《2007群馬県知事選》
(2007/06/13)

多選めぐり激論 知事選控え県議会

 県議会6月定例会は12日、一般質問を行い、首長の多選問題や7月の知事選への対応などをめぐり論戦が活発化した。前県議会議長の大沢正明氏を公認候補として擁立する自民党の松本耕司氏は「権力は長くなると腐敗する」と多選の弊害を指摘。これに対して、5選を目指す小寺弘之知事は「必ず選挙の洗礼を受けている」と有権者の判断を強調した。小寺知事が「県民党」を掲げていることでも激しい応酬があり、知事選を前に緊迫したやりとりが続いた。
 多選の問題は松本氏のほかに、フォーラム群馬の塚越紀一氏、民主党改革クラブの久保田務氏が取り上げた。  自民党と民主党は知事選で四選以上を目指す現職を原則として推薦しない方針を決めている。松本氏と久保田氏は、大きな権限をもつ知事を長期間にわたって務めることにより生じるさまざまな弊害を指摘した。
 一方、知事選で小寺知事支援を打ち出している塚越氏は、多選で職員や県民との間で風通しが悪くなることを懸念し、十分なコミュニケーションを求めた。
 これに対して小寺知事は、就任期間の長短よりも個人の資質で権力の腐敗は生じるとの持論を展開し、初心を忘れず新鮮な気持ちで選挙や県政に臨んでいると主張した。
 また、小寺知事が一党一派に偏らない「県民党」で選挙を戦うと言っていることにも松本氏がかみついた。県議選で小寺知事が自らの支援団体が推薦する候補を応援したことを挙げ、「自分の味方を誕生させた。中立でない」と批判した。
 小寺知事は「私に真っ向から反対し、対抗馬を立てて戦っている方に応援はできない」と述べ、自民党との対決姿勢を鮮明にした。
 自民党はこれまで四回の選挙で小寺知事を推薦した。しかし、副知事人事などをめぐって小寺知事と対立。今度の知事選で対抗馬を擁立し、四月の県議選では小寺知事が「知事派」候補を応援したことなどもあり、「野党」的立場になっている。

■弊 害

松本氏 人事の停滞や独善的な運営など、権力は長くなると腐敗する。イエスマンに囲まれ、周囲が見えなくなって殿様知事になる。多選批判は国民の要望だ。
小寺知事 短くても長くても腐るものは腐る。(多選の弊害に)客観的な根拠があるとは思わない。必ず選挙の洗礼を受けるのであり、主権者である県民のその時の判断が最高だと思う。
松本氏 二期八年やって目標を達成できなければ無能という指摘もある。権力の集中する人の任期は最高でも三期十二年でいいというのが世論。改革派知事は自らの判断でそれなりの任期でバトンタッチしている。
小寺知事 二期やって改まらないものは改まらないというのはおかしい。責任をもって継続してやらなければならないこともある。私は知事という立場に立った以上、極めて抑制的に控えめに権力を行使している。

■風通し

塚越氏 長く知事をやると、(庁内の)風通しが悪くなっているのではないか、職員が知事の顔色を見ながらになってしまうのではないかという危き ぐ惧がある。
小寺知事 職員に「言うことは平等だ。ただ、決定するのは責任者であり、責任は私が負う。自由に発言してやりましょう」と言っている。毎週開く庁議でも活発な議論が行われている。

■現職有利

久保田氏 期を重ねるごとに現職の知名度と圧倒的な強さは強まる。本当に四年に一度審判を受けたと言えるか。絶大な権限を持つ知事の多選で行政に弊害が生ずることがあり、どんなに人格高潔な首長も免れ得ない。
小寺知事 知名度があれば、それだけ(人目に)さらされる。良いことも、悪いことも皆すぐ分かる。必ずしも現職有利にならない。知事は良いことばかり言うのではなく、厳しく辛いことも選択している。選挙のためだけならその必要はない。
久保田氏 多選の弊害はないということか。
小寺知事 それは人による。多選の経験を良い方向に生かすか、なれ合いとして進めていくかという違いが大きい。私は新鮮な政治、新しい政治を求めるためにあえて立候補している。

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