《2007群馬県知事選》
(2007/06/22)

あと1カ月持論激突 知事選公開討論会

 七月二十二日投開票の知事選に立候補する前県議会議長の大沢正明氏、現職の小寺弘之氏、元県議の山本龍氏、弁護士の吉村駿一氏の四人は二十一日、前橋市内で開かれた公開討論会(前橋青年会議所主催)に出席し、県政の課題や将来像などをめぐって議論を戦わせた。大沢氏と山本氏は長期政権の弊害などを指摘し、県政刷新の必要性を強調。小寺氏は世界に通用する県づくりに自信を示し、吉村氏は貧困と格差是正を掲げ現状打破を訴えた。会場には約八百五十人が集まり、テレビやラジオで生中継された。知事選にはこのほか、会社役員の清水澄氏が出馬表明している。

◎重点政策

 理想の県政や重点施策を問う質問で、小寺氏は「全国各地に住んだが群馬は素晴らしい」と指摘。「弱い立場の人の味方になりたかった」と政治を志した初心を披露し、「子供を安全に育てられる社会、中小企業や農山村を救う社会をつくりたい」と述べた。
 大沢氏は「緑豊かな水源や自然災害の少なさをアピールし、企業誘致を進める」と持論を展開。立地環境を示し「潜在力を引き出すべきだ」と述べた。また「人口流出に歯止めを掛け、群馬を再生させる」と県政刷新を訴えた。
 山本氏はこの一年間県内各地を歩いた感想として「暮らしの中に悩みや不安が多く、社会の土台が崩れている」と現状を憂慮。「税の無駄遣いを見直し、暮らし、命を守れる県政を目指す」と話し、「正しい選択の結果を期待する」とした。
 吉村氏は「貧困と格差が拡大しているのは政治の役割が果たされていないから」と主張。「必要な医療や介護が受けられない」など福祉の問題点を列挙したほか、いじめや不登校をなくす具体策として、高校までの三十人学級を提案した。

◎少子高齢化対策

 少子高齢化への危機感は四氏とも一致し、子育て負担の解消へ向けた施策をアピールした。
 大沢氏は「負担感をなくし、女性が安心して社会進出できる環境が必要」と指摘。〇歳から十二歳までの一貫した保育体制や高齢者の経験を生かす行政づくりを挙げた。
 小寺氏は医療体制整備や三十人学級の拡大など「子育て環境を良くすることが大切」と述べ、男女共同参画社会や、高齢者に元気に働いてもらう社会への移行を掲げた。
 山本氏は「少子高齢化には施設を含む環境整備を」とし、そのための行財政改革をあらためて強調。十五歳までの医療費無料化や介護負担軽減、医療不安解消も挙げた。
 吉村氏は、少子化の最大の原因は経済的負担の大きさと指摘。「お母さんが安心できる社会をつくるべきだ」と訴え、県が率先して最低賃金を是正すべきとの考えを示した。

◎道州制

 道州制について、山本氏は賛成の立場から「市町村、都道府県、国の三層構造は非効率や無駄遣いを生み出す」と訴えた。吉村氏は「大型合併の究極にある考えで、地方自治の精神とはまったく違うもの」と反対した。
 大沢氏は「県の立場をもっと研究すべきと考えている」、小寺氏は「例えば関東州前橋市となってしまい、あまりにも飛躍しすぎ」と、ともに慎重な姿勢を示した。

◎多選

 知事の任期を限定すべきとしたのが大沢氏と山本氏。ともに三期十二年を限度とした。任期が長期化した際の弊害として、山本氏は「なれ合いが生まれ税の無駄が見過ごされる」と指摘。「任期の限定で行政執行のスピードがあがる」と強調した。大沢氏は「知事の顔色をうかがっていると職員の士気が低下し、目線が県民を離れる」と懸念を示した。
 一方、小寺氏と吉村氏は「問題ない」と主張。両氏とも「選挙の度に審判を受ける」ことを理由に挙げた。小寺氏は「主権者は県民」とし「一、二期のパフォーマンスで辞めるのは簡単。将来に責任をもつべき」と説明した。吉村氏は「多選問題は被選挙権の問題。弊害があれば結果に反映されるはず」と県民判断に委ねる考えを示した。


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