《2007群馬県知事選》
(2007/07/14)

《07知事選 候補者走る(上)》 山本龍候補 小寺弘之候補

 知事選は折り返しを過ぎ、候補者の声に一段と力が入ってきた。山本龍候補は若さと行動力を前面に、小寺弘之候補は「直接対話」を重視した遊説で、それぞれ県政への熱意や人柄をアピールしている。届け出順に主な候補者の戦いぶりをルポする。

 

◎改革訴え自転車加速 山本 龍候補(48) 無新

自転車に乗り支持を訴える山本候補(右)=吉井町

 奥多野の緑の中を赤い自転車が疾走する。「正しい群馬の選択」と書かれたオレンジの旗がはためき、荷台にはマニフェストの入った箱。「自転車こいで、きょうも元気です」  山本龍候補は自転車で選挙カーを先導。頭に付けたワイヤレスマイクで演説しながら手を振る。下り坂では時速四十キロを超え、集落を見付けると急旋回。細い路地に滑り込む。
 上野村をスタートし、昼前には藤岡市に到着。市内六カ所の街頭に立った。「日本一長い知事を誕生させて、また同じ政治を選ぶのか、改革を選ぶのか」
 「四十八歳?若い人がいいよ。よその県だって若い知事さんがずいぶんいるじゃないか」。演説を聞いた男性は話した。

しがらみ捨て

 先月、宮崎県の東国原英夫知事に会った。三度の改定を重ねたマニフェストを見せると「しがらみを捨てて本気でやれば実行できるぞ」とエールを送られた。
 故小渕恵三元首相の秘書を十年、県議三期のうち自民党県議団に約七年所属した。「私もしがらみの中にありました」。昨年七月に県議を辞職後、泊まり込みで全県を巡り政策を訴えてきた。「辛くて何度も泣き、あきらめかけた」。一年間の行脚生活で、古巣の自民党県連への思いも断ち切った。

行脚のお礼参り

 選挙遊説は行脚のお礼参りを兼ねる。「お茶やタオル、にぎり飯まで作ってもらったんだ」。人なつこい笑顔と話しぶりで県内各地に知り合いができ、遊説先では「龍ちゃん」と声が掛かる。
 「税金の無駄をなくして皆の暮らしを守りたい」。通学路の安全確保や小児医療費無料化など十項目の緊急課題を掲げる。「その前に知事退職金の全廃」で自らの身を削る考えだ。
 赤信号では車を飛び降り手を振る。演説場所ではごみ拾い。スタッフの昼食中も遊説へ。選挙戦は折り返し地点を過ぎても、赤自転車の疾走は続く。

 

◎あぜ道歩き直接対話 小寺 弘之候補(66) 無現

握手を交わし支持を訴える小寺候補(左)=高崎市

 緑色のシャツに緑色のネクタイ。陣営のシンボルカラーで、子供のころから好きな色を身につけた小寺弘之候補は午前九時すぎ、旧新町のスーパー前でこの日、最初の街頭演説に立った。
 JR新町駅付近の連続立体交差化事業など地元の将来性に言及した後、県政史上初の五選を目指す理由の一端を切々と訴えた。

自民の姿勢批判

 「自民の一部が操り人形のような知事をつくろうとしている。この三、四年、直接、間接に圧力を受けてきた。このままでは県政がおかしくなってしまう」。心情を吐露しながら、公認候補を擁立した自民党の姿勢を批判した。かつてない激戦を反映し、演説の最後は決まって自民批判が口をついて出る。
 選挙カーに国会議員や県議の車が付く「大名行列」だった前回までの遊説とは異なり、今回は基本的に選挙カーを軽自動車二台がサポート。小寺候補は助手席でマイクを握る。十六年前の初出馬の時から毎回、世話になっているベテランのうぐいす嬢五人との呼吸はぴったりだ。
 「小寺弘之、本人です」。肉声を聞き、慌てて家から飛び出してくるお年寄り、擦れ違う車中から大きく手を振るドライバー。同行のスタッフは「反応はすごくいい」と感じている。

選挙カー止め

 「県民から直接話を聞くいい機会」と、選挙カーを止めて一人で畑や水田に歩いて入る。「ちょっといいですか」。農作業をしていたお年寄りの女性は突然の訪問に驚いた。
 「何を作っているんですか」「エダマメなんです。息子たちにはもうやめろと言われるけど、楽しくてね」。小寺候補が手を差し出すと、女性は土で汚れた自分の手に手ぬぐいを巻いた。小寺候補は手ぬぐいをとって握り「長生きしましょう」といたわった。
 選挙戦は残り八日間。体調は万全という。一人でも多くの県民に支持を訴えようと、東奔西走する。


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