《2007群馬県知事選》
(2007/06/18)

保守系は山本氏、旧社会系は小寺氏支援 民主県連の分裂選挙必至

 七月の知事選で、分裂状態が続く民主党県連の石関貴史衆院議員ら保守系グループは十七日、元県議の山本龍氏を推薦する方針を固めた。「多選禁止条例制定」や「八ツ場ダムをはじめとする大型公共事業の見直し」などの政策協定で合意し、組織的に支援する方針。山本氏と民主の連携は、五選を目指す現職の小寺弘之氏や自民党公認の大沢正明前県議会議長らとの対立軸をより鮮明にし、無党派層の動向にも影響を与えそうだ。一方、民主党県連は旧社会党系グループが小寺氏を支援しており、分裂選挙への突入が確実になった。
 政策協定は「情報公開の徹底と議会との対立構造の解消」「人件費削減など県庁改革の推進」「県退職職員の天下り規制条例制定」を含めた五項目。民主党側は近く石関氏ら衆院選挙区ごとの総支部代表名で順次推薦する。解散した一区、五区総支部は前代表名で推薦する。
 山本氏はこれまで政党や組織に頼らない草の根の運動を続けており「各推薦者の立場は政党支部の代表者だが、あくまで個人的な支援」と受け止める。
 ただ、民主保守系は前回の衆院選や今春の県議選で、無党派層の取り込みによって勢力を拡大してきた経緯があるだけに、陣営には「政策中心の都市型選挙という点で方針が一致する。勝手連的な連携により支援を広げられる」と期待感を示す声もある。
 一方、民主関係者は山本氏を「行政手腕は未知数」としながらも、「若くてしがらみがない。八ツ場ダムの見直しなど他候補が言えない問題にもはっきりとした改革姿勢を示している点を評価した」と話している。

◎反自民、多選禁止で決断

 不正経理問題に端を発した民主党県連の内部対立は、現職の小寺弘之氏支援の旧社会党系に対し保守系が元県議の山本龍氏推薦を決めたことで、知事選に持ち込まれることになった。県連は最高執行役員会議が開けない機能不全状態が続き、知事選独自候補の「擁立断念」さえ決まらない。保守系は「自主投票は多選候補と自民候補を利することになる」と判断した。
 民主党本部は、知事選について「推薦は三選まで」とする多選禁止方針を決めている。山本氏の推薦は同方針と反自民を大前提に、「政策的に最も近い」候補予定者を選択した結果だ。
 一方、小寺氏と自民党が対立する保守分裂の構図で、角田義一、富岡由紀夫両参院議員ら旧社会党系は県政与党の立場を取ることで、自民にくさびを打ち込み、保守系との勢力争いで優位に立てるとの目算がある。
 旧社会党系は推薦という“正式”な意思表示こそしていないが、小寺氏を推薦する支援組織の連合群馬と歩調を合わせ、実質的な協力態勢を敷く。四月の県議選でも「知事派」候補に名を連ね、小寺氏が選挙の応援に駆けつけるなど親密さをアピールしてきた。
 保守系関係者は「最高執行役員会議の開催を拒否し、党本部方針に反して五選を目指す候補を支援することは許されない」と旧社会党系を批判している。


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