自民党は二十三日午後に党本部で開く両院議員総会で、新総裁を選出する。二十一日には島根、広島両県連が役員らによる投票などで福田康夫元官房長官(71)への投票を決定。議員票で圧倒的なリードを保っていると見られる福田氏が、地方票も確実に増やしている。福田氏は同日、日本記者クラブ主催の公開討論会で、インド洋での海上自衛隊の給油活動を継続するため、十一月一日で期限が切れるテロ対策特別措置法に代わる新法案を今の臨時国会に提出、成立させるべきだとの考えを表明した。麻生氏も同様の考えを示した。
新総裁は党所属国会議員(三百八十七票)、都道府県連各三票(百四十一票)の計五百二十八票の投票で決める。県連はすでに本県、山口が福田氏に、茨城、福岡は麻生太郎幹事長(67)への投票を決めており、二十一日の島根と広島を加え福田氏が十二票、麻生氏が六票を獲得した状況だ。
公開討論会で福田氏は、給油活動に関し「テロ特措法の延長が難しいなら新法もやむを得ない。出すことになれば臨時国会に出す」と明言。麻生氏も「早急に成立させてしかるべきだ。延長が無理なら新法。臨時国会で成立を図るべきだ」と強調した。
福田氏は基礎年金の財源問題については「人口減などこれからの社会情勢に合わせてどういう年金がいいのか柔軟に考えていい。与野党で一生懸命にやるのも一つの方法だ。(税方式も)含めてだ」と述べた。
福田氏は安倍晋三首相の退陣表明について「決断の時期を間違えた。参院選敗退の時期が決断の時期でなかったか」と批判。靖国神社の参拝問題に関連し、首相に就任しても国立追悼施設の建設を具体化する考えがないことを説明した。
◎「覚悟持ち政治主導」 福田氏
自民党総裁選に立候補した福田康夫元官房長官は二十一日午前、党本部で開かれた党青年局主催の公開討論会で、地方自立のための施策遂行と党立て直しへの強い意欲を示した。
福田氏は参院選惨敗に触れ「こういう時こそ、自民党は団結すべき。背水の陣だ。何か問題が起きれば政権を失うかもしれない。覚悟を持って政治をリードする必要がある」と、首相に就任した場合は背水の陣で政権運営に臨む考えを表明した。都市と地方の格差是正では「地方問題を解決するための構造改革が重要」と地方重視の姿勢をあらためて強調した。
参加者が「最近の自民党はさまざまな不祥事に揺れたが、危機管理の対策は考えているか」と質問すると、「危機管理も大事だが、『問題を起こさない』という政治家の意志が必要だ」と、党の結束強化を呼び掛けた。
この後、麻生太郎幹事長も政見を披露した。
福田氏は午後三時半ごろから東京都港区の子育て支援施設を視察し、育児中の母親らの話を聞いた。
今春に男児の初孫を授かった福田氏。大勢いる幼児たちに笑みを投げかけ、「にぎやかだね」と語った。その後、母親らと懇談し、再就職を希望している母親が多いことや、夫の育児休暇取得に対する社会の理解が進んでいない、といった意見に耳を傾けた。福田氏は「よく分かります」と理解を示し、子育て支援に積極的に取り組んでいく姿勢を強調した。