自民党総裁選に立候補した福田康夫元官房長官(71)は二十日、福島県いわき市を訪れ、シャッター商店街や、過疎が進む郊外、高齢化に悩む集落などを回り、地方重視の姿勢を強調した。麻生太郎幹事長(67)は同日、東京都内の中小企業を視察し支援に力を入れる考えを示すなど、それぞれが別の形で格差是正に取り組む姿勢をアピールした。
福田氏 福島で商店街など視察
福田氏は午前中はNPO法人運営の非行少年更生施設を見学したほか、地元の商店街を巡った。
和菓子を振る舞われるなど商店街で熱烈な歓迎を受けた福田氏。「やはり閉まっている店が多いですね。何とかしなくてはいけない。応援しますから元気な町にしましょう」と力強く訴えた。
午後はハワイアンショーなどで誘客に成功し、映画「フラガール」の舞台となった同市の温泉施設を訪問。続いて山間部に移動して地域住民から医師のいない苦しさなど切実な訴えに耳を傾けた。
視察を終えた福田氏は中心商店街や村落の疲弊に言及し「地域と協力して何らかの解決を図っていくことを考えなければならない」と深刻な表情で語った。視察には中山恭子参院議員が同行した。
麻生幹事長は大田区の中小零細企業を視察。作業着姿で金属板を回転させながら曲面状の立体を成形する「金属絞り加工」にも挑戦した。「こうした企業がきちんとやっていけるような環境整備が、政治に与えられている仕事だ」と記者団に述べた。
その後、浅草の浅草寺で総裁選の必勝を祈願。仲見世通りで商店の人たちとの握手に応じるなど、党所属の議員票で劣勢を強いられる中、世論へのアピールに努めた。
◎福田氏単独インタビュー 「自立と共生」で元気に
自民党総裁選に立候補している福田康夫元官房長官は二十日、都内のホテルで上毛新聞社の単独インタビューに応じ、「自立と共生」で地方の元気を取り戻していきたいとの考えを強調した。
―渋谷の街頭演説で、「東京の水道水は群馬から流れている」と呼びかけた。都市と地方の格差解消をどう進めるか。
東京は豊かだが、地方のことも考えてほしい。いろいろな事業で協力できる関係を構築できないか。まさに共生の気持ちが求められる。地方が自立できる税制や交付税の検討を公約にしたが、政策費を地方に集中的に回すことも考えたい。
―台風9号の被害で南牧村の集落が孤立した。公共事業が一律削減されているが、こうした事態への対応はどうするのか。
予算がないのは事実だが、人命にかかわることは緊急に対処する。一律削減はよくない。道路を造るにしても、三年で開通すれば経済効果がでるが、二十年もかければどうか。選択と集中が必要になる。
―中心商店街の活性化も大きな課題。車社会の本県は昔栄えた街がさびれてしまっている。
国もアドバイザー制度をつくっているが、まずは地域の工夫が大事。視察した福島県にもシャッター街があり、農村部は人口が減少している。ところが、ハワイアンセンターは大盛況。工夫と熱意が必要で、(そういう地域には)重点的に支援していいのではないか。
―観光は本県も得意分野だが、地域間競争が激しくなっている。
一つ一つの旅館が努力しても限度がある。伊香保でもフラダンスの大会をやっているが、知名度を上げる工夫が必要。まさに自立と共生。自立しながら、お互い助け合う共同体だという意識を持たないといけない。
―「第四の総理・総裁の誕生を」と県民の期待は膨らんでいる。あらためて、総裁選の意気込みを聞かせてほしい。
群馬から力強い応援をいただいている。県連では国会議員が全国に飛び回り、私に代わってお願いしてもらっている。激励も届いている。ありがたいと思うと同時に、熱心に応援してもらっている県民の期待に応えなければと思っている。