《2007群馬県知事選》
(2007/07/15

《07知事選 候補者走る(下)》 吉村駿一候補 大沢正明候補

  知事選は二十二日の投開票まであと一週間。主要各陣営は組織をフル稼働し、支持固めや無党派の取り込みに奔走している。吉村駿一候補(63)は庶民の政治の必要を強調、大沢正明候補(61)は県政刷新を声高に呼び掛けた。

 

◎庶民の政治熱く語る 吉村 駿一候補(63) 無新

笑顔で支持を訴える吉村候補=安中市

 「住民の足として百十余年の歴史を誇った信越線。沿線の市町村が存続を望む中、知事は廃止に同意してしまった。こんな国の言いなりの県政のままでいいのでしょうか」。吉村駿一候補は十四日午前、雨の降る安中市松井田町の鉄道文化むらの前で有権者に問い掛けた。

5度目の挑戦

 五度目の挑戦となる知事選。長年、県政を厳しくチェックしてきたという自負がある。十年前にJR信越線の横川―軽井沢駅間の廃止が決定されたが、この時は弁護士として存続運動の最前線に立っていた。「過去は検証し、間違いは正さなければならない」と県政転換を訴える。
 演説に耳を傾けていた近所の男性(81)は「在来線の廃止で近所に家がなくなり、子供がいなくなってしまった」とつぶやいた。
 選挙カーでの遊説と一日十五―二十回の街頭演説を繰り返し、有権者にアピールする。常に庶民の立場を重んじ、熱い口調で語りかける。

言葉に実感

 訴える内容の多くは、日ごろから受けている相談を踏まえたもの。言葉に実感がこもる。「誰でも病気になるし、介護が必要になる。そんな時に優しく手を差し伸べるのが政治の役割」「派遣や契約社員の不安定雇用が野放しで、生活に苦しむ人がいる。弱肉強食だけの経済はおかしい」
 この日の午前中は安中市内をくまなく遊説した。「弁護士になって間もないころ、相談をよく受けた思い出の地だよ」。休憩に立ち寄った支援者宅で差し入れに磯部せんべいを出されると、懐かしそうに味わった。
 告示以降、どんよりした梅雨空が続く。半袖のワイシャツにノーネクタイが定番のスタイルだが、肌寒かったこの日は初めて背広を着用した。
 午前五時に起き、畑の草取りをしてから選挙事務所に向かうのが日課。「今年は炎天下の演説がない。楽な方だよ」。高校時代にテニスで鍛えた体力と、過去四回の出馬経験が生きている。

 

◎刷新訴え分刻み遊説 大沢 正明候補(61) 自新

支持者と握手を交わす大沢候補=前橋市
 七百人の熱気がドアの外にも伝わってくる。前橋市内のホテル。大沢正明候補を励ます「女性の集い」が開かれ、笹川尭、福田康夫、小渕優子の衆院議員三氏がこれまで以上に勢いよく支持を訴えている。外で出番を待つ大沢候補は一点を見詰め緊張した面持ち。まるで映画スターが登場するような演出の中、後方からステージに上がった。

集会150回

 「もう胸がいっぱいでしゃべれません」。自民県連の候補者擁立が難航した末、前幹事長として自ら覚悟を決めてから八カ月。決戦に臨んでいる今を「こんな幸せな思いは初めてです」とかみしめた。
 「あいさつは苦手」で政見放送の収録前や大きな集会前は胃腸の調子を崩していた。だが、告示から百五十回を超す集会をこなし、笑いを取る余裕も出てきた。「言うと怒られるかな」と小声で前置きした後、「かかあ天下の力を借りれば絶対勝てる」と声を張り上げると、会場はどっと沸き上がった。
 連日、選挙カーに乗り、走行距離は三百―四百キロに及ぶ。十三日夜は大泉町の集会を終えた後、みなかみ町の旅館に移動。十四日朝は同町藤原から遊説を開始した。どしゃ降りの雨の中、道に支持者の姿が見えると、車から降りて駆け寄り、握手を求めた。
 昼は前橋市内のそば屋に寄った。所要時間は四十分。「こんなに余裕のある昼食は告示後初めて。いつも十五分しかもらえないから」。びしょぬれのズボンもはき替えてリフレッシュした。

みなぎる自信

 この日は女性の集いの直後にすぐ近くの県建設会館で各種団体総決起大会に臨んだ。こちらは約九百人。選対幹部のあいさつには「現職の肩に手が掛かった」などと威勢のいい言葉が相次ぎ、本人も「独裁的な県政をストップさせられるのは私だけです」と自信をみなぎらせた。仕上げの一週間も生活信条の「平常心」を大切にしつつ、分刻みのスケジュールをこなしていく。


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