《2007群馬県知事選》
(2007/06/14)

《刻々 知事選(上)》 距離感四様、思惑交錯 政党

 「公明から推薦いただけることになった」。九日に開かれた前県議会議長、大沢正明氏の吾妻後援会発会式で、自民県連の笹川尭会長が声を張り上げた。
 両党は国政で連立与党を組む。笹川氏は、参院選比例代表に出馬する公明県本部の加藤修一代表を応援する意向を示し、選挙協力の実現に期待する。ただ、公明側は党内の意見集約を慎重に進めており、意思決定には時間がかかりそうだ。
 過去四回の知事選は、共産など一部を除く各党が相乗りで現職の小寺弘之氏を支援した。保守分裂選挙となる今回は、政党と立候補予定者の距離感が様変わりした。
 自民は五月、大沢氏を推薦から公認に格上げした。党内の結束を強め、総力戦で知事選を乗り切る戦略だ。県議らは「自分の後援会に頼みやすくなる」「県議中心の選挙戦となり、みんなやりやすい」と歓迎した。
太田市後援会発会式で自民党の公認証書を交付される大沢氏(右)=5月26日
 こうした背景には、一部の後援組織が他陣営を支援したり、国会議員の応援に温度差が生じていることへの危機感もあるとみられる。当初、県議会会派・フォーラム群馬などとの連携も視野に入れていたが、同会派が小寺氏支援を打ち出したことも誤算だった。
 「政党とか組織とか、今までのしがらみを解いて、県政の場では一党一派に偏らないという方針を貫く」。選対責任者を発表する九日の記者会見で、小寺氏は「県民党」として選挙を戦う姿勢をあらためて示した。各党相乗りだった過去四回と違い、政党と一線を画した選挙を進める。
 自民が大沢氏を公認に格上げする動きが出てから、小寺氏陣営は政党色を打ち消す言動が目立ってきたようにみえる。
 社民は昨年十二月、小寺氏の推薦を決め「推薦状を手渡した」(県連合幹部)というが、小寺氏陣営は「政党の推薦は受けていない」と主張する。政党を核に組織選挙を仕掛ける自民との違いを明確にし、県民に訴える戦術のようだ。
 小寺氏は「政党のような組織から支持表明が行われている。ただ、そういうしがらみから解きほぐされて、自由な立場で県民が直接選んでほしいと思っている」(十二日の県議会一般質問)と述べる。
 六月初めの高崎駅前。元県議の山本龍氏は自転車をこぎながらマイクで呼び掛けた。「無所属です。しがらみのない県政を実現しましょう」
 故小渕恵三元首相の秘書を務め、自民県議団にも所属した。自民色が強いが、「一県民として政治活動をしていきたい」と県議を辞職、その後、自民も離党した。無所属を強調するため元同僚の県議や政党の推薦は受けない。「組織や政党で締め付ける時代は終わった。それを証明したい」と意気込む。
 共産は五度目の挑戦となる無所属の吉村駿一氏を推薦する。大沢、小寺、山本三氏を「オール与党態勢のもと、格差社会を生み出してきた側。同じ穴のむじな」(小菅啓司県委員長)と批判し、革新候補としての独自性を強調する。
 民主は、対立する旧社会党系と保守系がお互いの動向をにらみながら、分裂状態のまま選挙に突入することが確実な状況となっている。

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