公明党は十四日、東京・新宿の党本部で開いた中央幹事会で、知事選と参院選の推薦依頼への対応を協議、知事選に出馬する自民党公認の大沢正明氏の推薦を正式に決定した。参院選群馬選挙区で出馬する自民党公認の山本一太氏については、同日までに公明党県本部からの推薦申請が提出されず、この日は推薦が見送られた。
大沢氏推薦の理由について、公明党県本部は(1)正式に推薦依頼があったのは大沢氏だけ(2)推薦の判断材料のマニフェストを現職の小寺弘之氏がまだ発表していない(3)党の自治体首長の推薦基準は三期十二年まで(4)自公連立政権の重み―などを挙げた。
また、子どもの医療費無料化の拡充や知事退職金の削減、地球温暖化対策の積極的取り組みなど、政策面で大沢氏と共通点が多いという。党県本部の加藤修一代表は「県民のためにも現状のように知事と県議会が激しく対立するのは良くない」と話した。
推薦決定を受け自民党県連は十四日の県議団総会で、公明党との選挙協力の方法について協議、笹川尭会長と金子泰造幹事長に方針を一任することを決めた。
金子幹事長は「国政での政策協定や友党関係、大沢氏のマニフェストなどを踏まえて理解してもらったと思う。こちらも(参院選で)期待に応えたい」と述べた。
一方、参院選の山本氏の推薦について加藤代表は、今後、県本部が推薦申請する可能性について「よほどの条件変化がなければ難しい」との認識を示した。
県内の公明党員や支持者には、推薦の見返りとなる同党比例代表候補の加藤氏への、山本氏の支援姿勢が弱いことに不満がくすぶっている。
さらに今回の参院選比例代表には、上野公成氏、尾身朝子氏、中山恭子氏と、自民党の本県関係者が三人も立候補の意思を表明。県内での集票が厳しくなることも、推薦見送りの機運を高めている。
山本氏も「加藤氏をサポートする具体的な方法が見つかっていない」と、選挙協力をめぐる協議で合意できていないことを認める。ただ、公明党の広報担当は「地元での話し合いがまとまり、党本部に申請があれば検討する」としており、今後の推薦の可能性も否定していない。
参院選の選挙協力で、公明党はこれまで全国で無所属を含めた自民党からの立候補予定者を十三選挙区で十四人推薦した。
◎選挙戦への影響否定知事選各陣営
公明党が知事選で大沢正明氏の推薦を正式に決めたことで、県内十万票が堅いとされる公明党の支持票が少なからず大沢氏に回る可能性が出てきたが、各陣営は選挙戦への影響を否定する。
現職の小寺弘之氏は「中央と地方の政治は違う。中央の構図を地方にもってくるのは地方分権に反し、違和感を覚える。個人的には私を応援してくれる人がいると信じている」と話した。
山本龍氏は「しがらみのない選挙を訴えてきた。今後も一人一人政策を訴えていく」と戦術の変更はしない構え。
吉村駿一氏を擁立する「民主県政をつくる会」の嶋津良夫選対本部長は「連立政権を組んでいる自民と公明がくっついただけ。政策重視の選挙に変わりはない」と気にしない様子だった。
また、公明党内には「大沢支援」での一本化に懐疑的な声もある。太田市内では今月三日、山本氏の支援者が、山本氏と加藤修一氏を弁士にした集会を開いたばかりで「山本氏に親近感を持っている人も多い」と話す党関係者もいる。