《2007参院選》
(2007/09/17)

政権構想ぶつけ合う 政治への信頼回復を 福田氏 底力解放し成長軌道 麻生氏

◎自民総裁選で立会演説会
 自民党は十六日、党本部で総裁選の立会演説会を開き、福田康夫元官房長官(71)と麻生太郎幹事長(66)の両候補がそれぞれ党所属国会議員約百七十人に所信を訴え、支持を求めた。福田氏は政治への信頼回復に取り組む姿勢を強調、 麻生氏は各分野の潜在能力を引き出す政策に重点を置く考えを示した。両氏は同日午後四時から、都内のJR渋谷駅前で初の街頭演説も行い、買い物客ら約一万三千人に自らの政策などをアピール。二十三日の投開票に向け論戦が本格化した。
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  福田氏は、立会演説会の冒頭で「総裁選で国会を二週間近く停滞させている」と国民に謝罪。その上で「信頼を得るために、国民に目線を据えた行政を展開するよう変えなければいけない。それが自民党、政治の責任だ」と指摘した。 
 総裁に就任した場合は「強力な政策を立案、実行していく。(政治と)カネの問題を一切問われないようにする心構えが大切だ」と強調した。
 小泉、安倍政権が進めてきた構造改革路線に関して「もう方向性は変えられないし、後戻りもできない。問題がある分野に手を加えていく。広がる格差を埋める努力もしないといけない」と述べ、部分的な修正を施しながら継承する考えを示した。年金記録不備問題で政府の信頼、国家の威信が損なわれたとした上で「着実に一つ一つ解決していくしかない。信頼回復に全力を挙げる」と決意を述べた。
 一方、麻生氏は「日本と日本人の底力には、とてつもないものがある。わたしは揺るぎない信頼を置いている。その力を十分に解放し経済を力強い成長軌道に乗せる」と強調。市町村長が地域の経営者、との発想をもって動きやすくすることなどを挙げた。
 さらに「今、日本は危機に臨んで、強く頼りになる指導者を必要としている」と指摘。「年金が信頼の置ける制度に生まれ変わるよう政権の命を懸けて取り組む」と訴えるとともに、日本人拉致問題について「(解決を)断固あきらめない。主権を懸け北朝鮮に解決を迫る」と述べた。

◎「安心感」「温かみ」 福田氏演説に本県国会議員
 「安定か強さか」「調和か独創か」。自民党本部で十五日開かれた総裁選候補者による立会演説会。福田康夫元官房長官が「自立と共生」の理念を穏やかな口調で語ったのに対し、麻生太郎幹事長は身ぶり手ぶりを交えながら内政、外交に具体策を示した。
 所見を聴いた中曽根弘文参院議員は「麻生さんは国の底力、福田さんは環境や年金問題といった緊急の課題について発表した。国民の関心は今、そこにあるのだから、良かったのではないか」と政策論で福田氏に軍配を上げた。
 福田氏の選対副本部長を務める谷津義男衆院議員は「政策面で大きな違いはなかった」としながら、「福田さんは国民の心をまとめて解決策を見いだしていく方法、麻生氏は強いリーダーシップを持って政治に臨む姿勢がみられた」と二人の性格の違いを分析した。
 対称的な性格、人柄を演説からあらためて感じとった議員は多い。
 笹川尭衆院議員は福田氏の人物評を「国民が安心感を持てる。安定型、癒やし系だ」と説明。日本のリーダーとなる自民党総裁の条件について、「強さと優しさが必要。強いだけではだめ」と暗に麻生氏を批判した。
 ただ、話し方に関しては麻生氏の歯切れのよさを認め、「これだけは話すということを一、二、三とまとめておいた方がいい」と福田陣営にアドバイスを送った。
 「福田さんの話に非常に温かみを感じた」と満足そうな尾身幸次衆院議員は「両氏とも素晴らしい主張を盛り込んでおり、わが党には人材がいると安心した」と演説会を総括した。

◎大聴衆にアピール 渋谷で街頭演説
 JR渋谷駅前で十六日午後四時ごろから行われた街頭演説会には、次期首相候補を一目見ようと、一時間ほど前から人だかりができ始めた。福田康夫元官房長官と麻生太郎幹事長はともに大きく手を振りながら演説カーの上に登壇。七機の取材ヘリが上空を飛ぶ中、福田氏から演説をスタートさせた。
 福田氏は落ち着いた様子で聴衆に語りかけるように自らの国家ビジョンを披露。東京の水道水が地元群馬から流れてきていることを例に挙げ、都市と地方の共生の必要性にも言及した。
 一方の麻生氏は、大きく手ぶりを交えながらユーモアを交えた独特の“麻生節”で規制緩和路線の正当性などを訴えた。終了後は二人でお互いの手を取り、大勢の聴衆にアピールした。
 福田氏と同じ七十一歳で、東京都大田区から来たという男性は「今は政治の安定が求められている。私は安定感のある福田さんに一度首相をやってほしいと思っていた。今日の話も落ち着いていた」と感想を述べた。
 東京都世田谷区から駆けつけた五十代の女性は「麻生さんの演説には力強さを感じた。首相になって国民を引っ張っていってほしい」と話した。


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