴う意識障害が見られることも少なくありません。抑うつやせん妄は、いずれも強い苦痛を伴う症状で、本来行われるべき身体的な治療の妨げになる場合がしばしばあります。私はこうした症状に目を光らせて早期発見し、治療することをこのチームでの役 割と考えています。そのほか患者のみならずご家族の精神的サポートにも心掛け、広く「こころのケア」ができるよう努力していきたいと思います。

薬剤師
飯塚 恵子
 痛みを緩和する方法の一つに薬物治療があります。通常の痛み止めから始め、痛みが強くなるとオピオイド鎮痛薬(医療用麻薬の一種)を使うこともあります。「麻薬」という言葉から、患者のなかには連用すると依存症や中毒になるのではないかと心配される方がいますが、医師の指示で痛みを取るために使用している限りその心配はありません。吐き気や便秘などの副作用が起こることがありますが、薬の種類や量を工夫することで軽くすることができるのでご相談ください。規則正しく服用すれば痛みを取ることができるすぐれた薬なので医療用麻薬に対する誤解や偏見を取り除き、正しく服用していただくように説明を行っています。チームの中で薬剤師はより適切な薬物治療が選択されるようにかかわっています。薬に関する疑問は、ぜひ薬剤師にお聞きください。

緩和ケアのチームアプローチ --がん看護専門看護師の実践教育--

群馬大学大学院医学系研究科 保健学専攻
神田 清子
 よりよい看護、質の高いケアはよりよい教育、実践のもとに育まれます。

がん患者がその人らしくあり続けられるよう、がんと診断されたその時から、痛みなどの身体的な苦痛だけでなく、不安、不眠、経済的な問題、「自分はこれからどうなるのだろうか」などという疑問や苦痛を取り除く緩和ケアがとても重要です。

 保健学専攻のがん看護学教員(二渡、武居、堀越)と学生は、医学部附属病院の緩和ケアチームに参加しており、大学と病院が協働して活動しています。

 平成18年度から群馬大学大学院医学系研究科保健学専攻博士前期課程(がん看護専門看護師養成コース)では、がん医療分野において水準の高い看護ケアを効率よく提供し、専門性を発揮できる専門看護師・看護の人材育成を開始しました。本大学院の目標は、がん化学療法・がんリハビリテーション・緩和ケアに習熟した人材を育成することです。

 附属病院の緩和ケアチームは、さまざまな医療専門職、緩和ケアに精通したがん看護専門看護師(石田)や緩和ケア認定看護師(金子)が、がん患者の症状緩和を図り、希望に沿えるよう真剣にアプローチをしています。学生はチームに参加することで、チームアプローチ法、最新の緩和ケアの知識、技術および態度を習得することができます。よりよい人材を育てる実践の場として緩和ケアチームの活動は不可欠です。今後は重粒子線治療も視野に入れた包括的ながん治療の一貫として、その活動の発展が期待されています。

がん看護専門看護師
石田 和子
 緩和ケアチームの活動は、その適応が終末期に限定されていません。がん告知から生じる精神的な問題なども対象になります。終末期における苦痛のほかに化学療法や放射線治療による苦痛、患者・家族の辛い気持ちへの対応などを行っています。大学病院では、患者・家族が積極的な治療を望んでいることが多く、看護師は患者自身の希望を把握し、質の高いケアを提供できるよう役割を果たしています。専門看護師としては、看護職の緩和ケア支援能力のレベルアップを目指して教育的にかかわっていきたいと思います。

緩和ケア認定看護師
金子 結花
 病気になると、体調の変化・気持ちの変化・役割の変化・自分らしさの喪失などが生じて、今までどおりに生活することが困難となります。患者とご家族が、その悩みや心配事を解決していくことができるように、一緒に考えサポートしていくことが、緩和ケア認定看護師である私の仕事です。私は患者やご家族と直接お会いすることが多いため、緩和ケアチームのメンバーへの情報提供や調整役という役割を担っています。ひとりの力では困難なこともメンバーが集まると解決への道が開けていきます。誠実さと責任感を常に心掛け、これからも患者・ご家族のお役に立てるように、チームに貢献していきたいと思います。

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