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講座紹介 群馬大学医学部附属病院 リハビリテーション部 教授・部長 白倉 賢二
リハビリテーション(以下リハ)医学は運動障害と高次機能障害を対象として、その状態と治療法を研究する医学の分野です。広範囲のリハ医療を統括し専門領域として確立したのは1940年代のアメリカで医学の世界では新しい領域です。群馬大リハ部は、2002年4月に設立され、8月に白倉が初代教授・部長に就任し本格的なリハ医療活動を開始しました。日本では、医学部がある国立42大学中、リハ医学教授がいるのはたった5校です。幸いにも群馬大リハ部は国立大学病院の中ではよく整備されており、国立大学におけるリハ医療のモデルとなっています。 リハビリテーション部の体制 理学療法士(physicaltherapist:PT)は、患者の基本動作の訓練を行います。基本動作とは生まれた赤ちゃんが成長していくのを例にとるとよく理解できます。赤ちゃんは寝たきりから、寝返りを打つ、座る、立つ、歩く、階段昇降へと成長していきます。寝たきりの患者さんにはまず座れるように訓練し、次の目標へとステップアップしていき、生活の自立を目指します。群馬大リハ部には7人のPTがいます。(写真1)
言語聴覚士(Speech,language andhearingtherapist:ST)は、構音、言語、聴覚、嚥下障害に対する訓練を行います。人は読み、書き、聞き、見て理解したことの集大成として言語を発します。言語は人間の最も高次の機能ということができます。幼少期の聴覚障害は、言語や発達に影響するので、聴力障害、発達障害にも対応します。食物を飲み込む(嚥下)能力は言語と深い関係にあります。群大リハ部にはこれらの訓練を行うSTが2人います。(写真3) 医師は教授、講師、医会長、医員の4人で、これらの訓練の処方を行います。看護師は1人で、通常の看護業務のほかに、患者の心理面のサポート、病状急変への対応、治療現場の安全管理などを行います。治療が進み、社会復帰を図る際には福祉との連携が必要で、ソーシャルワーカーが医療と福祉の橋渡しをします。本院ではソーシャルワーカーは医療福祉相談部に所属しています。これら多職種が一人一人の患者の障害に協力して対応するので、治療方針の統一を図るためにカンファレンスが定期的に行われます。
リハ部には毎日入院、外来患者約180人が受診します。そのうち脳血管障害や難病患者が約30%、手足脊椎の整形外科疾患が40%、呼吸器のリハは呼吸器疾患や胸部、腹部の手術後に行われる訓練で10%です。そして心臓、大血管手術後や心筋梗塞に行われる心大血管疾患リハを含めたその他の患者が20%です。急性期を過ぎて病気が落ち着いてからリハを開始する考え方は時代遅れで、近代医学では発症当日よりリハを開始します。手術患者には術前からリハを開始しますが、まだ古い考え方の医療者が多くいるのは日本のリハ医学教育が未発達であることが原因です。積極的なリハ医療の効果は絶大で、患者さんのリハ医療に対する期待は大変大きく切実なものです。
教育と研究 大学院は、医学科、保健学科ともに修士課程と博士課程があります。発足以来5年間に外国人医師2人を含めた4人の医師と看護師が博士課程を修了、あるいは在籍中です。この春には外国人医師1人を含めた2人の入学者が内定しております。研究は、筋電図、3次元動作解析装置、ワークシュミレーター、超音波診断装置などを用いた臨床研究と、生体材料や培養細胞を用いた細胞生物学的方法で、薬品や物理刺激に対する細胞の反応を観察する基礎研究を行っています。療法士も4人がリハ部に勤務しながら保健学科の夜間大学院生として研究に励んでおります。
リハビリテーション部の夢は
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