《2007群馬県知事選》
(2007/06/15)

《刻々 知事選(中)》 かつてない構図に困惑 首長・団体

 十三日のみなかみ町議会で、鈴木和雄町長は知事選に自民公認で出馬する大沢正明氏支持を打ち出した。財政難の町の再建に政権与党の応援は欠かせないなどと説明。その後の取材に「知事には大変世話になっており、苦渋の決断だった」と苦しい胸の内を吐露し、「議会制民主主義の日本で、過半数の理解を得られないような発言や態度をしていては、当選しても県政が混乱する恐れがある」とも付け加えた。
 過去の知事選でともに戦った現職の小寺弘之氏と自民が、今回は直接対決する。互いに支持層が重なる部分も大きく、支援要請を受ける市町村長や各団体などはかつてない選挙構図に困惑する。  大沢氏と小寺氏の両陣営は、組織づくりの過程で、激しい首長争奪戦を繰り広げた。
 十四日までの上毛新聞社の調査によると、県内三十八市町村のうち小寺氏を支持する首長は二十人、大沢氏支持は「会合にのみ出席する」と答えた清水聖義太田市長を加えて四人で、中立も十人に上った。特に町村では小寺氏が大きくリード、支援団体幹部も五月の集会で「町村は固まった」と自信をのぞかせた。
町村長を集めた会議で支持を訴える小寺氏=5月19日
 小寺氏支持の理由としては、実績や清潔さなどが挙げられ、県と市町村のつながりなどを指摘する声も多い。一方で、「自民県議にも世話になっており、具体的に動けない」などとこぼす首長もいた。  参院選群馬選挙区では自民の山本一太氏を支持する首長が二十八人。このうち、十二人は知事選で小寺氏支持を表明しており、自民支持層のねじれがうかがえる。
 二人の陣営は団体の推薦・支持取り付けでも競い合った。小寺氏の陣営は「現職の強み」を発揮、現段階で推薦・支持団体は二百を超える。これに対して、自民公認となった大沢氏の陣営も、「中央」からの指令で巻き返しを狙う。
 両者の間に入った団体からは悲鳴が上がる。農協系の政治団体・県興農政治連盟は「会員がそれぞれの判断で独自に動いており、今回は連盟として特定候補を推薦できない」とし、参院選比例代表に出馬する組織内候補の支援に全力を傾ける。
 県建設業協会は小寺氏を推薦したが、これまでの自民県連との協調関係から「自民と縁を切らない方がいい」との声も上がる。大沢氏の地元の業者は「協会を通じて小寺さん支援の要請があり、地元では大沢さん支援を求められる。営業のこともあるので、今回は色を出せない」と戸惑う。
 同協会の小島秀薫会長は「保守系の土地柄で分裂選挙は県民気質に合っているのだろうか。争いがエスカレートすれば県民に愛想を尽かされる」と厳しく指摘する。
 二人に推薦を出した業界団体もある。幹部の一人は「知事ににらまれたら食べていけなくなる。自民県議にも予算要求で世話になっている。小さな組合の苦肉の策ですよ」と自嘲(じちょう)気味に話す。
 これに対して、「草の根」で戦う元県議の山本龍氏は、こうした組織の綱引きを冷ややかに見詰め、政策アピールに磨きをかける。共産推薦の吉村駿一氏は支持団体「民主県政をつくる会」を構成する労働組合など二十六団体の協力を得ながら選挙戦を進める。

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