《2007群馬県知事選》
(2007/06/28)

《県政の課題 ’07知事選(3)》 迫られる選択と集中 行革・公共事業

 三位一体改革による地方交付税の削減や税収の低迷で本県を含め地方自治体は財政難にあえいでいる。夕張市のように自治体の財政破たんが現実となり、行財政改革は地方共通の課題だ。一方で、行革とは相いれないインフラ整備などさまざまな住民要望にも向かい合わなければならない。
 財政規模に対する公債費の割合を示す本県の実質公債費比率は10・5%。数値が大きければ借金体質、小さいほど健全財政とされるこの指標で、本県は二〇〇五年度全国三位の健全度を誇る。
 県はバブル後の景気低迷期から拡大期に入っても「節度ある財政運営」を基本に、緊縮路線を堅持してきた。「県民に不安を与えるような財政であってはならない」と県財政課は説明。〇五年度から五年間で職員を千人削減する「集中改革」も進めている。

東毛広域幹線道路の建設工事現場=大泉町。全線開通の見通しは示されていない

 ただ、全国順位は相対評価でしかない。県債残高は九千五百五十九億円に上り、県民一人当たりの借金が四十七万円にもなる現状は手放しに「健全」と言い切れない。
 健全財政への取り組みは、インフラ整備などさまざまな政策的な予算を抑制してきたことの裏返しでもある。
 本年度の一般会計当初予算に占める投資的経費の割合は14・1%で年々低下している。特に抑制傾向にあるのが道路や下水道整備をはじめとする公共事業。一般会計の土木費割合は〇四年度決算ベースで12・19%、全国四十五位に位置する。
 主要道路舗装率三十一位、市町村道舗装率四十一位、下水道普及率三十六位(すべて〇五年度現在)とのデータを根拠に、基盤整備の遅れを指摘する声も多い。
 大泉町の元区長の男性(67)は自宅近くで始まった国道354号バイパス(東毛広域幹線道路)の建設工事を見て、こう漏らす。「東西の移動が断然便利になり、東毛にとっては悲願の道路。だが、なぜこれほど時間がかかるのか。二十年近く待って、やっとここまで。予算がないというのは逃げ口上だ」
 県の単独公共事業は本年度三百二十一億円(前年度比5%増)となり、七年ぶりに増加に転じた。だが、今後も歳入の大幅増は見込めず、すべての住民要望を実現するのは不可能だ。事業の選択と集中が求められている。

◎幹線道、対応分かれる

 知事選に出馬する主な候補四人のうち現職以外の三人は、マニフェストで公共事業の見直しや個別事業の中止を挙げている。財政改革の柱となる手法だ。ただ、インフラ整備や、砂防、護岸工事など防災事業は行政の重要な役割でもあり、有権者に聞こえのいいだけの公約にならないよう、見直しが必要な具体的事業とその根拠、事業全般を見直すのであればその判断基準を分かりやすく示す必要がある。
 有権者の関心の高い道路建設事業では、整備が進む東毛広域幹線道や上信自動車道など幹線道に二人が促進の立場だが、一人は大規模道路計画に反対。候補者の対応が別れた。
 行革関連では、二人が業務の民間委託と保有財産・事業の売却を挙げた。情報公開は三人がマニフェストに項目を設けた。


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